産経ニュース 2017.11.2 05:04更新
【産経抄】犯罪評論家もお手上げの猟奇殺人 11月2日
劇作家の別役実さんは、かつて「犯罪評論家」の看板も上げていた。いつしか下ろした理由をこう語っている。「どう考えていいのか分からないような犯罪、やってる方も何となくというか、あまり深く考えていないんじゃないかって犯罪が増えてきた」。
▼「今犯罪についてコメントするのは、病理学者とか心理学者です」。いや、どんな分野の専門家の話を聞いても、さっぱり要領を得ない。神奈川県座間市のアパートで、9人の切断遺体が見つかった事件である。
▼遺体は男性1人、女性8人、10代の少女も含まれている。死体遺棄容疑で逮捕された白石隆浩容疑者(27)は、9人を自宅に連れ込んで殺害したと、警察に供述した。女性8人とはツイッターで知り合い、自殺を手伝うと伝えていた。
▼わずか2カ月で、なぜこれほど多くの命を奪わなければならなかったのか。「乱暴と金銭が目的」と話しているが、わずか500円を奪っただけの犯行もあった。遺体の扱い方も尋常ではない。自宅の浴室でバラバラにして、頭部と腕や脚とみられる骨をクーラーボックスに隠していた。
▼本を読んでいると、ページに張り付いた蚊に出会うことがある。3年前104歳の天寿を全うした詩人のまど・みちおさんは、そんな小さな死も見逃さない。「とある かつじを ひとつ うえきばちに して カよ」「花に なって さいている」。『いわずにおれない』(集英社be文庫)に、「カ」と題して収められている。
▼本のなかでつぶされた蚊さえ、懇ろに弔わずにはいられない詩人がいた。そうかと思えば、自ら手にかけた若者の亡きがらのそばで、平然と暮らし続ける男がいる。人間とは、と改めて問いただしたくなる事件である。
産経ニュース 2017.11.2 10:25更新
【座間9遺体】アパートに足を踏み入れた捜査員は異様さに絶句した「ドラマの世界だ」 容疑者から謝罪なく
神奈川県座間市の住宅街にあるアパートの一室。10月30日、踏み込んだ捜査員は異様な場面に直面し、言葉を失った。約10日前から行方が分からない東京都八王子市の女性(23)をめぐる捜査。「どこにいる」との問い掛けに、白石隆浩容疑者(27)は「この中」といった趣旨の返答をし、クーラーボックスを指さす。開けた捜査員が目にしたのは、ネコのトイレ用の砂の中にある切断された2人の頭部だった。
「まるでドラマの世界だ」と捜査員。その後、狭い部屋に置かれた他の箱から7人の頭部が見つかった。「9人もの遺体の首だけを残すなんて常識では考えられない」
白石容疑者について、ある捜査関係者は「取り調べには素直な様子で応じ、罪と向かい合おうという意思も感じる」。だが、謝罪の言葉などはないという。警視庁捜査本部は、DNA型鑑定などで被害者の身元確認を進める構えだが、遺体は損傷が激しく難航も予想される。捜査関係者は「被害者の数を考えると、何が出てくるか分からない恐ろしさを感じる」とつぶやく。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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◇ 自殺サイト殺人の前上博死刑囚(2009/7/28 刑執行)「白い靴下」「他人の窒息」に興奮する性癖はなぜ生まれたのか
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