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『元少年』手記 「市場に出た書籍を書店が排除…情報受容を制約することになりかねない」落合洋司弁護士

2015-06-24 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

『絶歌』販売自粛に落合洋司氏「表現の自由を制約」
2015年06月24日 09時13分 提供:アメーバニュース/政治・社会
 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害者・酒鬼薔薇聖斗こと「元少年A」による手記『絶歌』(太田出版)が発売され、波紋が広がっている。  同書は発売以来ベストセラーとなっている一方で、被害者遺族は事前に出版を知らされておらず、遺族は出版中止と回収を求める声明を発表。ネット通販大手アマゾンの同書カスタマーレビューにも「Amazonは即刻発売を中止するべき」「世に出してはならない本」「この事件から得るものなど何もない」など、同書を批判するコメントが殺到している。 「被害者遺族の心情に配慮する」として販売を自粛する書店もあり、東京都と神奈川県で「啓文堂書店」を展開している京王書籍販売は発売当初から販売を自粛。兵庫県明石市の泉房穂市長も同市条例に基づき、市内の書店と住民に販売、購入について「配慮をお願いする」と要請しており、市立図書館でも同書を購入しない方針だという。
 ツイッターでも「本当に、店頭に置くことすらやめてほしい」などの意見が書き込まれており、同書の販売自粛する向きが強くなっているが元検察官の落合洋司弁護士はこの流れに異議を呈した。
 ツイッターで「批判があるのは当然だが、市場に出た書籍を書店が排除してしまうというのはどうか。読みたいという表現の自由(情報受容)を制約することになりかねない」との見解を示している。

 ◎上記事の著作権は[アメーバニュース]に帰属します
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『元少年』手記に広がる波紋 強い逆風、更生の議論遠く
 47NEWS 2015/06/22 18:02 

   

 東京都内の書店に並べられた、神戸連続児童殺傷事件の加害男性による匿名の手記「絶歌」
 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害男性による匿名の手記「絶歌(ぜっか)」の出版に波紋が広がっている。11日の発売以来、ベストセラーランキングの上位に入る一方、事前に出版を知らされなかった被害者遺族が怒りをあらわにし、一部の書店が販売を自粛する事態に発展した。少年事件や更生について考える機会になるとの声もあるが、その意義を訴える版元の太田出版(東京都)や本を並べる書店への逆風は激しく、本質的な議論とはほど遠い状況だ。
 ▽書店自粛
 「買わないで。買うことで、さらに家族を傷つける」「買った人の顔を見てみたい」「徹底的に排除すべきだ」…。インターネット通販大手アマゾンのサイト。「絶歌」の感想欄には激しい非難がずらりと並ぶ。
 こうした声は書店にも届く。ある大手書店チェーンは「被害者遺族の心情に配慮する」と全国の100近い店舗で販売を自粛。喜久屋書店を展開するキクヤ図書販売(神戸市)は15道府県の全店で手記を撤去した。兵庫県明石市の 泉房穂 (いずみ・ふさほ) 市長は、手記が「遺族を傷つける」として、市内の書店に販売への「配慮」を呼びかけた。
 一方、都内にある書店の40代の店長は今後も販売を続ける方針だ。「何かあるとすぐに出版をやめろ、という風潮には違和感がある」。東京都新宿区の大型書店で本を手に取った30代の男性は「想像以上に(筆者は)人間っぽいと思った」と感想を語った。
 ▽社会復帰
 加害男性は97年、神戸市で小学生2人を殺害。犯行の異常性や加害者が14歳だったことに社会は騒然となり、少年の「心の闇」が大きな話題に。少年法の刑罰の対象が16歳以上から14歳以上に引き下げられる契機にもなった。男性は2005年に医療少年院を本退院し、社会復帰。手記の中では犯行当時の心境や、短期のアルバイトや溶接工として働きながら、他者との関わりを避けて生活してきたことを記した。
 太田出版に原稿が届けられたのは今年3月。同社は被害者遺族に連絡をしないまま出版した。 岡聡 (おか・さとし) 社長は「少年がどういう衝動の中で事件を起こしたかが書かれている。事実を伝え、問題提起する意味はあると思った」と強調する。
 本は税抜き1500円で、初版10万部。男性に入る印税収入は、売り上げの10%の契約だとすると1500万円に上るが、男性は印税の中から遺族への賠償金を支払う意向を示しているという。
 ▽本質問う
 同業社の見方は複雑だ。大手出版社のノンフィクション担当は「自分の会社に原稿が来たらどうするか話題になった。出せるなら出したいが、怖くて出せないかもしれない」と本音を漏らす。
 文芸春秋の幹部は「原稿が来たら版元として出す努力をするのは当然だ」とした上で「了承は得られなくとも遺族にはアプローチするべきだった。今回は拙速。できる限りのことをしていれば、ここまでの反発はなかったのでは」と指摘した。
 犯罪加害者の声を数多く伝えてきたメディア時評誌「 創 (つくる) 」の 篠田博之 (しのだ・ひろゆき) 編集長は「出版は賛成。書店の販売も維持すべきだ」と話し、逆風の強さをこう解説する。
 「今回の出版は少年事件や更生の本質を広く問うもので、更生するプロセスともいえる。問題はその生々しさを世間が受け入れられるかどうか。犯罪加害者に対し多くの人は『世間の片隅でひっそり生きる』ことを求めている。そのイメージに逆らったと見なされたことが、騒動を大きくしたのではないか」
(共同通信)2015/06/22 18:02

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