大阪寝屋川 中1遺棄事件 山田浩二(旧姓・渡利)容疑者 真人間を演じていた少年愛の「ホオジロザメ」

2015-09-04 | 死刑/重刑/生命犯

「寝屋川中1遺棄事件」の全真相 真人間を演じていた少年愛の「ホオジロザメ」
行き当たりばったりで杜撰な犯行
 最も獰猛なホオジロザメの目には一切の表情がない。感情を表に出さず、いきなり人を襲うのだ。寝屋川で中学生2人を殺害した45歳の男は普段、軽いノリの真人間を演じていた。しかし、何度も犯罪を繰り返してきた目は笑わず、常に獲物を物色していたのだ。
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  大阪府柏原(かしわら)市の外れ、JR関西本線の線路のすぐそばにある、鬱蒼とした竹林。1日、2日……と、線路の上を無数の電車が行き過ぎる間、竹林のそばに横たえられた星野凌斗(りょうと)くん(12)の小さな遺体は無惨に朽ちていった。8月21日午後7時36分に発見された遺体の顔面と左手首には粘着テープが巻きつけられており、
 「全体的に腐敗が進んでいた。特に肩から上、頭の一部が白骨化していた」(大阪府警関係者)
  行方不明時と同じ黒のTシャツ、7分丈のズボンを身に着けていたが、そのポケットから“奇妙な物”が発見されていたことはまだ報じられていない。
 「見つかったのは、精液らしきものが入ったコンドームです。口の部分は括られていました」
  と、府警関係者が囁く。
 「犯行の証拠になる自分の精液をわざわざ残すはずはないから、他人のものだと見ています。つまり、犯人による偽装工作だろう、と。犯人は遺体を遺棄した後、遺棄現場に舞い戻っていますが、その時に精液入りコンドームをポケットに入れた可能性もある」
  いずれにせよ、犯人、山田浩二は遺棄現場に舞い戻ったことによって墓穴を掘った。その時、すでに府警は容疑者として彼をマーク。行動確認中であったため、彼が立ち去った後、密かに竹林を捜索し、星野くんの遺体を発見するに至ったのだ。結果、約1時間後の8時22分に山田は逮捕されることに。8月13日夜、高槻市内の駐車場で遺体が発見された平田奈津美さん(13)に対する死体遺棄容疑である。
  京阪寝屋川市駅近くの商店街の防犯カメラが平田さんと星野くんの姿を最後に捉えたのは、13日午前5時8分。山田が2人を軽ワゴン車に乗せたのはその直後とみられているが、2人が感じたであろう恐怖は想像を絶する。体を30カ所以上も刃物で傷つけられ、その一部は骨にまで達していた平田さん。山田が平田さんの体を切り付けるのをそばで見て震えていたか、あるいは、傷つけるのを手伝わされたかもしれない星野くん。2人は恐怖と絶望の中で命を絶たれたのだ。
  では、山田はどのような手口で2人を車に誘いこみ、連れまわしたのか。この点、逮捕された山田が犯行について否認しているため詳細は判然としないが、
 「山田は13年前の2002年にも少年を車に乗せて連れまわす事件を起こしている。捜査員は、今回の事件の手口は02年の時と同様だと見立てています」(府警担当記者)
  02年当時、山田の姓は「渡利」というものだったが、まず中学2年の男子生徒に対する強盗、逮捕監禁の容疑で逮捕。さらに、別の17歳の少年2人に対する逮捕監禁、傷害容疑で再逮捕された。
 「今回の事件のニュースを最初に見た時にアイツやとピンときた」
  忌々しげに呟くのは、当時、被害にあった中学2年の男子生徒の父親だ。
 「息子は“寝屋川市駅はどこ?”とアイツに聞かれて“あっちです”と答えたら首筋にナイフを当てられ、拉致された。車に連れ込まれた後は手錠をかけられ、口には粘着テープ。ズボンに手を突っ込まれて下半身を触られたり性的ないたずらもされた。で、4時間後に目隠しをされた状態で駐車場に放置されたんや」
  幸い、彼はたまたま駐車場を通りかかった中学校の関係者に保護された。
