【鳩山内閣 大臣解剖】千葉景子法相

2009-10-17 | 死刑/重刑/生命犯
産経ニュース2009.10.17 08:05
千葉景子法務相 ■拉致犯釈放嘆願 反省も…
 「お姉さんみたいな感じ。『千葉法相』なんて言ったらトチ狂っちゃう」
 9月30日午後の法務大臣室。千葉景子法相と会談した社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は、親しみを込めて呼びかけた。
 千葉、福島両氏は女性弁護士の先輩、後輩として旧知の間柄だ。選択的夫婦別姓制度導入のための民法改正など、左派・リベラル色の強い政策で歩調も合う。
 「死刑の問題は法相の職責を踏まえながら、慎重に考えていきたい」
 千葉氏は、死刑制度には反対の立場ながら、法相就任以降の記者会見では死刑への見解を問われても慎重な言い回しに終始している。同じく死刑反対派の杉浦正健元法相が就任直後、執行命令書に「サインしない」と言い切って物議を醸したのとは対照的だ。
 大臣経験者が少なく行政手腕が不安視されがちな鳩山内閣にあって、老獪(ろうかい)な印象もある。法務省関係者は「自民党議員より自民党らしい安定感がある」と評価する。
 市民派弁護士として厚木基地騒音訴訟などを担当し、政治家人生は旧社会党参院議員としてスタートした。永住外国人への地方選挙権付与法案を推進する議員連盟の呼びかけ人で、北朝鮮との幅広い交流の促進を目指す議連「朝鮮半島問題研究会」の発起人。国旗を「日の丸」、国歌を「君が代」と定める国旗国歌法案には反対票を投じた。
 平成19年、安倍晋三首相(当時)が施政方針演説で「子供は国の宝」とうたったことに対し、「子供は国のために生まれるという発想がある」と批判した。実は、民主党は18年に小児医療の充実を図る法案を提出した際、ホームページでその目的を「『子供は国の宝』という視点から」と説明しており、これは“勇み足”だったようだ。
原敕晁(ただあき)さんらを拉致した実行犯である辛光洙(シン・ガンス)・元死刑囚の釈放嘆願書に対し、平成元年に署名していた問題については、就任後のインタビューで「うかつだった。どういう状況の中で署名したか、経緯は調べている」と反省してみせた。
 だが、千葉氏は署名に先立つ昭和63年3月26日、警察庁の城内康光警備局長が辛元死刑囚について「恐らく不法に侵入した北朝鮮の工作員だろう」と答弁した参院予算委員会に出席していた。「うかつ」で済むような話なのかどうか。
 ともあれ、千葉氏は今後とも、政策面での同志である福島氏とタッグを組み、国籍法改正や慰安婦問題などで、大暴れしそうな注目閣僚だ。千葉氏らの動きが物議を醸す日がそのうちやってくるかもしれない。(杉本康士)
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【プロフィル】千葉景子
 ちば・けいこ 昭和23年生まれ。中央大卒。弁護士を経て、昭和61年の参院選に旧社会党(現社民党)から立候補し初当選。平成9年に社民党を離党し、民主党入党。母と2人暮らし。

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