「総選挙~そうなったら、国民は消費税のでたらめと原発再稼働のでたらめに鉄鎚を下すだろう」高橋洋一

2012-06-06 | 政治

目くらましの内閣改造は一時しのぎ。9月の新首相誕生で解散総選挙か?ならば「増税」「原発再稼働」を争点にマニフェスト違反の民主党に鉄槌を
現代ビジネス「ニュースの深層」2012年06月04日(月)高橋洋一
  野田・小沢再会談は予想どおり物別れで終わった。これで本コラムで再三にわたり指摘してきたように、民主・自民の増税大連立の方向が決定的になった。
 今回の再会談は、野田総理にとってそれなりに収穫はあった。野田総理は、内閣改造と自民党との協議について了解をもらったからだ。内閣改造は総理の専権事項なので了解というのはおかしな話であるが、総理から内々の人事話があったのかもしれない。誰でも事前に人事話を聞いて悪い気がしないはずだ。輿石幹事長を更迭するという話もあったが、結局は党人事をいじらずに、内閣改造だけとなった。
 輿石幹事長の会見にあったが、野田総理は「この会期内に採決しないと成立しないから、そういう方向で行く」という話があり、「それは私も同じだ。」といっている。会期内採決にめどがたったことも、野田総理には大きな前進だろう。
 野田総理は社会保障と税の一体改革というが、その実体は社会保障を薄皮とし、中身は消費税増税たっぷりの薄皮饅頭だ。これは菅政権で与謝野氏を取り込んでから既定路線だ。与謝野氏は消費税増税だけをやりたかったので、社会保障は二の次だった。民主党の社会保障改革を徹底的に批判していたので、民主党の社会保障はこれでズタズタになった。薄皮を取り除けば消費税増税だけなので、賛成の野田民主と谷垣自民、反対の小沢氏という構図だと、小沢斬りで野田民主と谷垣自民が手を組むしかなくなる。
 問題は解散であった。谷垣自民としては、ただ消費税増税だけだと、増税大連立・野合といわれる。そこで解散総選挙を言わざるを得なかった。解散権は総理の専権事項だ。民主党でどのような議論があっても、野田総理一人を説得すれば行使できる。
 ところが、一票の格差で今は違憲状態と最高裁にいわれている。総理の解散権は縛られないというものの、さすがにこのまま解散総選挙を行うのはリスクがある。解散総選挙のためには少なくとも選挙制度改正を行う必要がある。解散総選挙を嫌う民主党はノラリクラリとしていた。
 ここで自民党がぶち壊すといえば違う展開になっただろうが、自民党内長老グループは解散を回避しあわよくば民主・自民の大連立で閣僚ポストでも欲しいという人が多い。その結果、今国会の解散は遠のく一方だが、消費税増税法案は着々と時計が進み、6月上中旬の公聴会以降いつでも採決されても不思議でない状態だ。
 谷垣自民党総裁も解散は強くいえなくなってきている。もうタイミングを失っているし、下手に言い出せば自民党内の谷垣おろしが勃発しかねないからだ。
 消費税増税で解散なしというのは、国民にとっては悪夢のような話だが、財務省にとっては好ましいシナリオだ。財務省は、今の野田・谷垣のゴールデンコンビの時しか増税はできないと考えている。そのために増税にマスコミを籠絡して必死だ。一方、解散総選挙については、ひょっとして増税に反対する第三極がでてきて、増税廃止法案を出して増税をひっくり返すのを怖れている。
 今総選挙であれば、4割の増税賛成票を民主・自民が奪い合って、残り6割の増税反対票を第3極がとるかもしれないからだ。ということは、民主と自民にとっても、第三極の勢いが落ちるまで総選挙を先送りしたくなるわけだ。
 増税は民主党のマニフェスト違反にもかかわらず、解散なしで国民は文句をいえない。増税のために民主党へ政権交代したわけでない。こんな約束違反を許したら、次の選挙ではマニフェストなぞ見向きもされなくなって、政治不信になるだろう。
■野田内閣総辞職ならマスコミは喜んで飛びつくだけ
 マスコミは消費税増税・解散なしでも、何かネタを探すので、総辞職(野田総理のクビ)あたりのネタに喜んで飛びつく。目先ネタに目がくらみ、マニフェスト違反にもかかわらず解散なしを追求できないだろう。
 次の選挙になってもマニフェストは堂々と破るものという感じになるのではないか。それほど今回の消費税増税は罪作りなものだ。
 大飯原発の再稼働をめぐっては、関西広域連合の知事たちが、立場一転して事実上の容認したことで、野田総理は、関係3閣僚との会合を開いて、再稼働を最終判断するだろう。これもひどいものだ。
 政府・民主党・関電は、極めて卑怯な方法で、関西の首長らを「事実上容認」に追い込んだ。「15%足りないが、いいのか」「このままでは大停電が起こる」「停電が起これば病院への電力も止まり、急病人が死亡しかねない」と恫喝とも受け止められるキャンペーンを展開していたという話だ。ピークロード・プライシングも出してくるのが遅すぎる。1年も前からわかっていたのにである。住民を人質に、実質的におどしをかけていたとしたら、これほどひどい話はない。
