元稲沢市議 桜木琢磨被告 「人権侵害」 中国で勾留、もう3年 2017/8/1

2017-08-01 | 死刑/重刑(国際)

元稲沢市議「人権侵害」 中国で勾留もう3年 
 中日新聞 2017/8/1 朝刊
 中国国内で覚醒剤を運ぼうとしたとして麻薬運搬罪で起訴され、「懲役十五年以上か無期懲役または死刑」を求刑された愛知県の元稲沢市議、桜木琢磨被告(73)の勾留が、二〇一四年七月の起訴から丸三年たった。弁護人も「聞いたことがない」という異例の長期勾留だ。桜木被告は本紙の文書での質問に答え、判決を遅らせている裁判所を「人権侵害」と批判するとともに、「私は無罪だ」とあらためて主張した。
 本紙は弁護人に桜木被告への質問状を託し、拘置所で被告に面会した際、口頭で回答を得た。
 判決延期は3か月ごと行われており、今年6月には11回目となった。長期拘留について桜木被告は「11回目の延期を聞いたときは怒りを感じた。そこまで延期する意味があるのか。裁判所は無責任であり、私の人権を侵害している」と担当する広州市中級人民法院(地裁)を批判し、早期に判決を出すよう求めた。
 上級機関の最高人民法院は、判決延期のたびに「事件が重大かつ複雑で、証拠を確認する必要がある」と同じ理由を示してきた。ただ14年8月に初公判が開かれ、3日間の集中審理で結審して以来、法院や検察に事情を聴かれたことは「一度もない」という。
 最大のポイントは、被告が覚醒剤の存在を知っていたかを検察が立証できるかだ。「自分でスーツケースを確認し、(運搬を依頼した)ナイジェリア人も不審物はないと言ったので信じた。中に覚醒剤があったことは事実だが、検察は私が中身を知っていたことを公判で立証できていない」とした上で、「私は無罪だ」と主張した。
 体調面では、腹部にタマゴ大の腸下垂があり、2週間ほど前に医師の診察を受けたが、緊急な処置を要するものではないという。
 中国の法律では原則として起訴から3か月以内に判決を出すと決めている。逮捕からはすでに3年半以上が経過。弁護人は裁判所に早く判決を出すよう再三要請している。過去2回行った保釈請求には可否すら示されていない。(以下略=来栖)

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)

   元稲沢市議 桜木琢磨被告 死刑回避へ 中国、75歳以上は死刑適用外 2018/9/12
-------------------------
中日新聞 【社説】
元稲沢市議裁判 一日でも早い釈放を
 中国での覚醒剤事件で死刑を含む重刑を求刑された元愛知県稲沢市議の裁判は起訴から三年余となるのに判決が言い渡されない。検察の立証は不十分であり、一日でも早い被告の釈放を求めたい。
 元愛知県稲沢市議の桜木琢磨被告(73)は二〇一四年七月に麻薬運搬罪で起訴され、八月下旬に初公判が開かれた。
 蒸し暑い広東省広州市の裁判所で開かれた初公判で、検察側は被告が覚醒剤の存在を知って運搬したと主張した。桜木被告は「覚醒剤の存在を知らなかった」と無罪を主張し、無罪の主張はその後も一貫している。
 中国の法律は起訴から遅くとも三カ月以内に判決を出すよう求める。死刑の可能性がある重大犯罪の場合は最高人民法院(最高裁に相当)の許可を得て延長も可能だとはいえ、起訴から三年以上も経過し、十一回も勾留期限が延長されたのは不当な扱いである。
 こんなに長期に判決を先延ばしするのは甚だしい人権侵害である。高齢な被告の健康面も考慮し、まずは釈放すべきであろう。
 中国の麻薬運搬罪の成立には、麻薬だと明確に知りながら故意に運ぶことが必要である。
 弁護人は「他人にだまされて運ぶ行為は犯罪にならず、検察は被告が麻薬の存在を知っていたと明確に立証できなかった」として、無罪判決を求める。被告自身も「(運搬を依頼された)アフリカ人にだまされた」と主張している。
 裁判所は「事件が複雑で証拠を確認する必要がある」と、判で押したように同じ理由で勾留を延長してきた。だが、検察の立証を不十分だと認識するからこそ、裁判所は判断を先延ばしにしてきたのではないか。
 中国司法でも「疑わしきは被告人の利益に」とする刑事裁判の原則は採用されている。習近平政権が「依法治国」を掲げるのなら、一日も早く無罪判決を出すのは当然であろう。
 中国では、冷え込んだ日中関係が、日本の元公職者に無罪判決を出すことを阻んでいると指摘する声もある。だが、国際関係などの政治が司法に影響を与えるのであれば、中国流の法治にすぎないと批判されても仕方がない。
 中国では邦人拘束が相次ぎ、一部は釈放された。拘束が続く二人について当局は「反スパイ法違反」とするが、具体的な容疑内容は闇の中だ。何よりも司法手続きの透明性を高めてほしい。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
---------------------------------------
元稲沢市議・桜木琢磨被告 判決公判11度目の延期 中国の地裁 2017/6/16 身柄拘束 3年半
元稲沢市議・桜木琢磨被告の勾留期限延期 中国の地裁、10回目 2017/2/28
元稲沢市議・桜木琢磨被告の裁判が異例の9度目の判決延期となった背景---検察が起訴内容を客観的な証拠で立証できていない
元稲沢市議・桜木琢磨被告 判決公判9度目の延期 中国の地裁 2016/11/29


