2016.1.23 05:04更新
【産経抄】安倍政権が施政方針演説に込めた本音「歴史や民主主義への価値観を共有できない国=韓国」
一見、無味乾燥に思える政府演説も、気をつけて聴くと時の政権の本音がちりばめられていて、案外おもしろい。第2次安倍晋三内閣が発足して今回までの4回の施政方針演説をみると、安倍政権の韓国観の変遷がうかがえる。
▼朴槿恵(パク・クネ)大統領の就任直後、平成25年2月の演説は韓国について「自由や民主主義といった基本的価値と利益を共有する最も重要な隣国」と位置付けている。それが、慰安婦問題などで韓国がごね続け、第三国での「告げ口」外交をしていった結果どうなったか。
▼まず、26年1月の演説では「自由や民主主義」の部分が外れ、次いで27年2月の演説では「基本的価値と利益の共有」もなくなる。日本はもはや韓国を、同じ民主主義国とは見なしていないという強烈な暗示である。
▼そして今回22日の演説では、昨年末の慰安婦問題に関する「完全かつ不可逆的解決」の日韓合意を受け、こんな新しい表現が用いられた。「戦略的利益を共有する」。歴史や民主主義のとらえ方などで価値観を共にするとまではいかないが、北朝鮮などの脅威と対峙(たいじ)する上で、とりあえず安全保障上の利害は一致するとの含意か。
▼韓国側が、元の位置付けへの復帰を期待するのであれば、ソウルの在韓日本大使館前の慰安婦像の撤去をはじめ、国際公約を誠実に履行しなければならない。「あれは民間がやったことだから」で逃げたならば、国際社会で嘘つきと非難されても仕方あるまい。
▼「われわれは、米国内を含めすべての人たちに合意を支持するように求めており、合意の精神に従って行動することを望む」。ブリンケン米国務副長官は17日のNHKインタビューで、こう韓国系団体にくぎを刺した。世界が注目しているのである。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です