スリランカでテロか ホテル・教会(復活祭の祈りの最中)で爆発 150人死亡 2019/4/21

2019-04-21 | 国際/中国/アジア

スリランカでテロか 6か所で爆発 150人死亡 日本人数人けが

 NHK NEWS WEB 2019年4月21日 20時58分

 スリランカで、現地時間の21日午前9時ごろ、最大都市コロンボとその郊外などにあるホテルとキリスト教の教会の合わせて6か所でほぼ同時に爆発があり、スリランカ政府によりますと、これまでに150人が死亡したということです。シリセナ大統領は爆発はテロによるものだという認識を示し、徹底的な捜査を指示しました。

 スリランカの警察によりますと、現地時間の21日午前9時ごろ(日本時間21日午後0時半ごろ)、最大都市コロンボとその郊外などにある3つのホテルと3つのキリスト教の教会、合わせて6か所でほぼ同時に爆発がありました。

 爆発があったのはコロンボにある「キングスベリー」「シナモン・グランド」「シャングリラ」の3つのホテルと「セント・アントニー教会」、それにコロンボの郊外にある「セント・セバスチャン教会」、東部のバティカロアにある「ザイオン教会」です。

 スリランカ政府は爆発があった6か所で、これまでに150人が死亡、402人がけがをしたと発表しました。

 死者の中には9人の外国人が含まれ、けがをした人の中にも13人の外国人が含まれると発表していますが、外国人の国籍や出身地などはまだ明らかにしていません。

 爆発があった教会3か所ではキリスト教徒たちが復活祭、イースターの祈りをささげている最中だったということです。

 また21日午後、コロンボ市内と郊外で、新たに2回の爆発があり、警察が午前中に起きた6回の爆発との関連を調べています。

 スリランカ政府の関係者によりますと、今回は事前にテロの情報が寄せられ、警戒レベルを引き上げようとしたやさきに爆発が起きたということです。

 シリセナ大統領は国民に向けてテレビ演説を行い、「背後に誰がいるのか徹底的に調べる」と述べて、爆発はテロによるものだという認識を示し、事件の背後関係を徹底的に捜査するよう指示を出したことを明らかにしました。

 スリランカ政府は全土に夜間外出禁止令を出し、新たなテロを警戒するとともに、軍も出動して事件の捜査に乗り出しています。

■屋根は吹き飛び 床にがれき

 地元のテレビ局が伝えた爆発のあった教会とみられる建物の内部の映像によりますと、屋根は吹き飛び、床にがれきが散乱している様子がわかります。

 礼拝用のいすもめちゃくちゃに壊れ、けがをした人たちもあちらこちらに横たわっています。

■日本人数人けがの情報

 外務省によりますと、今回の爆発で、日本人数人がけがをして、このうち1人が重傷という情報があるということで、現地の大使館を通じて確認を進めています。

■旅行会社も情報収集

 スリランカで起きた爆発を受けて、日本国内の旅行会社も情報収集を進めています。

 このうち大手旅行会社の日本旅行では、取り扱ったパッケージ旅行で日本人2人がコロンボに滞在していましたが、爆発が起きたホテルなどからは離れた場所にいて無事だったことを確認したということです。日本旅行では、外務省や現地の提携業者などから情報を集めるとともに、スリランカ方面へのツアーについて、今後の対応を検討するとしています。

 また、クラブツーリズムは、現地にいるツアー客全員の無事を確認しているほか、近畿日本ツーリストではツアーで滞在している客はいないとしています。

 また、このほかの旅行会社各社も情報収集を進めるとしています。

■コロンボは経済の中心地

 爆発のあったコロンボは、スリランカ南西部の沿岸に位置する最大都市で、古くから貿易で栄え、国の経済の中心地となっています。

 町の中心には、ランドマークにもなっているベイラ湖が位置し、湖を囲むようにホテルやレストラン、ショッピングセンターのほか各国の大使館も集まっていて、多くの市民や観光客でにぎわうエリアです。

 最近では、外国企業の参入も進み、ホテルなどの建設ラッシュも目立っています。

■内戦終結後は比較的治安は安定

 スリランカでは、1983年から20年余りにわたって、独立を掲げる少数派タミル人の武装勢力と政府軍との間で激しい内戦が続き、7万人以上が犠牲になったと言われています。

  内戦中は、最大の都市コロンボなど国内各地でテロ事件も相次ぎ、治安も悪化しましたが、10年前の2009年に政府側が武装勢力を武力で制圧して、内戦は終結しました。

 その後、スリランカ政府は、国内に点在する世界遺産や美しいビーチリゾートなどを積極的にアピールし、毎年、日本をはじめ世界各国からおおぜいの観光客が訪れるなどこのところ、国内の治安は比較的安定していました。

■日本人訪問者は増加

 スリランカを訪れる日本人の数は、内戦の終結による治安の回復などを背景に増加を続けてきました。

 日本政府観光局によりますと、内戦が終結した2009年にスリランカを訪れた日本人の数は1万926人でしたが、2016年にはおよそ4万4600人と、4倍に増えました。

 これまでは、30日以内の観光目的での滞在にはビザの取得が必要でしたが、2012年からは電子渡航認証システムが導入され、オンラインで承認を受ければビザの取得が免除されるようになったことから観光客がスリランカを訪れやすくなりました。

 また、日系企業も製造業やサービス業を中心に、進出が増加し、現在は130社が進出しています。

■スリランカは多民族国家

 スリランカはインドの南、インド洋に浮かぶ島国で、人口はおよそ2100万人。今回、複数の爆発があったコロンボは南西部に位置する人口およそ60万人の最大都市です。

 スリランカは多民族国家で、人口の70%余りをシンハラ人が占めているほか、15%余りがタミル人となっています。

 また宗教もさまざまで、仏教徒が最も多く人口の70%を占め、次いでヒンズー教徒が12%余り、イスラム教徒が10%近く、キリスト教徒が7%余りを占めています。

■スリランカ政府 国内でのSNS停止 誤情報拡散防ぐため

 スリランカ政府は、誤った情報やうその情報が広まるのを防ぐため、フェイスブックなど主要なソーシャルメディアやメッセージアプリの国内でのサービスを一時的に停止すると発表しました。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です *強調(=太字)は来栖

.................


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。