岡崎(宮前に改姓)一明死刑囚(坂本堤弁護士一家殺害事件などで殺人罪)の再審請求棄却 2010/10/25付

2010-10-26 | オウム真理教事件

オウム裁判:岡崎死刑囚の再審請求棄却--最高裁
 坂本堤弁護士一家殺害事件などで殺人罪に問われ、死刑が確定した元オウム真理教幹部、岡崎(宮前に改姓)一明死刑囚(50)の再審請求について、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は25日付で、岡崎死刑囚側の特別抗告を棄却する決定を出した。再審を開始しないことが確定した。
 死刑囚側は他の元幹部らが発行した書籍や手記などを新証拠に「犯行当時、心神耗弱だったことは明らか」などと主張したが、小法廷は「抗告理由に当たらない」と退けた。【伊藤一郎】
 毎日新聞 2010年10月27日 東京朝刊
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岡崎死刑囚の執行停止を
 (中日新聞 2006年7月24日記事)
「家族の会」が署名
  オウム真理教(アーレフと改称)の信者や元信者の親などでつくる「家族の会」が、坂本弁護士一家殺害などで死刑が確定した元幹部岡崎(現姓宮前)一明死刑囚(45)の死刑執行停止を求める署名活動を始めた。元代表麻原彰晃被告(51)=本名・松本智津夫=が何も語らぬまま、弟子たちは極刑に処せられようとしているが、法廷で泣きながら謝罪する被告たちと自らの子供たちの姿が重なるという。被害者感情をおもんぱかりながらの苦渋に満ちた活動は、ささやかに続けられている。
  署名活動を始めたのは6月下旬。「地裁で実行犯らの死刑判決が出始めたころから、運動しなくてはいけないと思い始めていた」と、会長の永岡弘行さん(68)は明かす。出家していた長男は後に脱会したが、法廷で見る被告たちの姿は、人ごとではなかった。
  閉鎖的な教団での教祖と弟子という絶対的な支配・服従関係の中で、誰もが同じ立場となる可能性があったのではないか。「うちの息子だったらって考えたら、死刑判決なんて考えたくないですよ」。永岡さんの目に涙が浮かぶ。
  永岡さん自身も猛毒のVXガスで襲撃され、重症となった被害者。他の被害者や遺族の気持を考えると「大手を振ってできることではない」とためらいもあった。しかし、昨年、岡崎死刑囚の死刑が確定。麻原被告の死刑判決も年内にも確定する公算が大きく「恥も外聞もなくやろう」との決断に至った。
  今後は岡崎死刑囚以外にも、最高裁で死刑が確定した信者たちについて執行停止の署名を集めていく方針だ。
  永岡さんの手元には2003年に、アーレフが信者370人を対象にしたアンケートの結果がある。「世界を変えるには、まず1人1人の心が変わらないと」(02年入会の男性)「イニシエーションを受けた後、心が急変…」(03年入会の男性)。
  精神世界へのあこがれが磁力となって、新たな信者が教団へと吸い込まれていく。事件前と変わらぬ構図に、永岡さんは嘆息する。「オウムの信者たちが、どういう動機で入信し、罪を犯すに至ったのか。そして現在、なぜ新たな信者が入信するのか。この国の偉い人たちは、あらためて検討してほしい」
  署名簿は年内に、法相のもとに届ける予定だ。
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岡崎死刑囚が再審を請求、オウム事件では初
(読売新聞 -2008年09月21日 22:09)
 坂本堤弁護士一家殺害、オウム真理教信者のリンチ殺害の両事件で殺人罪に問われ、死刑が確定した元教団幹部・岡崎(宮前に改姓)一明死刑囚(47)が今年7月、東京地裁に再審を請求していたことがわかった。
  オウム事件では、教団元代表・松本智津夫死刑囚(53)ら5人の死刑が確定しているが、再審請求は初めて。  裁判を担当した弁護士らによると、再審は岡崎死刑囚本人が請求。背景には死刑執行のペースが速まっていることなどがあるとみられ、養父(73)は、「刑を受ける覚悟はできていると思うが、1日でも長く、しょく罪の日々を送りたいと考えたのだろう」と話している。
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オウムの岡崎死刑囚の再審請求、最高裁が棄却
日本経済新聞2010/10/26 21:53
 坂本弁護士一家殺害事件などで殺人罪に問われ、最高裁で死刑が確定したオウム真理教
 元幹部、岡崎(現姓・宮前)一明死刑囚(50)の再審請求について、最高裁第1小法廷(白木勇
 裁判長)は26日までに、請求を退けた東京高裁決定に対する死刑囚側の特別抗告を棄却する
決定をした。岡崎死刑囚は2008年に再審請求していた。
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 林受刑者求刑、当初は死刑=検察上層部再検討し無期に―オウム公判
 2011年11月20日3時6分 時事通信社
 地下鉄サリン事件の実行役5人のうち唯一、無期懲役が求刑されたオウム真理教元幹部林郁夫受刑者(64)について、検察内部で当初、原案として死刑求刑を決めていたことが19日、関係者の話で分かった。その後、検察上層部が検討を重ね、無期懲役に変更されたという。
  その際、元幹部の広瀬健一(47)、岡崎(現姓宮前)一明(51)両死刑囚らについても、捜査への協力姿勢から死刑求刑見直しが検討されたが、覆されなかった。関係者は「(林受刑者が)地下鉄サリン事件について率先して自白し、捜査の突破口を開いたことが大きかった」と している。
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オウム裁判:岡崎死刑囚から「司法取引」持ちかけられた
毎日新聞 2011年11月22日 2時30分
 95年の地下鉄サリン事件発生時、東京地検次席検事として捜査を指揮した甲斐中辰夫弁護士(元最高裁判事)は、オウム公判終結について「真相解明と適正な刑罰を科す目的を達成でき、ほっとしているが、時間がかかりすぎた」と述べた。
  「今、取り調べのやり方が議論になっているが、この事件はまさに取り調べで解明した事件。
 物証がほとんどないですから」と振り返る。その一方、「もっと早く何とかならなかったのか」との思いが残るという。
  「一つ言えるのは坂本(堤弁護士一家殺害)事件。岡崎(一明死刑囚)が神奈川県警に早い段階でしゃべりかけた。坂本さんがいなくなってしばらくしてから。ただ、条件は『自分の刑を軽くしてほしい』と。でも(現行法制下では司法取引を)やっちゃいけないので応じなかった。その結果、岡崎はしゃべらなくなり、地下鉄サリンも起きた。僕らは後で知ったことですけど」
  当時のことを明かした上で、こう述べた。「取り調べの可視化(録音・録画)をするなら司法
 取引、刑事免責は絶対必要だと思う。あの時に司法取引ができたら……」
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