2018年12月9日 朝刊
ナゴヤ 現金離れ難しい? 消費増税 ポイント還元策
キャッシュレスって怖い? 中部で根強い現金主義
来年十月の消費税率引き上げに伴う政府の経済対策で、中小店舗での支払いに現金を使わない「キャッシュレス決済」した消費者に支払額の5%分をポイントで還元する制度が検討されている。消費の落ち込みを防ぐ狙いに対し、高齢者をはじめキャッシュカードや電子マネーなどになじみが薄い人は多い。さらには中部地方ではそもそも「現金主義」が根強い。本当に普及するのか。
名古屋・名駅の高層ビル群から北東に一キロほど離れた円頓寺(えんどうじ)本町商店街。常連客の主婦らが集まる婦人服店「こすもす」には近ごろ、カード決済の端末を導入しないか、と通信会社の営業担当者がやってくる。ただ店主の石原ふみ子さん(69)は「きっと使いこなせない。売上金がすぐに入らないのも困る」と戸惑う。
昔ながらの商店街の主要客である高齢者は、大半が現金派だ。名古屋市西区の主婦鈴木洋子さん(69)は「商店街では現金しか使わない。カードは何だか怖いし、現金の方が使い過ぎなくて安心」と話す。
二〇二〇年の東京五輪や二五年の大阪万博などに向け訪日観光客の増加が見込まれる中、キャッシュレス普及は政府の喫緊の課題。ただ堅実を旨とする中部地方では、現金払いを好む傾向が強く、キャッシュレス決済の比率が、大半の県で全国平均(16・1%)をも下回る。
(石原猛、中村玲菜)
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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「消費税5%還元案」に不公平感… 反動減の対策だけでは不十分、増税を取りやめるのがベストだ!
高橋洋一 日本の解き方
zakzak 2018.11.29
来年10月に予定されている消費増税対策として、「5%のポイント還元」を2020年の東京五輪・パラリンピックまでの9カ月間実施する案が浮上している。どのような影響が出てくるだろうか。
ポイント還元をめぐり、これまで政府内で購入額の2%分をカード会社のポイントなどで還元し、8%から10%への増税分を実質的に負担しないことが検討されていた。
今回還元率が5%となれば、クレジットカードや電子マネーなど現金を使わないキャッシュレス決済で実質的な消費税率は5%になり、9カ月間は8%から5%へ消費「減税」になる。しかし、その「減税期間」が終わると、消費税率は10%になり、5%からの5%分の大幅「増税」ということになる。
当初は駆け込み需要の反動減をある程度抑制できるかもしれないが、その後の大幅「増税」の前後に駆け込み需要とその反動減が生じる可能性もある。
ただし、このような「減税」と「増税」の対象はそれほど多くない。日銀によれば、民間最終消費支出に占めるキャッシュレス決済の比率は、約2割にとどまっている。消費のうち8割近くは現金取引になっており、ポイント還元の恩恵を受けることができない。
日銀によれば、キャッシュレス決済を利用する人は、アンケート回答者の約8割にのぼっているという。それなのに、キャッシュレス決済の比率が2割と低いのは、キャッシュレス決済を利用している人々も、用途に応じて、相応に現金での決済を利用し続けているからだ。
日常的な買い物などにおける決済金額別の決済手段をみると、少額の決済では現金を、高額の決済ではクレジットカードを選択する傾向がみられる。
決済手段の選択時に重視する項目について、キャッシュレス決済を利用する人と利用しない人との差が大きいものは、ポイントや割引などの便益面という調査もある。ということは、今回の消費増税に伴うポイント還元によって、キャッシュレス決済が進む可能性も十分ある。
とはいえ、日常の少額決済や世代・地域による差は、いかんともしがたく、キャッシュレス決済ができるできないかで、かなりの不公平感が出てくる恐れもある。
キャッシュレス決済は、生活習慣でもあるので、無理強いは禁物だ。しかも、一部の人だけ実質的に消費税率5%にするくらいなら、全ての人に対して5%にすべきだとの政策論が出てきてもいいだろう。
そもそも、消費増税に伴う問題は、駆け込み需要とその反動減ではない。駆け込み需要とその反動減は「行って来い」なので長期的には大した影響ではない。問題なのは、消費増税によって恒常所得が減少し、2、3年程度は消費が減少するということだ。
それを解消するには、いろいろ策を弄するよりも、「財政問題がないので消費増税をやめる」というのがベストである。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
◎上記事は[zakzak]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
安倍政権を支持してきたが、外国人労働者受け入れ(改正入管法)の問題とともに「消費増税」の問題も、しらけてしまう。
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◇ 改正入管法成立 2018/12/8 このまま施行されれば場当たり的な対応に追われ、現場は混乱しよう。 改めて熟議を重ね、根本部分からの法律の作り直しを強く求めたい。
◇ 「外国人法案」移民を受け入れる多くの国が社会の分断や治安の悪化に苦しんでいる現実も 2018.11.2
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