[ めぐみさんを守れなかった平和憲法 ]阿比留瑠比の極言御免 2013.7.18

2013-07-18 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

【阿比留瑠比の極言御免】めぐみさんを守れなかった憲法
産経新聞2013.7.18 21:48
 拉致被害者の有本恵子さんの父で、拉致被害者家族会副代表である明弘さんから先日、筆者あてに手紙が届いた。そこには、こう切々と記されていた。
 「拉致問題が解決できないのは、わが国の争いを好まない憲法のせいであると悟ることができました」
 手紙には明弘さんの過去の新聞への投稿文と、拉致問題の集会で読み上げた文章が同封されていて、やはりこう書いてあった。
 「憲法改正を実現し、独立国家としての種々さまざまな法制を整えなければ、北朝鮮のような無法国家と対決できません」
 実際に外国によって危害を被り、苦しみ抜いてきた当事者の言葉は重い。
 一方、参院選へと目を転じると、候補者たちの政見放送や街頭演説では「戦後日本は現行憲法があったから平和が守られた」といったのんきで、根拠不明の主張が横行している。
 だが、いまだに帰国できない拉致被害者やその家族にしてみれば、日本が「平和な国」などとは思えないはずだ。日本は、人さらいが悪事を働いても目を背けるばかりで、被害者を取り返せもしない危険な無防備国家だったからである。
 「日本の戦後体制、憲法は13歳の少女(拉致被害者の横田めぐみさん)の人生を守れなかった」
 安倍晋三首相は2月、自民党憲法改正推進本部でこう訴えた。「再登板した理由の一つが、拉致問題を解決するためなのは間違いない」(周辺)という首相にとって、現行憲法は実に歯がゆい存在なのだろう。
 首相は「文芸春秋」(今年1月号)では、「(憲法前文が明記する)平和を愛する諸国民が日本人に危害を加えることは最初から想定されていない」と指摘し、昭和52年9月の久米裕さん拉致事件に関してこう書いている。
 「警察当局は、実行犯を逮捕し、北朝鮮の工作機関が拉致に関与していることをつかみながら、『平和を愛する諸国民』との対立を恐れたのか、実行犯の一人を釈放した。その結果、どうなったか。2カ月後の11月、新潟県の海岸から横田めぐみさんが拉致された」
 こうした問題意識を持つのは首相だけではない。日本維新の会の石原慎太郎共同代表も7月13日の演説で、拉致問題と憲法9条についてこう言及した。
「(北朝鮮は)日本は絶対に攻めてこない、本気でけんかするつもりもないだろうと、300人を超す日本人をさらって殺した」
 「殺した」との断言は乱暴過ぎる。とはいえ、現行憲法では国民の基本的人権(生命、自由、財産)が十分に守れないのはその通りだろう。産経新聞が4月に「国民の憲法」要綱を発表した際、横田めぐみさんの父、滋さんはこんなコメントを寄せている。
 「日本が国際交渉に弱いといわれるのは、強く出る(法的な)根拠がないからではないか。(産経要綱が)国民の生命、自由、財産を守ることを国の責務と明示することは、非常に大きなことだ」
 現行憲法を「平和憲法」と呼び称賛する人には、こうした声は届かないようだ。(政治部編集委員)
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石原慎太郎氏「拉致被害者を取り戻せないのは現行憲法のため」「横田めぐみさん、偉い人のお妾さんに」 
 維新・石原共同代表の発言が波紋  「横田めぐみさん、偉い人のおめかけさんに」
 J-CASTニュース2013/7/13 16:51
「(横田めぐみさんは)今、誰か偉い人のおめかけさんになっているに違いない」――。日本維新の会の石原慎太郎共同代表からこんな発言が飛び出した。
拉致被害から30年以上が経過してもいまだ消息が分からないめぐみさんや両親の横田夫妻に対して、無神経な発言だと非難する声も上がっている。
憲法改正を訴える中、唐突な発言
石原氏は2013年7月12日、JR横浜駅前で街頭演説に立ち、憲法改正について持論を展開した。その中で、北朝鮮による拉致被害について言及、「隣の朝鮮どうですか。状況証拠から言ったって300人以上拉致して、誘拐して、殺して返さない」と発言した。
拉致被害者を取り戻せないのは現行の憲法のためだとして、
「横田めぐみさんなんか非常に日本的な美人だが、何やってるか分からない。強引に結婚させられて、子どもまで生まされた。今、誰か偉い人のおめかけさんになっているに違いない」
と語った。
日本維新の会は、弁明に追われる
ネット上では、「ご両親の気持ちを考えたらこんな発言は出来ないと思いますが」「人の痛みが分からない奴に公の場でものを言う資格はない」と非難する声があふれている。
民主党の有田芳生参議院議員は「老害の醜さ!」とツイッターで厳しく非難。横田夫妻について、「政治家に対する本音を対外的にほとんど語らないが、多くの発言に傷ついてきた。石原発言もその一つである」と書いた。
