衆院解散の大義論じる気楽な政治家たちの二重基準 手のひら返しの数々…
ケント・ギルバート ニッポンの新常識
zakzak 2017.9.23
夕刊フジは13日発行号で「9・25解散強まる」と報じ、報道各社も17日、安倍晋三首相が臨時国会冒頭(28日召集)で衆院を解散する方針を固めたと追いかけた。10月10日公示、22日投開票だという。
自民党は安倍総裁になって国政選挙4連勝中である。例の「モリカケ騒動」で低下した支持率が回復基調にあるなか、複数の野党や左派メディアは、今回の解散総選挙を「大義がない」と批判する。
本音をいえば、安倍首相には「憲法第9条を改正して自衛隊を憲法に明記することの信を問う」という、堂々たる大義名分の下で総選挙を戦ってほしい。
だが、日本の世論がフェイクニュースで簡単に操られる現実も、この数カ月でよく分かった。9条改憲正面突破に対する慎重論も理解できる。
先週のコラムで、「ダブルスタンダードの偽善」について批判したが、「解散に大義がない」という主張も同じ構図に見える。
7月上旬、自民党が東京都議選で惨敗したとき、民進党代表だった蓮舫氏は「解散・総選挙はいつでも受けて立つ。(衆院解散に)追い込みたい」と述べている。もし、このとき安倍首相が解散していたら、「大義」の話題は出ただろうか。
今回の解散報道を受け、民進党の山井和則国対委員長代行は「自分の都合で勝てそうなときに解散しようというのは笑止千万で、解散の大義は後づけでしかない。国民が北朝鮮のミサイルの危機におびえているなか、解散することは、到底、考えられない。ひと言で言えば『無責任解散』だ」と述べた。
民進党は山尾志桜里・元政調会長のW不倫疑惑報道後の先週、前原誠司代表の北朝鮮でのハニートラップ疑惑を週刊文春に報じられた。山井氏は虚勢を張らず、「民進党幹部の無責任さが際立った今の時期の『無責任解散』は非常に痛い」と素直な心情を吐露した方が、同情票が集まる気がする。
共産党の小池晃書記局長は16日、こうツイートした。
《臨時国会冒頭解散 いったい何を問うのか。もともと「大義」とは縁もゆかりもない政権だとは思っていたがここまでとは。森友隠し、加計隠しの党利党略極まれり。(中略)改憲勢力3分の2割れはおろか、少数派に叩き落さねば》
まだ、「モリカケ」の話題を続ける情報収集能力の欠落が痛い。8月の内閣改造直後の小池氏のツイートはこうだった。
《先ほどの記者会見で(中略)支持率低下の最大の理由は『安倍首相が信頼できない』。内閣改造ではなく、内閣総辞職、解散・総選挙が必要」と述べました》
小池参院議員のツイートに「気楽でいいね」と苦笑いしている共産所属衆院議員は多いかもね。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。
◎上記事は[zakzak]からの転載・引用です
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