〈来栖の独白 2018.1.10 Wed〉
日本の衣文化「着物」が、いつの間にやら「晴れの日」の儀式のみに着るものとなってしまった。普段は、全く、着ない。そのような暮らしであるから、自分で着る(着付ける)ことができない。殆どのメディアは「はれのひ」という着物レンタル・販売会社を批判するが---確かに犯罪であるが---、「はれのひ」は会社名も示すように、普段に着物を着なくなった日本の現状を見極め、盲点を突いていると言えるのではないか。
自分の国の着物くらい、普段に着ましょうよ、と私はいつも思う。能楽堂(鑑賞)へ行っても、着物の婦人は少ない。着物の男性は、ちょっと特殊な(職業の)人なのかな、或いはご隠居さん?という風情である。
着物が日本人の生活から離れてしまい(自分で着付けられないというのは、甚だしく象徴的)、高価なものになってしまった。正絹の類になれば生地自体高いのもやむを得ないが、仕立てる職人が居らず、ベトナムなど、外国へ仕立てに出す有様だ。「仕立て」ということでは、縫物のできぬ私は一言もない。が、私のこの歳では、遅すぎる。溜息。
着物を、なんとか身近なものにできないか。着物業界を活性化しなければ・・・、と思う。折に触れ夫君にも呟くことだが、NHKなどはアナウンサーさんに着物を着させては如何だろう。「紬です」「付下げです」「小紋です」などといった説明のテロップを入れて。帯も、然り。様々な結び方があるので、それも説明を。
今回の事件は、日本人が考えてみるべき問題のように思う。
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新成人、晴れ着姿かなわず 貸衣装「はれのひ」、店舗閉鎖
成人の日の8日、横浜市などに店舗を置き、着物の着付けやレンタルを手掛ける業者「はれのひ」と契約した新成人らから「店が閉まっていて誰もいない」「店側と連絡が付かない」といった相談が警察に相次いだ。300人規模の新成人がトラブルに遭ったとみられ、別業者への手配が間に合わず、一生に一回の成人式で晴れ着姿を披露できなかった人が多数出た。
はれのひのホームページによると、横浜市以外には東京都八王子市、茨城県つくば市、福岡市に店舗を構える。
着付け会場となっていた横浜市港北区のホテルによると、8日に約200人に着付けをする予定だった。
京都新聞【 2018年01月08日 19時16分 】
◎上記事は[京都新聞]からの転載・引用です
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「信頼ゆらぐ」和装業界憤り はれのひ、京都の取引問屋も
2018/1/10(水) 8:40配信 京都新聞
横浜市の着物レンタル・販売会社「はれのひ」が成人式に着る振り袖や着付けの注文を受けながら営業を停止した問題で、和装業界に波紋が広がっている。同社に着物を卸していた京都の呉服問屋は、寝耳に水の事態に「代金が回収できるのか」と気をもむ。着物の小売やレンタルを手掛ける会社の関係者は「業界への信頼がゆるぎかねない」と憤り、影響を懸念している。
「どうなるのか、こちらが聞きたいくらいだ」。「はれのひ」に着物を販売していた京都市中京区の呉服問屋の総務担当者は、困惑した様子だった。成人式の前日と当日には東京にいる社員が着付けの手伝いに行く予定だったが、直前になって、同社の店舗責任者から「来なくていい」という趣旨のメールが送られてきたという。
支払いは以前から滞りがちだったという。担当者は「何とか売掛金を回収しないと。先方と連絡がつかないが、今は情報収集しかない」と苦々しげに言った。
信用調査会社の信用交換所京都本社(中京区)によると、同社は、この呉服問屋を含む京都市の和装関連会社3社と取引があり、売掛金は計約7500万~8600万円に上ると見られるという。
振り袖の小売やレンタルを手掛ける全国の呉服店でつくる日本きものシステム協同組合(下京区)は9日、下京区のホテルで開いた例会で今回の問題を急きょ取り上げ、加盟業者は安心して利用できると消費者にアピールする宣言を出すことに決めた。
成人式の振り袖のレンタルや販売は1~2年前に予約しているケースが多く、加盟店に「大丈夫か」という問い合わせがあるという。佐々木英典理事長は「残念で心が痛む。業界全体が同じととらえないでほしい」と懸念する。加盟する「京都まるなか」(八幡市)の中西英章社長は「経営理念の問題。今後はいっそう長年の信頼が求められ、地域密着の店が選ばれるのではないか」と話した。
繊維卸会社でつくる京都織物卸商業組合の野瀬兼治郎理事長は「経営者の資質の問題が一番だが、倒産などのリスクにどう対処し、消費者をどう保護するかも考えないといけない」と指摘した。 最終更新:1/10(水) 8:40 京都新聞
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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日本人は、もっと、あらゆる機会に『着物』を着るようにしたいですね。民族の誇りですもん。
もっとも、職場では不便ですが、たとえば、女性だったら『小袖に袴』(つまり、卒業式のスタイル)だったら、事務的な職場の仕事だったらできますよ。(何かの機会に誰かがやり出したら、案外、拡散して流行るかもしれません(微笑))
それにしても、例の『はれのひ』の事件は、ひどいですね。成人式を楽しみにしていた女の子の心を、どれだけ傷つけたかわかりません。
もっとも、横浜市は被害者を対象に、成人式のやり直しを計画しておられるそうですが、是非ともお願いしたいです。
それと、身近な職場の事になりますが、、、、、、、
年長者のかたの、お話しですと、昭和時代の良き頃は、1月4日の会社の『仕事始め』には、和服姿で祝杯をあげて、本番の仕事は5日からというのが普通だったらしいですね。でも、今は和服姿の仕事始めの祝典は少なくなり、いきなり本番の仕事をする会社が大部分です。(振り袖姿の仕事始め(大発会)をやってるのは、証券会社くらいかもしれません)
私は、また、多くの会社が昭和時代のように、和服姿の仕事始めの祝杯をしてほしいな、と思います。
本番の仕事は1日ぐらい伸ばしても、能率に差し障りはないと思いますが。。。。。
でも、聞くところによりますと、そういう仕事始めの祝典に、何か、おかしな理屈で反対する人もいたらしいです。
つまり、【若い、‘’見栄えのよい?‘’女性に、振り袖を着せて、前に並ばせて、祝いの手拍子を打たせるような事は、好ましくない。】という意見を言う人も、あったらしいんですね。
まあ、何を言おうとしているかは、だいたい想像がつきますが、私には、さっぱり理解できないですね。
女の子の立場から見ても、そういう晴れ着の花道を、嫌だと思う子は、いないと思うんですが。。。。。
コメント、じっくり拝見させて戴きました。ありがとうございます。
>案外、拡散して流行るかもしれません(微笑)
「拡散」というのが、今風で、いいですね。ほんと、「案外」、そんなことになったりして。考えただけで、私も、微笑です。
>昭和時代の良き頃は、1月4日の会社の『仕事始め』には、和服姿で
そういえば、思い出しました。私の母は学校の教諭でしたが、元旦には紋付き・袴で、行きましたね。当時は、冬休みでも元旦には(年始の)登校があったような、おぼろな記憶です。3学期の初めの日の登校ではなかったような。
>まあ、何を言おうとしているかは、だいたい想像がつきますが、私には、さっぱり理解できないですね。
同感です♪