日本維新の会は、突然の発言に火消しに追われた。松井一郎幹事長は同日夜、大阪府内で「自由を奪われ、厳しい生活をしている人を、何とか助けないといけないという話だ」と石原氏の発言について述べた。
橋下徹共同代表のツイッターにも石原氏の発言について質問が寄せられている。しかし慰安婦問題や八尾空港(大阪府・八尾市)でのオスプレイ訓練についてはツイートするものの、現段階で石原氏の発言についてはコメントしていない。
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〈来栖の独白 2013/7/14 Sun. 〉
 石原慎太郎氏の言わんとしたことは、「拉致被害者を取り戻せないのは現行の憲法のためだ」ということではないのか。それをメディアは「妾」を殊更大きく報道したのではないか。
 そういうメディアやジャーナリスト(有田芳生氏)、卑しい興味だけでそれを歓迎する群像(心理)に配慮しなかったのは、拙すぎる。大失点になる。
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◇ 『石原慎太郎「暴走老人」の遺言』西条泰著 2013年5月5日初版第1刷発行 KKベストセラーズ発行
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『帝国の終焉 「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ』日高義樹著 2012/2/13第1刷発行
 〈抜粋〉
p173~
 ヨーロッパで言えば、領土の境界線は地上の一線によって仕切られている。領土を守ることはすなわち国土を守ることだ。そのため軍隊が境界線を守り、領土を防衛している。だが海に囲まれた日本の境界線は海である。当然のことながら日本は、国際的に領海と認められている海域を全て日本の海上兵力で厳しく監視し、守らなければならない。尖閣諸島に対する中国の無謀な行動に対して菅内閣は、自ら国際法の原則を破るような行動をとり、国家についての認識が全くないことを暴露してしまった。
 日本は海上艦艇を増強し、常に領海を監視し防衛する体制を24時間とる必要がある。(略)竹島のケースなどは明らかに日本政府の国際上の義務違反である。南西諸島に陸上自衛隊が常駐態勢を取り始めたが、当然のこととはいえ、限られた予算の中で国際的な慣例と法令を守ろうとする姿勢を明らかにしたと、世界の軍事専門家から称賛されている。
 冷戦が終わり21世紀に入ってから、世界的に海域や領土をめぐる紛争が増えている。北極ではスウェーデンや、ノルウェーといった国が軍事力を増強し、協力態勢を強化し、紛争の排除に全力を挙げている。
p174~
 日本の陸上自衛隊の南西諸島駐留も、国際的な動きの1つであると考えられているが、さらに必要なのは、そういった最前線との通信体制や補給体制を確立することである。
 北朝鮮による日本人拉致事件が明るみに出た時、世界の国々は北朝鮮を非難し、拉致された人々に同情したが、日本という国には同情はしなかった。領土と国民の安全を維持できない日本は、国家の義務を果たしていないとみなされた。北朝鮮の秘密工作員がやすやすと入り込み、国民を拉致していったのを見過ごした日本は、まともな国家ではないと思われても当然だった。
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『憲法が日本を亡ぼす』古森義久著 海竜社 2012年11月15日 第1刷発行 
はじめに 国家が国民を守れない半国家
p167~
○日本の核武装が拉致を解決する
 そのうえでシャボット議員は、次のように発言した。
 「北朝鮮の核兵器開発は韓国、日本、台湾、アメリカのすべてにとって脅威なのだから、北朝鮮に対しては食糧も燃料も与えるべきではありません。圧力をかけることに私も賛成です」
 「私は日本に対し、なにをすべきだと述べる立場にはないが、北朝鮮に最大の圧力をかけられる国は中国であり、中国は日本をライバルとしてみています」
 「だから、もし日本が自国の核兵器プログラムの開発を真剣に考えているとなれば、中国は日本が核武装を止めることを条件に、北朝鮮に核兵器の開発を止めるよう圧力をかけるでしょう」
 肝心な部分はこれだけの短い発言ではあったが、その内容の核心はまさに日本への核武装の勧めなのである。北朝鮮の核兵器開発を停止させるために、日本も核兵器開発を真剣に考えるべきだ、というのである。
 そしてその勧めの背後には、北朝鮮が核開発を止めるほどの圧力を受ければ、当然、日本人拉致でも大きな譲歩をしてくるだろう、という示唆が明らかに存在する。
p168~
 つまりは北朝鮮に核兵器開発と日本人拉致と両方での譲歩を迫るために、日本も独自に核武装を考えよ、と奨励するのである。
 日本の核武装は中国が最も嫌がるから、中国は日本が核武装しそうになれば、北朝鮮に圧力をかけて、北の核武装を止めさせるだろう、という理窟だった。
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