「君を見せて」被害者・湯浅洋さんの求め、届かず 秋葉原事件 加藤智大被告 明日(2015.2.2.)最高裁判決

2015-02-01 | 秋葉原無差別殺傷事件

「君を見せて」届かず 秋葉原殺傷あす最高裁判決
 東京新聞 2015年2月1日 朝刊
 東京・秋葉原の繁華街で七人が無差別に殺害され、十人が重軽傷を負った事件の最高裁判決が二月二日、言い渡される。「どうして事件は起きたのか。目を見て話したい」。被害者の一人、湯浅洋さん(61)は、一、二審で死刑を言い渡された加藤智大(ともひろ)被告(32)との面会を求め続けたが、かなわないまま裁判の終結を迎える。
 「最後の手紙になると思います」。湯浅さんは昨年秋、拘置所の被告に出した六通目の手紙に、自分の思いをつづった。
 二〇〇八年六月八日、日曜日の歩行者天国にトラックで突っ込んだ加藤被告は、車外に出るとナイフで次々に人を刺していった。交差点を通り掛かった湯浅さんは、トラックにはねられて倒れていた男性を助けようとタクシーを降りたところ、脇腹を深く刺された。
 一命をとりとめ、救護活動について表彰もされたが、複雑な感情が残った。「もし刺される前、君に気付き、抵抗ができていたら、私の後の被害者を出さないまでも、何人か少なくなっていたのではと残念でならない」。手紙にはそう書いた。なぜだろうか、時間がたつにつれ後悔の念が大きくなっていく。
 面会を求めるようになったのは、〇九年十一月に被告から届いた「全てを説明したい」という手紙に、湯浅さんが「もっと君を見せて」と返信したのが始まりだ。真相が分からなければ、また惨事が起きるかもしれない。そんな思いでペンを握るようになった。
 「被告と同世代の子を育てた自分だからこそ分かることもある」と思っていたが、会えないまま時が流れた。その後、加藤被告からの返信は一一年三月に一度あっただけ。「どうしたらいいのか、まだわかりません。いずれお会いしなくてはいけないとも考えております」と、面会を拒否したことをわびていた。丁寧に書かれた文字だった。
 結局、六通目の手紙にも反応はなかった。「彼は自分の世界に閉じこもったままだ」。それでも、湯浅さんは判決言い渡しに立ち会うつもりだ。「今度こそ自分が奪った命の重みをよく考えてほしい」
 最高裁の公判に、被告本人は出廷しない。仮に死刑が確定すれば、面会できるのは親族ら限られた人だけになる。
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秋葉原殺傷事件/加藤智大被告 公判結審 2011-02-09 | 秋葉原無差別殺傷事件 
 (抜粋)
 村山裁判長は前回公判で、被告に「次回は意見を言う機会があります。自分なりに言いたいことをまとめておいてもよいのではないかと思います」と伝えていた。しかし、この日、発言を求められた加藤被告は最終陳述をわずか十数秒で終えた。裁判長が「いいんですか?」と確認すると「はい」と表情を変えないまま答えた。
 傍聴した被害者の元タクシー運転手、湯浅洋さん(57)は「あまりに淡白であぜんとしている。納得できる真実はひとつも聞けなかった」と怒りを隠せない様子だった。
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