(毎日新聞 - 08月09日 15:21)
今年7月にインド人女性の代理出産で生まれた女児が日本に帰国できなくなっている問題で、代理出産を依頼した愛媛県内の40代の男性医師が毎日新聞の取材に応じ、出生届の母親欄が「Unknown(不明)」と記載され、女児が日本とインドのどちらにも属さない無国籍児となっていることを明らかにした。男性は「このままでは『孤児』のような状態になってしまう。一刻も早く帰国させたい」と話した。
男性は昨秋、関東の医師仲間の紹介で、インドにいるインド人実業家を通じて現地の病院に「第三者の卵子提供で代理出産をする」ことを依頼。男性は取材に、代理出産を頼んだ理由について「男として子どもが欲しかった」と説明した。その前にはインターネットなどで代理出産について調べ、米国の病院に「独身でも代理出産を頼めないか」と問い合わせたこともあったが、断られたという。
代理出産の費用は一部を既に支払っており、医療費や渡航費を含めた総額は400万~500万円かかりそうだと述べた。代理母の20代後半のインド人女性には約20万ルピー(約56万円)が支払われたと聞いたという。
インドにいる弁護士からの連絡によると、出生届の父親欄がこの男性になっているため、男性は女児を引き取るための養子縁組ができなかった。また、母親が不明となっているため、インド国籍も取得できない状態になっているという。このため、男性は現地の弁護士に相談するとともに、女児の帰国について日本の法務省に対応を要請している。
女児は健康状態があまり良くなく、一時は集中治療室にいたが、現在は男性の実母がインドに渡って病院で女児の世話をしている。
男性は交際していた女性がおり、代理出産についても伝えた上で結婚。しかし、女性はインド人女性が産む子どもを受け入れることについて悩み、2人は女児が生まれる前の今年7月に離婚した。【後藤直義】
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インドで代理出産直前に離婚、女児に出生証明書を発給
(読売新聞 - 08月10日 22:50)
【イスラマバード=佐藤昌宏】インド人女性に代理出産を依頼した日本人夫婦が子供の誕生直前に離婚し、生まれた女児がインドを出国できない問題で、同国の担当医師はAFP通信に対し、出生証明書が9日に発給されたことを明らかにした。
証明書には、父親として元夫の名前のみが記されているという。
女児がインドを出国し、日本を訪れる可能性も出てきた。
この医師は「原則としてインド政府は、女児に旅券(パスポート)を発給できる。日本大使館が査証(ビザ)を与えるかどうかだ」と語った。医師は9日朝、元夫に出生証明書が発給されたことを伝えたという。