サリン事件から21年 「死刑」と向き合う被害者 (2016/3/3 東京新聞)

2016-03-03 | オウム真理教事件

サリン事件から21年 「死刑」と向き合う被害者 今も迷い考え
 東京新聞 2016年3月3日 朝刊

    

   地下鉄サリン事件で被害に遭った伊藤栄さん(右)にインタビューする、被害者の会代表世話人の高橋シズヱさん=1月、東京都江東区で
 地下鉄サリン事件被害者の会が十三日、事件から二十一年となるのを前にした集会を東京都内で開く。テーマは「死刑」。やがて現実となる教団元代表の麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(61)=本名・松本智津夫=らの刑執行にどう向き合うべきか。被害者の会代表世話人の高橋シズヱさん(69)は「結論が出る話ではないとは思うが、事件を知らない若い人にも考えてほしい」と話している。
 集会では、被害者や遺族の意見を高橋さんが集めた映像を上映。ジャーナリストの江川紹子さんや、死刑制度廃止を訴える小川原優之(おがわらゆうじ)弁護士らが話し合う。
 オウム真理教による一連の事件で起訴された百九十二人のうち、地下鉄事件で死刑が確定したのは麻原死刑囚ら十人、教団による事件全体では十三人に上る。
 公判が続くのは、元信者高橋克也被告(57)=一審無期懲役、控訴=と元信者菊地直子被告(44)=無罪、上告=の二人だけ。死刑執行は、共犯者全員の刑が確定するのが条件とされている。「執行はしてほしいが、死刑囚には今だから言えることがあるのではないか。それを聴かないままでいいのか」。こうした高橋さんの疑問からテーマが決まったという。
   ×   ×
 高橋さんは一月、被害者や遺族計八人をインタビューし、すべて映像に記録した。
 高橋さんが全員に尋ねたのは「もし可能なら、死刑囚に会い、直接話したいことはあるか」。通勤途中に被害に遭った伊藤栄さん(61)はインタビューに「一点だけ、なぜこんなことをやったのかを聞きたい」、光野充さん(74)も「なぜ一歩踏み出してしまったのかを知りたい」と答えた。
 一方で妹(52)が重い後遺症に苦しむ浅川一雄さん(56)は「対面を想像しただけでいやだと思った。顔を見たくない」と拒絶した。
 高橋さんは、化学兵器などの専門家が、事件当時のことを死刑囚から詳しく聴き取るべきだと考えている。伊藤さんは「専門家が分析をして、犯罪の抑止力の糧にするのは重要」と賛同した。
 多くが早期の刑執行を求めたが、終身刑の導入には賛否が分かれた。浅川さんは、公判で麻原死刑囚以外の死刑を積極的に求めなかった心境を「(被害に遭ったのと)同じ殺人の片棒を担ぐ気持ちになる」と明かした。
 インタビューを終えた高橋さんは「それぞれ、考え、迷いながら答えてくれた。難しいテーマだと感じる」と話した。
   ×   ×
 集会は十三日午後一時から、東京都千代田区の東京交通会館で開かれる。

 ◎上記事は[東京新聞]からの転載・引用です  *強調(太字・着色)は来栖 
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