中国:拘束の桜木琢磨稲沢市議を覚醒剤所持容疑で正式逮捕 2013.12.9 中国の刑法では麻薬密輸の最高刑は死刑 
  拘束の愛知県稲沢市の市議を正式逮捕 中国、覚せい剤所持容疑
 産経ニュース2013.12.9 16:59
 中国広東省の公安当局は9日までに、覚醒剤剤を所持していたとして拘束していた愛知県稲沢市議の桜木琢磨容疑者(70)=無所属=を正式に逮捕した。同省広州市の検察当局が同日、明らかにした。
 検察当局によると、桜木容疑者はほかの外国人と共謀して、覚醒剤約3キロを日本に運ぼうとした疑いが持たれている。桜木容疑者は帰国予定日だった10月31日、広州市の白雲国際空港の保安検査でスーツケース内から覚醒剤が見つかり、拘束された。接見した外務省関係者に対し、容疑を否認している。検察当局は事件に絡み11月中旬、ほかに容疑者2人を拘束したことを明らかにした。2人の国籍は不明だが、関係者によると、桜木容疑者は拘束後「覚醒剤入りのスーツケースは仕事の取引で会ったナイジェリア人に渡された」と話しており、ナイジェリア人の可能性がある。中国の刑法では麻薬の密輸は重罪で、最高刑は死刑。2010年には麻薬密輸罪で日本人4人の死刑が執行されている。(共同)
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します *リンクは来栖
-----------------------------------------------
中国:拘束の稲沢市議を正式逮捕…空港で覚醒剤所持容疑
 毎日新聞 2013年12月09日 19時46分(最終更新 12月09日 22時06分)
 【上海・隅俊之】愛知県稲沢市の桜木琢磨市議(70)が中国広東省広州市の空港で覚醒剤を所持していたとして拘束された事件で、同省広州市の公安当局は6日、麻薬の運搬容疑で桜木市議を正式に逮捕した。広州市の検察当局が9日、発表した。今後、本格的な取り調べを進め、検察当局が起訴するかを決めるとみられる。
 中国メディアによると、検察当局はこれまでの捜査結果として、桜木容疑者が中国に滞在中に外国人と共謀し、覚醒剤約3キロを日本に運ぼうとしていたと明らかにした。また、共謀相手として2人の外国人の身柄を11月中旬に拘束したことも明らかにした。
 桜木容疑者は10月29日、自身が経営する貿易会社の仕事で中国に渡航。同月31日に広州から上海に向かう中国南方航空便に搭乗予定だったが、安全検査でスーツケースから白い結晶体が見つかり、検査の結果、覚醒剤と判明したとされる。上海で愛知県・中部空港に向かう国際便に乗り継ぐ予定だったとみられる。公安当局は拘束後、「所持していた覚醒剤は3.3キロだった」と発表した。スーツケースは二重構造になっていて、そこに覚醒剤が隠されていたという。
 桜木容疑者は「スーツケースはナイジェリア人から預かった」として、無実を主張しているとされる。在広州日本総領事館はこれまで本人に2回、面会したが、健康面などに特に問題はないと話しているという。
 中国当局は薬物犯罪には厳罰姿勢で臨んでおり、外国人が摘発されるケースも目立つ。2010年4月には麻薬密輸罪で日本人4人に死刑が執行されたほか、11年12月には麻薬売買罪に問われた40代男性に死刑判決、50代男性に執行猶予付きの死刑判決が言い渡された。執行猶予付きの死刑は猶予期間中に問題がなければ、無期懲役などに減刑される。
 ◎上記事の著作権は[毎日新聞]に帰属します *リンクは来栖
―――――――――――――――――――――――――――
◇ 「靴の商品サンプル」に覚醒剤 桜木琢磨 稲沢市議、中国で拘束 2013/10/31 中国、覚醒剤所持の最高刑は死刑 
―――――――――――――――――――――――――――
中国:麻薬密輸罪で、武田輝夫・鵜飼博徳・森勝男死刑囚に4月9日、死刑執行/赤野光信死刑囚は6日、執行 2010-04-09  
―――――――――――――――――――――――――――
「いい加減な裁判でたまらぬ」《中国》赤野光信死刑囚が不満 2010-04-02 
--------------------------------
邦人赤野光信死刑囚の刑執行は6日に 《中国》 2010-04-05  
―――――――――――――――――――――――――――
中国で日本人《赤野光信死刑囚》に死刑執行 2010-04-06  
―――――――――――――――――――――――――――
中国で麻薬密輸罪に問われた赤野光信死刑囚、執行「やむなし」の見方も・・・日本政府 2010-04-06 
―――――――――――――――――――――――――――
◆ 中国、邦人に死刑執行(通告)。日本も中国人《陳徳通死刑囚》に2009/07/28死刑執行している 2010-04-05 
.......................


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。