死刑判決 2021/8/24 資金力でのし上がった野村悟被告 工藤會(くどうかい)トップ就任後、凶悪事件相次ぐ

2021-08-30 | 死刑/重刑/生命犯

福岡社会 
「酌量の余地皆無」工藤会トップに死刑判決 ナンバー2は無期懲役
 2021/8/25 6:00  
 市民や元警察官が襲撃された4事件で殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)の罪に問われた特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)トップで総裁の野村悟被告(74)と、ナンバー2の会長田上不美夫被告(65)の判決公判が24日、福岡地裁であった。足立勉裁判長は、野村被告を4事件の首謀者と認定した上で「組織的に市民を襲撃した犯行の動機、経緯に酌むべき余地は皆無」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。田上被告は無期懲役(求刑無期懲役と罰金2千万円)とした。両被告は控訴する方針。
 指定暴力団トップへの極刑判決は初とみられる。両被告の関与を示す直接的な証拠がない中、判決は、既に分かっている事柄から事実はこうだろうと認める「推認」を重ねた検察側の主張を広く認める形となり、今後の暴力団捜査への追い風となる可能性がある。

 両被告が起訴されたのは(1)元漁協組合長射殺(1998年)(2)元福岡県警警部銃撃(2012年)(3)看護師刺傷(13年)(4)歯科医師刺傷(14年)-の4事件で、いずれも組員らの有罪判決が確定している。

 判決理由で足立裁判長は、上意下達が厳格な工藤会の意思決定は「最終的に野村被告の意思により行われていたと推認できる」と指摘。上層部に嫌疑が及ぶ恐れがある重大事件を「組員が無断で起こすとは到底考えられない」として、両被告の4事件への関与を認めた。
 その上で、港湾利権に影響力がある元組合長の射殺事件と、その孫が襲われた歯科医師事件は「大型公共事業の漁協利権を得るため、影響力があった被害者一族の屈服をもくろんだ」と認定。看護師事件の背景には「野村被告が受けた下腹部手術に関する対応への不満」があったとした。元警部事件は「直接の動機は不明」とした。
 野村被告を死刑とした理由について、唯一の殺人事件である元組合長事件を量刑判断の中心と位置付け、「極刑の選択はやむを得ない」と断じた。田上被告は「野村被告と相通じて意思決定に関与し、不可欠で重要な役割を果たした」とした。

 弁護側は、田上被告が02年に今回と同じ容疑で逮捕され、不起訴となった元組合長事件について「公訴権の乱用」と主張したが、判決は「殺人罪が成立しており、公訴提起は違法ではない」と退けた。判決言い渡し後、野村被告は裁判長に「あんた生涯、このこと後悔するよ」などと不満をぶつけた。

 福岡地検は「主張がおおむね認められた。継続中の工藤会公判についても適正な判決が得られるよう努める」とコメントした。

 ◎上記事は[西日本新聞]からの転載・引用です
――――――――――――――――――――――――
 福岡社会 
 資金力でのし上がった野村被告 トップ就任後、工藤会の凶悪事件相次ぐ
 2021/8/24 19:05 (2021/8/26 11:43 更新)             
 実家は裕福な農家で6人きょうだいの末っ子だった-。野村悟被告(74)は過去の公判で自身の生い立ちをこう説明した。父は北九州市内に田んぼや山林を多数所有し、約30年前に母が亡くなった際には7億円を相続したという。
 暴力団に加入したのは1972年ごろ。知人によると、暴力団抗争の際には札束を詰めた箱を差し出し、仲間の組員に「好きなだけ持っていけ」と、資金力を見せつけたエピソードが語り継がれている。80年ごろからは賭場を開帳し、「最高で1日2億円を稼いだ」と公判で語った。会の内情に詳しい捜査関係者は「豊富な資金を背景に組織内でのし上がった」と話す。
 2000年に会の事実上のトップに就任し、絶大な権力を掌握。直接話ができるのは一握りの幹部で、ある組員は「末端にとっては雲の上の存在」。野村被告宅は「本家」と呼ばれ、「部屋住み」や「当番」の組員が身の回りの世話をした。公判で組関係者が証言に立つ際、被告に深々とおじぎする場面が何度もあった。今年2月に確定した上納金を巡る脱税事件の判決は、10~14年に会の上納金から個人所得として約8億円を得たと認定している。
 野村被告がトップに立って以降、北九州市などでは工藤会が関与したり、関与が疑われたりする市民襲撃事件が相次いだ。
 03年、同市小倉北区のクラブ「ぼおるど」に手投げ弾が投げ込まれ、従業員11人が重軽傷を負った。現場で取り押さえられ、死亡したのは工藤会系組員だった。10年には暴追運動に取り組んでいた同市小倉南区の自治総連合会長宅に銃弾が撃ち込まれた。
 飲食店などへの暴力団の入店を禁じる「標章」制度が導入された12年以降、標章を掲げた店が放火されたり、経営者の女性が襲撃されたりする事件が続発。一部の事件では工藤会系組員が立件された。同会親交者の関係先からは、対戦車用のロケット砲が見つかった。
 野村被告は、市民襲撃4事件に関して元組員らが証言した被告に不利な内容について「子どもじみた漫画みたいな話。検事と話して作ったんじゃないか」などと否定。いずれの事件でも実行役の工藤会系組員らの実刑が確定していることに関しては「(動機は)分からない。事情があったんじゃないでしょうか」と語っていた。

 ◎上記事は[西日本新聞]からの転載・引用です
――――――――――――――――――――――――
死刑判決で裁判長に「後悔するぞ」 工藤会トップ「野村悟被告」の素顔と意外な評判 2021/8/28 デイリー新潮

  
---------------


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。