2015年版犯罪白書:高齢受刑者、初の1割超 性犯罪も増加

2015-11-13 | 社会

犯罪白書:高齢受刑者、初の1割超 性犯罪も増加
毎日新聞 2015年11月13日 11時37分(最終更新 11月13日 12時59分)
 法務省は13日、2015年版犯罪白書を公表した。昨年1年間に刑務所に入所した2万1866人のうち、高齢者(65歳以上)の占める割合が統計を取り始めた1991年以降初めて1割を超え、2283人となった。また、白書が今年特集した性犯罪の動向で、高齢者の検挙者数は30年前に比べ強姦(ごうかん)で7.7倍、強制わいせつで19.5倍に増加し、少年の占める割合は低下。犯罪状況にも少子高齢化が反映しているとみられる。
 1年間の入所者に占める高齢者の割合は、91年には総数2万1083人に対し274人で、わずか1.3%だった。
 一方、性犯罪の特集では、08年7月から1年間に懲役刑が確定した1791人を対象に特別調査を実施。罪名や被害者の年齢などを元に、単独強姦▽集団強姦▽強制わいせつ▽小児わいせつ▽小児強姦▽痴漢▽盗撮−−の7タイプに分類し、傾向を分析した。
 事件当時の年齢は、強姦の47.3%、集団強姦の79.5%を29歳以下が占めた。一方で小児わいせつは45.1%、痴漢では51.3%が40歳以上だった。職業別ではどのタイプも、有職者が6〜8割で無職者や学生よりも多かったが、学歴別では、痴漢と盗撮では大学進学者が3割以上となるなど、他のタイプに比べて高学歴者の割合が高かった。
 判決確定後5年間の性犯罪での再犯率を調べたところ、痴漢と盗撮が特に高く、それぞれ36.7%と28.6%。初犯では執行猶予がつくケースが多く、実刑となった場合でも刑期が比較的短いことが影響したとみられる。分析結果から、白書は「多様な問題性に応じた処遇の充実が必要だ」などと提言している。
 白書によると昨年の刑法犯認知件数は176万2912件で12年連続の減少。また、交通関連を除いた一般刑法犯の検挙者のうち高齢者は18.8%を占め、20年前の4.4倍となる4万7252人。一般刑法犯に占める再犯者の割合は97年から上昇し続け、昨年は47.1%。【和田武士】
 ◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です


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