カトリック生活 年間第19主日 A年

2008-08-10 | 日録

2008年8月10日 年間第19主日 A年 () 

「主よ、助けてください」(マタイ14・30より)

 湖上のイエスとペトロ 手彩色紙版画 アルベルト・カルペンティール(ドミニコ会 日本)

 ひときわステンドグラスのようなつくりの作品である。きょうの福音マタイ14・22-33の記述にそって鑑賞してみよう。まず25節の「夜が明けるころ」。この絵ではすでに高く上がり、燦然と輝いている太陽として表されている。「イエスは湖の上を歩いて」。湖面にあるイエスの足がはっきりと描かれている。29-30節が記すペトロの行動。水の上をイエスのほうへ歩いていったが、強い風に気づいて怖くなり沈みかけたということは、ペトロの半身の姿と白い水しぶきで示されている。風が吹いてきてペトロが沈んだのではなく、怖くなったから沈みかけたとある点が面白い。イエスによれば、彼が疑ったからだということになる。すると、この絵の中の全身のイエスと半身のペトロは神に生きる程度の違いを具象化していることになる。この話における湖(=海)が悪霊の支配する領域を象徴しているだけに、この対比は興味深い。とはいえ、この絵の中心は、ペトロの手がしっかりとイエスの両手によって握られているところにある。イエスを仰ぐペトロのまなざしは信頼心に満ちている。世の誘惑に、信仰の迷いに足をとられながらも、イエスにより頼み、引き上げてもらいながら生きていく信者の姿を象徴するものとして味わっていってよいだろう。そこには永遠の命の象徴として、太陽の光が降り注いでいる。


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