アウシュビッツ収容所 「線路は平均台ではありません。犠牲者たちに敬意を」ツイッターで訴え 2019/3/22

2019-03-23 | 文化 思索

アウシュビッツ収容所、「線路は平均台ではありません。犠牲者たちに敬意を」ツイッターで訴え
佐藤仁  | 学術研究員/ジャーナリスト
 2019/3/22(金) 23:30
  第2次大戦時にナチスドイツが約600万人のユダヤ人、政治犯、ロマなどを殺害したホロコースト。そのホロコーストの象徴的な収容所がポーランドにあるアウシュビッツ絶滅収容所で、アウシュビッツではガス室などで100万人以上が殺害された。現在ではアウシュビッツは世界的な観光地として年間200万人以上が訪問。日本人にとってはアクセスが良くないことから、訪問する人は多くないが、欧米やイスラエルからは観光客以外にも学校の学生がホロコーストの学習にも訪れている。
 アウシュビッツ絶滅収容所の公式ツイッターが2019年3月20日に、観光客に対して「収容所の入り口にある線路を平均台のようにして乗らないように」と呼びかけた。
■「犠牲者たちの思い出に敬意を払ってください」
 公式ツイッターでは「アウシュビッツ絶滅収容所は100万人以上が殺害された場所であることを忘れないでください。犠牲者たちの思い出に敬意を払ってください。線路は、数十万人が殺された終着地点の象徴であり、平均台の練習場所ではありません」と訴えた。
 アウシュビッツ絶滅収容所では、入り口に線路があり、全ヨーロッパからユダヤ人がアウシュビッツに家畜列車で移送された時の終着地点であり、アウシュビッツでも有数の観光スポットにもなっている。そのため、多くの観光客が、まず線路の上に立って、平均台のようにバランスを取ったポーズで撮影を行っている。それらの写真の多くはSNSにも多数、投稿されている。
■過去にはセルフィーや「ポケモンGO」禁止も
 アウシュビッツ絶滅収容所は、観光地になっているため、世界中からの多くの人々が訪問し、スマホで撮影をしている。戦後、70年以上が経過し、アウシュビッツを訪問する観光客、特に若者にとってはホロコーストは過去のものになっている。スマホでの自撮り(セルフィー)でのふざけた写真の撮影もやめるようにと過去に呼びかけたこともあった。また「ポケモンGO」が流行していた2016年7月には、アウシュビッツ絶滅収容所では「ホロコーストの犠牲者に対して失礼だからやめるように」と訴えていた。
<筆者プロフィール>
佐藤仁
 学術研究員/ジャーナリスト
  グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割などに関して研究。情報通信技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきた。それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあり、国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたい。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)、「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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