【速報】青葉真司被告に死刑求刑 36人犠牲の京都アニメーション放火殺人事件「日本の刑事裁判史上、突出して多い被害者数」
4年前、京都アニメーションに放火し36人を殺害した罪などに問われている青葉真司被告(45)の裁判員裁判で、7日、検察は死刑を求刑しました。
論告の中で検察は、「日本の刑事裁判史上、突出して多い被害者数」と事件の重大性を説明した上で、「被告は危険性を百も承知していた。表面的な謝罪のみで被害者の気持ちを逆なでする言動に終始した」と指摘。「極刑を回避すべき事情はない」としました。 これまでの裁判で、検察は「完全責任能力があった」とする一方、弁護側は「心神喪失または耗弱の状態だった」と主張していて、両者の主張は真っ向から対立しています。判決は来年1月25日に言い渡される予定です。
■青葉被告 極刑求める声に「厳粛に受け止める」
6日に行われた被告人質問で、家族・同僚を失った遺族や被害者の陳述についての感想を問われた青葉被告は、「申し訳ありませんでしたという言葉しかない」と話し、法廷で初めて謝罪の言葉を述べました。 遺族への償いの気持ちについて問われると、「金輪際このようなことが起きないよう、教訓にしてもらうために全ての話をした」と語り、遺族らの極刑を求める声に対しては「厳粛に受け止めるしかない」と述べました。
■責任能力の有無が争点
青葉被告は、起訴内容を認めていて、犯行の動機については「京アニに作品を“盗作”され、恨みを募らせた」という趣旨の説明をしています。裁判では、刑事責任能力の有無が大きな争点となっていて、検察は、「『自分は何もうまくいかないのに京アニは成功している』という人生歴などから生まれた動機の形成は正常。青葉被告は妄想性パーソナリティ障害にかかっていたが、犯行に妄想の影響はなかった」と主張。 一方、弁護側は、「青葉被告は長年にわたり妄想と現実の区別がつかず、妄想世界での体験が善悪を判断する能力を失わせた」と指摘し、「間違いなく責任が問えるとは言えない」などと反論しています。 双方の主張を、裁判員らがどのように判断するか、22回にわたって行われた裁判の判決公判は、来年1月25日の予定です。
最終更新:読売テレビ