 「その後、息子と母親に対して、警察は性犯罪者のリストを見せた。で、息子が写真を見て、コイツやと言ったら警察官がバッと飛び出していったそうや」
  と、父親は続けて話す。
 「アイツは当時、前科8犯だったらしい。逮捕後、アイツの母親から手紙が来た。減刑を乞う手紙やのに、謝罪の言葉はなかった。刑事さんに相談したら、“減刑などさせん、10年はブチ込む”と言っていましたわ」
  結局、懲役12年の刑が確定。服役を終えた山田が出所したのは昨年秋頃だ。福島県で除染作業員として働き、人並みにフェイスブックを始めた山田は一見、刑務所で改心して真人間に戻ったかのような平凡な日常について綴っているが、出所から1年も経たないうちに取り返しのつかない事件を起こしたわけである。しかも、平田さんの遺体を遺棄した2日後には千葉・幕張でカレーに舌鼓を打ち、フェイスブックには〈期待を裏切らない美味さ!!〉と記述。平然と日常生活を送るその姿には慄然とする他ないが、一体、どのような生い立ちを経て、人の心を完全に失うに至ったのか。
  山田は寝屋川市に隣接する枚方(ひらかた)市出身で、両親と、6歳下の妹の4人家族だ。先に触れた通り、当時の姓は「渡利」である。
 「小学生の頃からおかしな子どもだった。虫を殺して女の子にぶつけたり、みんなの上履きを隠して、ドブに捨ててしまったり。彼は当時、団地に住んでいましたが、住人がゴミ捨てのためにちょっとの間、部屋を空けた隙を見計らって上がり込んで物を盗むような子でした」
  とは、小学校時代の同級生。小、中学校の先輩も、
 「小学生の時からスーパーの商品を箱ごと万引きしたり、レジを丸ごと引きちぎってもっていったりしてた。カエルの皮を剥(は)いで喜んでたこともある。あいつは中学生の時、1年ほど鑑別所か少年院に入っていた。容疑は窃盗やと思います」
  山田が中学生の時、一家は同じ枚方市内の一軒家に引っ越しているが、
 「家を訪ねた時、あいつから大量のガンダムのプラモデルを見せてもらった。あいつ、ガンダムが滅茶苦茶好きで、ガンダムを語る時はハキハキ話す。でも、普段の話し方はトロい」
  と、中学時代の別の先輩。
 「中学を卒業した後は、高校には行かず、バイクで暴走してた。なぜか紫色のアイシャドウに口紅まで塗ってバイクの後ろに乗っとるんで、“気持ち悪いことすんな”と言ったら、笑ってごまかしてたな。“さくら会”とかいうチーム作って走ってることもあった」
  その頃にはすでに、今回の事件につながる暴力性と異常性癖の片鱗が見られ、当時の仲間の1人は、
 「私は渡利が10代後半の時から数年間、仲良くしていました。当時、彼は男性器にすごく興味があった。“チンチンしゃぶりたい”と言ってたのもよく覚えています。一方、女の子とも普通にセックスしていたので、いわゆる“両刀”だったのかもしれません」
  として、こう語る。
 「高熱のアイロンを仲間の皮膚すれすれまで近づけ、ヨダレを垂らすほど喜んで恍惚の表情を浮かべていたこともあった。カネは、繁華街で強盗したり、シンナーを売買したりして得ていました」
  成人して以降の彼について、多くの同級生や先輩が、
 「ヤクザっぽいことをやっている」という話を聞いているが、暴力団関係者によると、
 「20代の一時期を京都刑務所か大阪刑務所で過ごした、と渡利本人は言ってたらしい。正式な組員になったわけではないが、薬物関係に強い組と深く関わっていたから、そっち方面の罪で捕まったこともあるのではないか」
  山田の家族が枚方市の一軒家を売り、寝屋川市の分譲マンションに引っ越したのは2001年。先に触れた「少年監禁事件」を起こすのはその翌年、山田は32歳になっていた。
■スタンガンと手錠
 「あいつは徳島刑務所に服役していたんだが、とにかく最低のやつだった。手癖が悪くて工場の物を盗む。同房のやつのタオルをトイレに流して嫌がらせをする。人が困るのを見て喜ぶやつで、ムショ内でも嫌われ者だったよ」(山口組関係者)
