姉歯秀次判決 安田さんの時の裁判長だった

2006-12-28 | 社会

 裁判長川口政明氏は安田好弘弁護士のときの裁判長である、と知った。安田さんに無罪を言い渡し(*)「今度は違う形でお会いしたいですね」と言った人だ。

*98年、負債を抱えた顧問企業の財産を隠したとして、強制執行妨害容疑で逮捕
され、10カ月の拘置。一審は無罪で現在控訴審中。

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<耐震偽造判決>姉歯被告実刑 説諭に聴き入る「主役」
12月26日20時43分配信 毎日新聞

 「大変なことをしでかした、という感じが伝わってこなかった」。耐震データ偽造事件で建築基準法違反などに問われた元1級建築士、姉歯秀次被告(49)に26日、実刑を言い渡した東京地裁の川口政明裁判長は、説諭でそう指摘し、被告の猛省を促した。21日の保釈からわずか5日後の実刑判決。事件の「主役」は、裁判長の言葉に直立不動のまま聴き入った。【篠田航一】
 「被告を懲役5年、罰金180万円に処する」。主文を告げ、30分余り判決理由を読み上げた後、川口裁判長は「姉歯被告、前に」と促した。
 黒いスーツ姿で証言台の前に立った姉歯被告に、川口裁判長は語り始めた。「厳しい判断となりました。法廷で何回か話を聞きましたが、あなたが大変なことをしでかした、という感じが伝わってこなかった。私がそれにいら立ちを覚えたことは偽らざる事実です」
 続けて「あなたはパソコンに数字を打ち込んで構造計算しただけで、悪い住宅事情の中、購入者が一生に一度の買い物としてようやく建物を手に入れるという想像力がなかった」と非難。「服役後、あなたが関係したマンションなど現場に赴き、胸に刻んで反省を深めてほしい」と結んだ。
 数分間の説諭に、姉歯被告は返事をすることもなく、閉廷を告げられると深々と一礼した。
 姉歯被告は10月、川口裁判長に「ベンツとBMWを持っていながら『生活に苦しくてやった』というのは、何か違うのでは」と質問され「車はローンです」と返答。「あなたには切迫感がない」と説教されていた。
 傍聴した「グランドステージ東向島」(東京都墨田区)の元住民の男性(33)は「裁判ですべてが明らかになったとは思えないが、こうした犯罪を裁く法律が整備されていない中では重い判決だった」と評価した。「しかし、被害者にとっては何の解決にもならない。判決で一区切りとは思われたくない」と述べた。
 ◇6人個別に起訴
 事件は昨年11月17日、国土交通省が姉歯被告による構造計算書改ざんを発表して表面化した。
 姉歯被告は同12月の衆院の証人喚問で「木村建設の圧力」を証言。捜査当局は当初、設計や建設、販売業者らが一体となって偽装した組織的事件との構図を描いた。しかし、のちに証言は偽証と判明。結局、個別の法令違反で6人を起訴した。
 6人のうち、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区、廃業)の藤田東吾社長(45)は10月に電磁的公正証書原本不実記録・同供用で、「木村建設」(熊本県八代市、破産手続き中)の篠塚明・元東京支店長(46)は11月に建設業法違反で、それぞれ執行猶予付き有罪判決を受け確定。しかし、2人の事件は耐震偽装と関連はないと認定された。
 一方、マンション販売「ヒューザー」(大田区、同)元社長の小嶋進被告(53)は、耐震偽装物件と知りながら販売したとされる詐欺罪を全面否認。木村建設元社長の木村盛好被告(74)も建設業法違反は認めたが詐欺罪は否認し、公判中だ。
 最終更新:12月26日21時30分


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