■9月に解散はあるのか
 国民はどうしたらいいのだろうか。民主党某幹部は、消費税と原発を次期総選挙の争点にならないように、今のうちから決着済みにしたいという。しかし。それは大間違いだ。
 消費税では、凍結法案や税率再引き下げ法案を掲げることはできる。原発も暫定基準なので、本格基準まで再停止するという政策の選択肢がある。
 ひょっとしたら大阪維新の会やみんなの党などの第三極はそうした政策の対立軸をだすだろう。9月の民主代表選のあとに、今うわされている新しい代表(小沢氏にも適当な距離感といわれている)でご祝儀支持率が上がったら、総選挙という話もでている。そうなったら、国民は消費税のでたらめと原発再稼働のでたらめに鉄鎚を下すだろう。
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軽減税率=新聞業界に対しては増税プロパガンダへの協力を求めるエサにもなる/勝栄二郎事務次官の・・ 2012-05-14 | メディア 
 ドクターZは知っている
 あなたは「常識のウソ」に騙されていませんか。公表されている数字が真実を語っているとは限らない。ドクターZが「数字のウソ」を暴く、「週刊現代」連載の話題コラム。
現代ビジネス2012年05月13日(日)ドクターZ「軽減税率」に騙されるな
 「小沢無罪」という結果は、野田政権にとって痛い話であるが、これでかえって谷垣自民へのすり寄りがやりやすくなった。民主党内の小沢グループが勢いづくのは確実だが、自民党が国会での小沢証人喚問要求などで政権を側面支援するという奇妙な協力関係もできつつある。
 実際、民主党と自民党は財務省の勝栄二郎事務次官の指導の下、増税・解散の2点セットに向けてじわじわと前進している。表向きはファイティングポーズを崩していないように見えるが、実は水面下で最悪のシナリオが進行しているようなのだ。ヴェールをめくってみよう。
 自民党は民主党マニフェストが総崩れになったと主張するために、最低保障年金の創設などの「社会保障政策」を断念させたい。そしてその尻馬に乗る形で財務省が狙っているのが、民主党内反増税グループによって消費税増税法案に盛り込まれた「増税の前提条件」の削除だ。
 なかでも財務省の最大のターゲットは「歳入庁設置」の阻止である。増税関連法案には「税と社会保障料を徴収する体制の構築について本格的な作業を進める」と書かれており、これを何としても削除したい。国税庁の「マルサ」を抱えていればこそ、政治家やマスコミを黙らせることができるとも言われているように、国税庁は財務省の「飛び道具」。これを歳入庁に改編させられて内閣に取り上げられてはたまらない。だが、この条文を削除するとさすがに目立つので、財務省は知恵を絞っている。ポイントは「軽減税率」だ。
 歳入庁は、税と社会保障料を一体として徴収するので、消費税増税法案が低所得者対策として定めている「簡素な給付措置」を行う上で役に立つ。それに対して、「軽減税率」を導入すれば低所得者対策になるから「簡素な給付措置」は不要になって、歳入庁を創るまでもないという議論が成り立つ。財務省はこれを自民党の修正案に盛り込み、民主党に丸呑みさせようとしているフシがある。
 軽減税率とは食料品などの特定物品に低い税率を導入し、低所得者対策をしようというもの。欧州などでは導入されているから議論も楽だ。また、ここが本音だが、何を軽減の対象にするかの線引きは難しく、それは業界を所管する官僚の裁量権を拡大することにつながる。これが官僚にとってはたまらないのだ。
 消費税はすべての物品・サービスにかかるから、軽減税率の導入は世の中のモノの数だけ「租税特別措置」をつくるようなものだ。当然ながら税率軽減と対象になる業界への天下りはセットだから、オール霞が関の賛同を得られるし、特定業界に影響力を行使したい政治家にとってもオイシイことこの上ない。
 さらに、新聞業界に対しては、増税プロパガンダへの協力を求める「エサ」にもなる。事実、130社以上が加盟する日本新聞協会は昨年7月、新聞への軽減税率適用を求める要望書を政府に提出している。
 国会審議が近づくにつれて、軽減税率の話題がメディアを賑わすようになってきた。だが欧州では、軽減税率で特定業界を利するのではなく「簡素な給付措置」で低所得者対策をするべきだという議論が多くなっていることを報じるメディアはない。
 デフレ下に無駄の削減もせずに消費税増税するのは愚の骨頂だが、その上さらに官僚利権を生む軽減税率を導入し、その結果として歳入庁創設を葬るなど、絶対に許してはならない。
「週刊現代」2012年5月19日号より