  養子縁組などをして姓が変わり、最終的に山田になったのもこの時期。また、「獄中結婚」したことはすでに報じられているが、
 「本人は出所後、“獄中結婚したが、少しして獄中離婚した”と周囲に吹聴していた」(山田の知人)
  出所した山田がフェイスブックを始めたことは前述した。が、そこに書かれなかった事実こそが彼の本性をよく表している。例えば、事件を起こす3日前の8月10日、秋葉原と池袋を訪れていることが分かるが、「実は8月9日と10日、山田は仲が良かった除染作業の同僚と共に、アダルトサイトで見つけた“輪姦イベント”に参加していた」
  と、除染作業で知り合った元同僚は明かす。
 「9日の会場は品川にあるホテルの一室で、女1人に男が5、6人。山田は緊張のためか射精にまで至らなかった。ちなみに山田は、自分のイチモツには真珠が25個入っている、と自慢していた。翌10日の会場は池袋のホテルで、この日はうまく射精にまで至り、楽しそうにしていたといいます」
  イベント終了後、山田と同僚は秋葉原に移動したが、そこで“事件”が起こる。
 「山田の軽ワゴンに同僚が乗っていたところ、女の子をナンパするために山田は車を急にUターンさせた。結局、ナンパは中止し、車を発進させたところで、後方からきたパトカーに“停まりなさい”と言われた」
  元同僚が続けて話す。
 「で、警察官が山田の車内を調べると、バイアグラ、注射器、スタンガン、手錠が出てきたそうです。そのまま山田は警察署に任意同行され、尿と指紋を採取された。が、薬物反応は出ず、解放されることになったのです。注射器やスタンガンなども理由をつけて返却してもらったといいます」
  解放されたのは8月11日の未明で、山田は同僚を千葉の自宅に送り届けた後、大阪へ向かった。そして、13日朝に事件を起こすのだが、その日の午後2時58分、山田はこの同僚にLINEで、「ため息」を意味する(´Д`)という顔文字のみを送っている。平田さんか星野くんの身に何かあったのか。
 「事件の2日後の8月15日、山田は千葉県にあるこの同僚の家に泊まっている。そして翌日、山田の車で一緒に福島にある除染請け負い会社の寮へと向かいますが、その際、同僚はいつもはしない芳香剤の匂いが車中に漂っていることに気付いたそうです」
  と、元同僚は話す。
 「17日、寮のテレビで今回の事件のニュースをやると、航空写真の地図を指さして“うちはこのへんや”などと言っていた。が、18日、19日と次第に報道が過熱するに従って、ニュースが始まると背を向けてスマホをいじるようになったと聞いています」
  そして21日の逮捕後は、見え透いたウソをついて犯行を否認し続けているこの男に、「良心の呵責」や「改悛の情」を求めても無駄なことは、犯罪の泥濘(ぬかるみ)の中に浸り続けた45年の人生が示している――。
「特集 『寝屋川中1遺棄事件』の全真相 真人間を演じていた少年愛の『ホオジロザメ』」より
 週刊新潮 2015年9月3日号 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです。
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「寝屋川中1遺棄事件」 常習「性犯罪者」の情報公開に大反対する「日弁連」
 行き当たりばったりで杜撰な犯行
 被害者それぞれに家庭の事情があったにせよ、無論、山田の罪は些(いささ)かも減免されるものではない。同時に、もう一つの「罪」も忘れるわけにはいくまい。山田のような性犯罪者を野放しにしてきた罪である。人権派が「加害者の人権」なるものを後生大事に唱え続けてきた結果、「再犯モンスター山田」を跋扈(ばっこ)させることになったのだから――。
