足利事件 無罪濃厚 再審前に菅家受刑者釈放 「私は無実、人生返して」
6月5日8時1分配信 産経新聞
栃木県足利市で平成2年、4歳の女児が殺害された足利事件で殺人罪などに問われ、無期懲役が確定した元幼稚園バス運転手、菅家利和受刑者(62)について東京高検は4日、再審開始を認める意見書を東京高裁(矢村宏裁判長)に提出した。菅家さんは同日午後、千葉刑務所から釈放された。再審開始決定前の受刑者に、検察当局が無罪を見込んで釈放を認めた例は初めて。
千葉市内で記者会見した菅家さんは「釈放になり、本当にうれしく思います。わたしは無実で、犯人ではありません。自分の人生を返してもらいたい」と述べた。
高検は同日、菅家さんのDNA型と女児の下着に付着した体液が一致しないとする再審請求即時抗告審の2つのDNA型再鑑定のうち、検察側推薦の鑑定医の結論を「無罪を言い渡すべき証拠」として、再審開始に反対しないとの意見書を高裁に提出、釈放も決めた。無期が確定した12年7月の最高裁判決から約9年、再審開始は決定的で、無罪になる公算となった。
確定判決ではDNA型が一致したとする捜査段階での鑑定結果が有力な証拠とされた。高裁が実施した再鑑定は、検察、弁護側の推薦で高裁から委託された2人の鑑定医が行い、5月8日にいずれも「不一致」とする結果を提出した。検察、弁護側双方は、鑑定結果に対する意見書を今月12日までに高裁に提出する予定だった。
高検は再鑑定の体液に、犯人とは別人のものが混入している可能性があるとして、下着に触れた可能性のある当時の捜査関係者らのDNA型鑑定を進めたが、該当者はいなかった。
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◇おことわり
足利事件で菅家利和受刑者が再審無罪となることがほぼ確実となりましたので、今後は「菅家利和さん」の呼称を併用します。
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【用語解説】足利事件
平成2年5月、栃木県足利市のパチンコ店駐車場で女児=当時(4)=が行方不明になり、近くの河川敷で遺体で発見された。女児の着衣についた体液のDNA型が菅家利和さんと一致したとする鑑定結果を示され、菅家さんは犯行を自供、3年12月に殺人などの容疑で逮捕された。1審途中で否認に転じたが、最高裁は12年7月、DNA鑑定の証拠能力を初めて認め、1、2審の無期懲役判決が確定。菅家さんは別の幼女殺害事件2件も自供していたが、この2件は不起訴になっている。
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〈来栖の独白〉
菅家さんに対して、最高裁は黙したままだ。「人生を返して」との訴えは、あまりに切ない。失われた時空は還ってこない。
これが死刑判決だったなら、と考えるとぞっとする。命は還ってこない。国家賠償といっても、3000万円以内である(国家賠償は、公務員の故意又は重大な過失によりそうなったと認められた場合に限り賠償金が支払われる)。取り返せない命・名誉・時空・・・。こんな不正義があってはならない。
和歌山毒カレー事件確定判決は、大丈夫か。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/wakayama.htm
また平成20年10月28日(火)死刑執行された久間三千年氏の確定判決は真実正しかったか?
<久間死刑囚は捜査段階から一貫して無罪を主張。犯行を直接裏付ける物証や自白がなく、裁判は遺体周辺から採取された血痕のDNA鑑定や、目撃証言などの状況証拠の評価が争点になった。
1、2審とも鑑定の信用性を認めて死刑とし、最高裁は06年9月、「性的欲望を遂げようとした卑劣な犯行。女児の首を締め付けて窒息死させた態様も冷酷かつ非情」と判断。被告側の上告を棄却し、確定した。(2008年10月28日 読売新聞・九州発)>
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/c9c701c42d6297ebbe9f1fab95d4205b
コメント、有難うございます。お元気ですか。
足利事件の実質無罪宣告は良かったと痛感しますが、これが死刑判決だったら、と考えますと足が震えます。上のエントリ、その恐れのある「飯塚事件」久間三千年元死刑囚について気付かされ追記しました。kennethさん、ありがとう。