原子力規制委 「川内原発を現状では停止させず」方針決定
毎日新聞2016年4月18日 18時43分(最終更新 4月18日 18時58分)
審査方法も「既に今回より大きい地震を想定」と見直さず
原子力規制委員会は18日、熊本地震を受けた臨時会合を開き、国内で唯一稼働中の九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)を現状では停止させない方針を決めた。審査方法も「既に今回より大きい地震を想定している」として見直さない方針だ。
規制委によると、川内原発で観測した今回の地震動は最大8.6ガル(ガルは加速度の単位)。審査で想定した最大の揺れである基準地震動620ガルや、九電が保安規定で原子炉を自動停止する基準としている160ガルより小さかった。
また、布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯で今回起きた地震の規模は最大でマグニチュード(M)7.3だった。規制委は川内原発の審査で、この断層帯全体が動く最も強い地震としてM8.1を想定しているが、それでも地震動は150ガルで基準地震動まで十分余裕があると評価している。このため、今後も同じ断層帯が地震を起こしても「今は安全性に問題はない」としている。
今回、停止中の同玄海原発(佐賀県)▽四国電力伊方原発(愛媛県)▽中国電力島根原発(島根県)の揺れも基準地震動を下回った。震源に近い熊本県益城(ましき)町で1580ガルの揺れが観測されたことについては「今後、詳細を分析する」と説明した。
田中俊一委員長は記者会見で「科学的根拠がなければ、国民や政治家が止めてほしいと言ってもそうするつもりはない」と述べた。【酒造唯】
------------------------
民進「川内原発運転停止を」19日にも申し入れ
毎日新聞2016年4月18日 18時47分(最終更新 4月18日 20時54分)
■江田代表代行「九州地方の皆さんが大変不安に思っている」
民進党の江田憲司代表代行は18日の記者会見で、熊本地震を受け、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の運転停止を求める考えを示した。19日にも党の方針として正式決定し、政府に申し入れる。
江田氏は「新幹線の復旧のメドが立っていないなど避難計画の前提が満たされていない」と指摘したうえで、「(原発の)周辺住民にとどまらず、九州地方の皆さんが大変不安に思っている」と説明した。17日の党の会合で、熊本、佐賀、宮崎の3県連から川内原発に不安を訴える声が上がっていた。
川内原発を巡っては共産党も16日、小池晃書記局長らが首相官邸で世耕弘成官房副長官に会い、運転停止を求めた。
18日の衆院環太平洋パートナーシップ協定(TPP)特別委員会では、共産の笠井亮氏が運転停止を求めたのに対し、林幹雄経済産業相は「原子力規制庁は現状で停止する必要があると判断していない。九州電力には正確な情報を迅速に発信するよう指示している」と述べ、運転継続に理解を求めた。【朝日弘行】
◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
................
〈来栖の独白〉
民進党・共産党の面々、「原発運転停止を」言い出すだろうと思ったら、やっぱりだ。
原子力規制委は科学的根拠に基づいて、極めて理性的に「止めない」と述べている。この科学的根拠を無視する有りようは、もはや宗教。遅れた蒙昧な「宗教」というほかない。或いは(多分)、民進党も共産党も、被災者が困窮のさなかにあるこの時、早々選挙対策として原発を使うか。
恐らく、サイレントマジョリティは、そのような卑しい輩には惑わされまい。