朝日新聞デジタル
「コロナで面会制限は違法」の申し立て、東京地裁が却下
阿部峻介 2020年5月4日 16時42分
新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由に東京拘置所が弁護士以外の面会を制限したのは違法な行政処分だとして、勾留中の男性被告が制限を一時的に解くよう求めた申し立てについて、東京地裁は1日付で却下する決定を出した。清水知恵子裁判長は「収容者や面会希望者に対して法的効力を有する処分に当たらない」と指摘した。
男性は申し立ての前提として制限取り消しを求める行政訴訟も起こしているが、決定は面会制限について、拘置所長が施設管理権に基づいて依頼しているだけの「事実上の取り扱い」にすぎないと指摘。行政訴訟で取り消しを求めることができる「処分」にあたらないと述べた。
また制限は収容者や面会者、職員の感染を防ぐための措置で、男性には執行停止を認めるのに必要な「重大な損害」もないとした。
決定によると、同拘置所は緊急事態宣言後の法務省通知を受け、4月15日から「弁護人以外との面会・差し入れは中止します」との貼り紙を掲げ、受付の事務室を施錠。緊急性や必要性を認めた場合のみ、例外的に家族や知人らの面会を許可する運用をしている。(阿部峻介)
◎上記事は[朝日新聞デジタル]からの転載・引用です
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* 被告・受刑者と家族 面会制限 13都道府県、来月6日まで コロナ感染防止を理由 法務省 2020.4.20
* 刑務所や拘置所など新たな収容者を2週間隔離 単独室などに入れ 2020.4月15日から全国の矯正施設で