光市母子殺害事件 光市最高裁判決と弁護人バッシング報道〔3〕自白調書から見える検察の意図

2007-07-11 | 光市母子殺害事件

弁護人安田好弘さんの講演(2006/6/19)から。

 彼の自白調書を見ていくと、最初は検察官の言うような自白などはしていないんですね。「片手で首の辺りを絞めていたら奥さんは息をしなくなった」という言い方しかしていないんです。片手なんです。鑑定書も片手としか書いていない。事件が起きたのは4月14日で、彼が逮捕されたのは18日ですが、18日は、私は大声でわめき叫ばれたから、もう何とかやめさせようと思って片手で首を絞めたら、相手が息をしなくなっちゃたと供述しているにとどまるのです。ところがその2日後に警察調書ができるんですが、そこでは、両手で絞めたという話にいきなり変わるんです。

  鑑定書には片手による扼頸の痕跡と書いてありますから、彼らは、鑑定書さえ無視したわけです。殺害方法からしてすでに事実と違うわけですから、彼の自白調書に出てきているその他のこと、つまり強姦目的で被害者宅に入り込んだとかいう話も、本当の話かどうか疑わしいわけです。
 同じことが子どもさんについても起こってきます。子どもさんの体重は約8キロです。彼は両手を上げればその高さは1メーター80から90ぐらいになります。検察官の主張によれば、殺そうと思って頭上から逆さまにカーペットの上に全力で叩きつけたとされていますから、子どもさんにはたいへんな傷が残っているはずですが、頭に4つの皮下出血があるだけなんです。それ以外に傷がないのです。次いで、被告人は子どもさんの首を両手で絞めたとなっているんですが、その痕跡もないのです。⇒

⇒ 光市最高裁判決と弁護人バッシング報道〔3〕自白調書から見える検察の意図 事件は少年法改悪に利用された 2007-07-13 
 『2006 年報・死刑廃止』特集“光市裁判 なぜテレビは死刑を求めるのか”より

 


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