「死後も一緒」LGBTに壁 寺や親族から拒否多く 2020/8/4

2020-08-04 | 文化 思索

「死後も一緒」LGBTに壁 寺や親族から拒否多く 
2020年8月4日 火曜日 夕刊

  
  レインボーフラッグの前で語り合う長谷雄住職(左)と深井さん。LGBTを積極的に受け入れるお寺はまだ少ない=愛知県愛西市稲葉町の大法寺で 

 カップルで一緒の墓に入れなかったり、親族から受け入れを拒否されたりと、性的少数者(LGBT)の「弔い」をめぐる問題が起きている。一部寺院が、現状の改善に向けた対応に乗り出すが、LGBTへの差別や偏見もあり、大きな動きにはなっていない。当事者からは「私たちは死に方が分からない」と悲痛な声が上がっている。 (深世古峻一)
差別、偏見さまよう「弔い」 寺や親族から拒否多く

 「あなたたちは何を言っているのですか」。五年ほど前、愛知県愛西市にある浄土宗大法寺の長谷雄(はせを)蓮華住職(48)は、亡くなったLGBTの遺族を通夜の席で一喝した。遺族が所有するお墓への納骨を「気持ち悪い」と拒否したからだ。遺族はパートナーの葬儀への参列も拒んだが住職が説得し、パートナーは友人席でひっそりと見送った。 
 住職はこの出来事をきっかけに「仏様が『男だから、LGBTだから』で救済を区別するはずがない」と考え、すべての場合で一律、戒名に女性を表す「大姉(だいし)」や男性を表す「居士(こじ)」を付けるのをやめた。一年前ほどからはLGBTの尊厳を象徴するレインボーフラッグを境内に掲げ、相談に乗り、境内の樹木葬の墓地には、数人のLGBTが眠っている。
 ただ、大法寺のようにLGBTを積極的に受け入れる寺は珍しく、カップルが墓へ一緒に入れないなどの事例も後を絶たない。
 各地で寺院を対象にLGBT受け入れに関する勉強会を開くコンサルティング会社「アンカレッジ」(東京都)には、寺側が親族とのトラブルを恐れ、亡くなったLGBTの納骨を拒否するケースが報告されており、やむなくパートナーの遺骨を海洋散骨する人も多いという。同社の伊藤照男相談役(44)は「日本の墓は代々の親族同士が入る通念が強く、(親族に認められない)LGBTカップルが一緒に入るのはハードルが高い」と指摘。「独立した新しいお墓に納めたくても、寺や相手親族に反対され、死後の行き場がない状態にある」と訴える。
 仏教の主要宗派ではLGBTの受け入れを促す動きなどははぼ無く、それぞれの寺院の判断に委ねられているのが現状だ。LGBTの行政書士、深井勝彦さん(54)=愛知県津島市=は「長い間パートナーとして過ごし、添い遂げたのに、死後は別々ではあまりにつらい。遺体の見送りすらできなかった方もいる」と指摘。「法的に夫婦と認められれば一番良いが、まずは社会の中で、私たちへの理解が深まってほしい」と訴えている。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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