  ***
  先に触れたように、山田には性犯罪の過去が複数回あった。もはや、彼が「常人」でないことは疑いの余地がなかろう。それは、山田の筆跡からも窺える。
  犯罪者の精神鑑定を行ってきた心理学者で、一般社団法人「こころぎふ臨床心理センター」の長谷川博一代表が解説する。
 「彼の文字はカクカクとしていて流れが止まっている。これを私は『止め字』と呼んでいますが、他にも、文字が異様に縦に長かったりとバランスが悪い。こういった文字を書く人の中には、深いコンプレックスを持ち、萎縮した生活をする一方で、強い“こだわり”を見せる人がいる。それが異常な性癖に繋がる場合もあります」
  この文字の特徴から垣間見える山田の「内面」は、
 「興味や関心の対象が極めて限定されていて、それ以外では自己の欲求を満たすことができない。彼の場合、その対象は少年であり、粘着テープで少年を縛って拘束し、自分の支配下に置くことで達成感を得ていたのではないかと推測できる。今年の名大生タリウム事件の加害女子や、昨年、佐世保で同級生をノコギリで切断した女子高生と類似した病理性が窺えます」(同)
■人権栄えて、人命滅ぶ
 このような輩が、平然と街を闊歩(かっぽ)していたのかと思うと卒倒しそうになるが、異常な性犯罪者であっても刑期さえ終えてしまえば、人権を盾に、凶悪性を懐に忍ばせたまま何食わぬ顔で社会に紛れ込めるのが日本の現状なのである。
  犯罪者が守られ、無辜(むこ)の民が怯(おび)えて暮らす――。この倒錯を解消すべく、例えば米国では「メーガン法」が整備されている。これは1994年、少女のメーガンちゃんが性犯罪の前科がある男によって、強姦された末に殺害されるという惨劇を機に制定された法律である。性犯罪者は出所後であっても居場所が公開され、インターネット上で、誰でもそれを検索できるシステムが確立されているのだ。
  日本にも、「プチ・メーガン法」とでも言うべき条例が存在する。2012年に大阪府が、18歳未満の子どもに性犯罪を働いた者は、刑務所を出た後も府知事には住所を届け出なければならない、との条例を施行したのだ。万人が性犯罪者の行方を把握できるメーガン法には到底及ばないが、この時ですら、人権派の「総本山」である日本弁護士連合会(日弁連)は会長名で、
 〈現実の(本誌(「週刊新潮」)註・再犯等の)危険が不明であるにもかかわらず行動を規制するといった人権侵害を伴う犯罪防止手段を講ずることは(中略)許されない〉
  と声明を出し、どこまでも「加害者の人権」を守るべきであると主張したのだ。今回の事件を受け、改めて日弁連に聞くと、
 「(条例施行)当時と見解に変わりはありません」
  ジャーナリストの徳岡孝夫氏が嘆く。
 「人権尊重派には、性犯罪の累犯者という、言ってみれば『人殺し予備軍』を放ったらかしにしている側面があります。確かに人権が尊重されなければ我々は生きていけないわけですが、それを大事にしすぎて人が殺されている。人権を手放さない法律家は、人権と人の命と、どちらが大事だと考えているのでしょう」
  人権派が幅を利かせてきた挙句、ホオジロザメのように少年を付け狙い、牙を剥(む)かんとしている「第2の山田」が、今日もどこかの街をうろついているのだ。
「特集 『寝屋川中1遺棄事件』の全真相 真人間を演じていた少年愛の『ホオジロザメ』」より
 週刊新潮 2015年9月3日号 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです。

  ◎上記事は[矢来町ぐるり]からの引用です
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大阪・中1遺棄事件 星野凌斗君の祖母、涙ながらに胸中語る「弱っちい子が、なんで人の車に…」2015.8.31
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