中部主要161社、68%減益 原材料高で圧迫

2008-11-15 | 社会
2008年11月15日 中日新聞朝刊
 中部地方の主要上場企業161社(名古屋証券取引所発表分)の2008年9月中間決算(4-9月期)が14日、出そろった。中日新聞のまとめでは、全体の68%の110社で純損益が減益(赤字化・赤字拡大含む)となり、09年3月期も65%が減益を見込んでいる。
 第1・四半期は景気に好調さが残っていたため、中間期トータルでは50%にあたる81社が売上高を伸ばしたが、原油や鋼材などの原材料高が収益を圧迫。売上高、経常利益、純利益ともに過去最高を記録したのは前年同期の38社に対し7社にとどまった。
 輸送用機械は23社中16社が減益だった。トヨタ自動車は北米などでの販売が落ち込み、純利益が47・6%減少。グループ10社も減益で1社は赤字に転落した。電機メーカーも米国向けの輸出比率が高い企業の落ち込みが目立った。一方、鉄鋼・金属は一時高騰した鉄スクラップなどの価格転嫁が進んだ企業もあり、11社のうち6社が売上高を伸ばした。商業と食品は仕入れ価格高騰のあおりなどで、27社中19社が減益となった。
◆自助努力に限界
 中部企業の2008年9月中間決算には、世界的な株安とドルやユーロに対する円高が重くのしかかった。コスト削減などの自助努力だけでは改善困難な厳しい数字が並んだ。10月以降は中間期を超える市場の混乱が続いており、通期の業績への不安も広がっている。
 9月以降の日経平均株価の下落で、多くの企業が保有株式の評価損を抱え込んだ。御幸ホールディングスは5億円の評価損を計上し、6年ぶりに純損失を計上することに。中間期では初の純損失となったゲオは「本業が黒字なのに想定外のマイナス要因」と説明する。
 米国発の金融危機は、金融面で比較的傷が浅いとされる円を買う動きを助長。デンソーは268億円の減益となり、加藤宣明社長は「大幅な為替差損が響いた」と述べた。欧州への輸出が好調だったオークマの花木義麿社長も「ユーロの激落は大きな痛手」と表情を曇らせた。武蔵精密工業の大塚浩史社長は先行きについて「米国の金融市場が落ち着かない限り今期いっぱいは(円高が)続く」と不安をのぞかせている。(小野谷公宏)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。