【米の核先制不使用】日本は、戦争を防ぐ抑止力を損なう宣言は思いとどまるよう、同盟国として説得すべき2016/8/19

2016-08-19 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

 産経ニュース 2016.8.19 05:03更新
【主張】米の核先制不使用 被爆国ゆえに「懸念」する
 オバマ米大統領は「核兵器なき世界」を提唱した。人類の悲願ともいうべき理想の実現を目指すことは分かる。
 だが、よかれと思ってすることが、逆に極めて悪い結果を招くこともある。米政権内で浮上している核兵器の先制不使用宣言の構想は、その典型といえないか。
 皮肉なことに、こうした宣言はオバマ氏の理想に寄与しない。むしろ核をめぐる状況を悪化させ、世界の平和を乱しかねない。
 検討されているのは、米国の核兵器は相手国が核攻撃してきた際の反撃以外には使わない-という政策である。
 米国が「核の傘」を差しかけている日独韓などの同盟国政府や、オバマ政権の主要閣僚が懸念を表明したと報じられている。
 核戦力は、相手国からの核攻撃を防ぐとともに、通常戦力を主体とした大規模な侵略を抑止することに欠かせない役割を果たしている。理想的かどうかは別として、それが現実である。
 したがって、核兵器の使用に抑制的だとみなし、そうした宣言に期待するのは危険だ。国民の生命を守る安全保障政策への理解が不十分だともいえる。米政権内で大統領に翻意を促す意見が相次いでいるのはそのためだ。
 東西冷戦のさなか、ソ連よりも通常戦力で劣勢だった北大西洋条約機構(NATO)側は、核兵器の先制使用を否定しなかった。この抑止戦略が平和を保つことに作用した。そういう厳しい教訓を忘れてはなるまい。
 生物兵器や化学兵器という大量破壊兵器が国際的に禁止されているのも、核兵器による報復という手段が担保されているからだ。
 国際社会は、その平和の維持をいや応なく核抑止力に依存している。宣言は核抑止力を損ない、敵対国が侵略や生物・化学兵器の使用に踏み切るハードルを低くすることを忘れてはならない。
 「核の傘」が破れ傘になったとみて、核武装を目指す国が現れれば、核拡散につながる。同盟国や世界の安全に関与する米国の意欲が減じたともみられかねない。中国や北朝鮮が勢いづけば、日本の安全保障環境を直撃する。
 戦争こそが核兵器使用のリスクを最も高める。唯一の被爆国ゆえに日本は、戦争を防ぐ抑止力を損なう宣言は思いとどまるよう、同盟国として説得すべきだ。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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核兵器なき世界という「理想」 ✖ 国際社会がなお、核抑止力に依存している「現実」 2016/8/16 
安倍晋三首相 オバマ米大統領の「核先制不使用」に反対意向伝達 2016/8/16
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