【佐世保高1殺害・事件から1年】2015.7.27 殺人衝動抱えつつ 少女の更生模索 社会復帰後の支援課題

2015-07-27 | 少年 社会

【佐世保高1殺害・事件から1年】殺人衝動抱えつつ― 「心情に変化」加害少女の更生模索 社会復帰後の支援課題
 47NEWS 2015/07/27 17:00
 長崎県佐世保市で高校1年の女子生徒=当時(15)=が同級生の少女(16)に殺害された事件は26日、発生から1年を迎えた。殺人衝動を抱える加害少女に、長崎家裁は13日の決定で医療支援を伴う矯正教育をすれば更生の可能性はあると判断、少女は京都医療少年院に移送された。この1年で謝罪できるまで「心情の変化があった」と指摘する関係者もいるが、矯正には困難も予想され、社会復帰後のケアが課題となる。
 「反省や後悔はない」。捜査関係者によると、少女は事件後の取り調べで、殺人衝動を抱える自分を「変えたい」と吐露することもあったが、わびる様子は見せなかった。今年1月まで約5カ月間、検察側の精神鑑定を受け、長崎家裁に送致後も約4カ月間、家裁独自の鑑定を受けたが、この間も謝罪はなく、7月の少年審判を迎えた。
 審判の様子を知る関係者によると、女子生徒の父親の意見陳述を前日に聞いた少女はうつむきながら体を震わせて泣き「本当にごめんなさい」と謝罪。女子生徒から進路を相談され、歴史が好きなので先生になるよう勧めた話も明かし「みんなに好かれるいい先生になると思ったのに、事件の時はそういうことが思い出せなかった。未来を奪ってしまった」と後悔の気持ちをにじませた。
 少女の謝罪について、精神鑑定や家裁調査官の聞き取り作業が、少女が自分の問題と向き合うきっかけになったとみる専門家もいる。家裁も処分決定の際、少女が共感力の乏しい自閉症スペクトラム障害で今も殺人衝動を抱いているとしながらも「変化の兆しはみられる」と指摘した。
 京都医療少年院では、殺人衝動を別の衝動に置き換える方法を探したり、自分の言動を相手がどう受け取るか立場を逆転して考える疑似体験を繰り返したりして社会復帰を目指す。
 ただ、少年院法の規定で収容期間は最長26歳になるまでと限りがあり、再犯を不安がる声もある。これに対し、6月1日施行の改正少年院法は、社会復帰後の相談に少年院が応じ支援することが盛り込まれ、家裁も決定で「生涯にわたり対応を継続する必要がある」と提言するなど、復帰後のケアに注目が集まる。
 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件を家裁判事として担当した井垣康弘弁護士は、関東医療少年院を2004年に仮退院した加害男性を、ボランティアでサポートしようとする動きもあったが、関係が途絶えたと明かす。態勢を組むのが遅かったとし「少女には早く支援チームを結成し、面会を重ねて信頼関係を築く必要がある」と訴える。(共同通信)
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佐世保高1殺害事件 少女の医療少年院送致決定 2015.7.13/想起される故山地悠紀夫死刑囚〈来栖の独白〉 
 〈来栖の独白 2015.7.13 Mon.〉
 家裁の決定を評価したい。ただ、少女の矯正、更生は困難で遠く長い道程を要するだろう。
 本決定を受け、想起されるのは、故山地悠紀夫死刑囚である。以下、山地悠紀夫死刑囚の事件から死刑執行までの時系列。
 1. 2000年7月29日 母親を金属バットで殺害。16歳。中等少年院送致。
 2. 2004年3月 更生を終えたとして、本退院。
 3. 2005年11月17日(=本退院から1年半後) 大阪で27歳と19歳の姉妹を殺害・強姦。
 4. 2006年12月 大阪地裁 死刑判決
 5. 2007年5月 本人が控訴を取り下げ、確定
 6. 2009年7月28日 死刑執行
 大阪事件(2005年11月17日)の報道に接し、戦慄が走ったのは、家裁調査官や少年院で矯正にあたった職員たちであったに違いない。当時まだ鑑別所でも、「アスペルガー症候群」とか人格障害、愛着障害、発達障害といったものへの認識が進んでいなかったのではないか。
 上記事(佐世保高1女子殺害事件)の少女の人間回復を祈りたい。
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