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【野田・小沢会談 増税の免罪符にするな】秀逸な中日新聞 社説2012-05-31 | メディア
 〈来栖の独白 2012/5/31 Fri. 〉
 昨日の「野田・小沢」会談は、野田総理の魂胆(アリバイ作り)が透けて見えた。因みに、昨日、野田首相は「ご自分の責任に於いて」と、事実上の大飯原発再稼働を宣言した。
 このように、いずれも、総理は自らの思惑を進めるため、手順を踏むのである。
 昨夜のNHK「ニュース9」は、小沢氏が正論を大越キャスターに説き、圧巻であった。「消費税増税は、閣議で決まったこと」との大越氏の問いに対して小沢氏は「民主党のマニフェストは党のみんなが時間をかけて考えて一致して決めたこと。そして、それを国民の皆さんが諒としてくださり、政権交代させて戴いた。『マニフェスト実現のために、力を尽くしたのか』とのお気持ちが国民の皆さんにあると思う。約束は守りたい」と繰り返した。有益な番組だったと言える。小沢氏の論理に静かに耳を傾けた人が多かったのではないかと思う。「天童よしみ」などと揶揄されたが、小沢氏とは、理性的、スマートで心厚き政治家である。
 本日の中日新聞【社説】が、これまた小沢氏をよく理解し、秀逸である。このような論を展開していては、財務省に叩かれるのも覚悟しなくてはなるまい。
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【社説】中日新聞
 野田・小沢会談 増税の免罪符にするな 
2012年5月31日
 野田佳彦首相と小沢一郎民主党元代表との会談は、消費税増税をめぐり平行線に終わった。首相はこれを機に、増税に向かって突き進むつもりなのか。会談を増税の免罪符にされたら、かなわない。
 輿石東幹事長を交えた会談は約一時間半に及んだ。野田、小沢両氏がこれほどじっくり相対するのは、まれな機会ではないか。
 首相は、今の国会(延長がなければ会期は六月二十一日まで)での成立に「政治生命を懸ける」と言明した消費税増税について「財政状況や少子高齢化の問題を考えれば、待ったなしだ」と協力を要請した。
 これに対し、小沢氏は「国民に大きな税負担を求める前に政権としてやるべきことがある。消費税増税に今、賛成とはいかない」と行政・社会保障改革、デフレ対策を先行させるべきだと反論した。
 予想された展開だった。財政状況に対する危機感はわれわれも首相と共有するが、小沢氏の発言を正論と考えるのが妥当だろう。
 二〇〇九年衆院選で国民が民主党に政権を託したのは、中央集権から地域主権、官僚主導から政治主導へと行政の仕組みを変え、行政の無駄を徹底的になくして財源を捻出するというマニフェストを信頼したからにほかならない。
 にもかかわらず、行政改革は中途半端に終わり、マニフェストに一行もない消費税増税を民主党政権の手で強行したのでは、国民をだましたとの批判は免れない。
 首相は今後の対応について、記者団に「今回の会談を反すうしながら考えていきたい」と語った。
 小沢氏の指摘を受け、首相が消費税増税を一時棚上げし、行政の無駄排除に本気で取り組んだり、社会保障制度の抜本改革に乗り出すのなら、会談にも意義がある。
 しかし、協力を求めたが平行線に終わったことを免罪符に、消費税増税に向けた動きを加速させるのなら納得いかない。会談は単なるアリバイづくりでしかない。
 同じく消費税10%への増税を掲げてきた自民党の谷垣禎一総裁は首相に対し、小沢氏を切り捨てるのなら、増税法案に賛成する意向を重ねて示している。
 百人を超えるとみられる小沢氏支持グループが反対しても、自民党などの賛成で増税法案は成立するという誘い水だ。
 小沢氏を切って増税のために自民党と組むのか。政権交代の大義に従うのか。首相には大きな岐路だろうが、国民の負託の意味を熟考した決断をすべきである。
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財務省による大新聞、テレビを巻き込んだ増税路線 露骨な世論工作/小沢氏「消費増税」改めて批判 2012-01-18 | メディア 
  メディアに対しても元経産省官僚の古賀茂明氏ら反増税派言論人の露出をやめさせるべく圧力をかけている。反増税派きっての論客、元財務官僚の高橋洋一・嘉悦大学教授も標的にされた一人だ。財務省内では「高橋はブラックリストの筆頭」(同省有力OB)とされ、高橋氏も、「最近、対談の企画や討論番組への出演依頼の後、『今回はご遠慮させていただきたい』とキャンセルされるケースが何度かあった」と語る。たとえテレビ出演が実現しても、重要な発言がカットされる現実に直面した . . . 本文を読む
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