妻(難病長男の殺人罪で執行猶予中)を嘱託殺人 夫・菅野幸信被告に執行猶予判決 2010/3/5横浜地裁

2010-03-05 | Life 死と隣合わせ

<嘱託殺人裁判>妻を殺害の運転手に有罪判決 横浜地裁
3月5日21時17分配信 毎日新聞
 「殺して」と頼まれて妻を殺害したとして、嘱託殺人罪に問われた神奈川県相模原市宮下本町の運転手、菅野幸信被告(66)に対し、横浜地裁は5日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)を言い渡した。妻自身も難病の長男を殺害し、有罪判決を受けて執行猶予中だった経緯があり、川口政明裁判長は「難病に苦しむ多くの家族が、もがき苦しみながら生きている。そういう人の気持ち、命の重さを確認しながら暮らしてほしい」と菅野被告に諭した。
 判決は、妻初子さん(当時65歳)にはうつ病の影響で自殺願望があったものの、適切な治療を受けさせるなど「いま少し慎重な判断をすべきだった」と指摘。一方で「長年連れ添い、支えてきた妻を自らの手で死なせ心中しようという思いに至った苦悩、葛藤(かっとう)、悲しみは想像の及ぶところではない」と述べた。弁護側は寛大な刑を求め、検察側も論告で「同情の余地がある」と言及していた。
 判決によると、菅野被告は09年10月12日午後2時半ごろ、自宅で初子さんに「殺してほしい」と頼まれ、首に包丁で切りつけ失血死させた。
 初子さんは04年8月、全身の筋肉が動かなくなる筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)に苦しむ長男(当時40歳)に頼まれ、人工呼吸器のスイッチを切断して殺害し、自殺を図った。嘱託殺人罪に問われ、同地裁で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けていた。【吉住遊】
..................................................
夫に執行猶予判決=「苦悩深さに同情の余地」-難病長男の命絶った妻殺害・横浜地裁
3月5日15時40分配信 時事通信
 難病の長男の命を絶った苦しみから死を望んだ妻を殺害したとして、嘱託殺人罪に問われた自動車運転手菅野幸信被告(66)の判決公判が5日、横浜地裁であった。川口政明裁判長は「苦悩、葛藤(かっとう)、悲しみの深さは大いに同情の余地がある」として、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)を言い渡した。
 川口裁判長は「残された娘や孫とともに、長男や妻の分まで生き抜くことが責任を果たす適切な方法」と述べた。判決朗読後には「今も難病に苦しんでいる人がおり、彼らは一生懸命に生きている。命の大事さを確かめてほしい」と説諭した。
 判決は、被告が妻初子さん=当時(65)=の殺害後に自殺しようとしたが、「残された娘たちを第一発見者にさせたくない」と考え、自首したと認定した。
 弁護側は判決後、「被告は保釈された後、自宅で妻と長男の仏壇に毎日手を合わせている」と話した。
 判決によると、菅野被告は昨年10月12日、神奈川県相模原市の自宅で、自殺願望を抱いた初子さんから依頼され、首を包丁で切り付けて殺害した。
 夫妻の長男=同(40)=は難病で人工呼吸器を着け暮らしていたが、初子さんは2004年に人工呼吸器の酸素供給を止めて長男を殺害し、執行猶予の有罪判決を受けていた。

妻(ALSだった長男の殺人罪で執行猶予中)の嘱託殺人罪で夫 初公判 2009-12-22  
妻(ALSだった長男の殺人罪で執行猶予中)の嘱託殺人罪で夫起訴 横浜地検、殺人罪適用見送る 2009-11-03 
愛する者の苦しみを取り除くために、その命を絶つ行為は罪か--妻は「これでやっと楽になれる」と遺書 2009-10-20


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。