トヨタ、北米不振深刻化 新興国では伸び悩み

2008-11-28 | 社会
2008年11月28日
 トヨタ自動車の今年1-10月累計の世界販売台数が、ダイハツ工業と日野自動車を合わせたグループ全体で初めて前年同期を下回った。北米不振が深刻化し、資源国・新興国の伸びも鈍化。2008年(暦年)の前年割れは確実で、回復への糸口が見えない状況が続いている。
 1-10月累計は、グループ全体で前年同期比0・9%減の773万7000台。前年実績の937万台まで約163万台だが、11、12月も10月程度の不振が続けば、910万-920万台にまで落ち込む計算となる。
 特に足を引っ張っているのは北米だ。単月で前年同月比28・8%減となった9月に続き、10月も20・8%の大幅減(16万8000台)。1-10月の累計は9・5%減の214万7000台で、1-9月累計(前年同期比8・4%減)より減少幅が膨らんだ。
 北米以外でも販売が落ち込んだ。9月に前年同月を上回っていた欧州は、市場縮小と他メーカーとの競合激化で13・5%減の8万3000台と苦戦。国内は6・9%減(17万8000台)、中南米は20・2%減(2万9000台)だった。
 頼みの新興国では、中国が1-10月累計で22・9%増(47万5000台)となったが、1-9月の23・8%増と比べるとやや伸びが鈍化。中近東とともに、これまでの勢いに陰りが出ている。
 トヨタ単体の10月販売は11・6%減の60万6000台、1-10月は1・6%減の690万台。ともにグループ全体よりも減少幅が大きく、単体での不調が際立った。
 秋以降の世界金融危機に端を発した景気悪化が直撃した形で、トヨタでは「9-12月が悪く、その先はさらに悪くなる」(幹部)と来年以降の回復に悲観的な見方も出ている。【自動車産業ニュース】

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