【産経抄】4月19日
ビートたけしさんの母、さきさんは、大変な教育ママだった。小学6年になった年の誕生日、たけしさんへのプレゼントは、10冊の参考書である。ちょっとでも勉強の手を抜くと、ぶん殴られた(『菊次郎とさき』)。
▼たけしさんが売れっ子になってからも、容赦はない。「頼むから死刑にしてくれ」「死んでしまえばいいんだ」。フライデー襲撃事件やオートバイ事故など、世間を騒がすたびに報道陣の前で毒舌を吐いた。すると、なぜか社会全体が許してしまう。「火消し役」を務めてくれていたのではないか。マザコンを公言するたけしさんは、母を亡くしてから思い至った。
▼セクハラ発言疑惑による財務省の事務次官の辞任に続いて、今度は新潟県の米山隆一知事の女性問題である。米山氏は、東大医学部を卒業した医師であり、弁護士資格も持つ。ため息の出るような経歴の持ち主は、複数の女性と金銭を伴う関係を持っていた。「週刊文春」がすっぱ抜いた。
▼「武士の情けで許してほしい」。米山氏は記者会見で涙を浮かべて弁明しながら、進退の判断に迷っていた。結局昨日、辞職を発表した。50歳の息子の不始末に一番心を痛めているのは母親であろう。それでも取材拒否することなく、テレビのワイドショーのインタビューに答えていた。
▼平成20年4月の東大の入学式で、建築家の安藤忠雄さんが述べた祝辞が当時話題になった。「自立した個人をつくるため親は子供を切り、子は親から離れてほしい」。新入生とそれより人数の多い父母らを前に、「親離れ子離れ」を訴えていた。
▼来年の入学式の祝辞では、こう付け加えた方がいいかもしれない。「どんなに偉くなっても、母親が記者に囲まれるようなことをするな」
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2018.4.19 Thu〉
何歳になっても、わが子は可愛いものなのだろう。守りたいものなのだろう。
私は、どうだったろう。こんな強い愛を持ち合わせていただろうか・・・。
それにしても、この国は、いつの間にやらスキャンダルの横溢・席巻する国家、低劣な「週刊誌的国家」になってしまったようだ。不快である。