産経ニュース 2017.2.8 10:44更新
【淡路島5人刺殺】「被害者は私。サイコテロリストに仕組まれた」「精神工学戦争に巻き込まれた」法廷に響く、平野被告の理解しがたい言葉 神戸地裁初公判
静まりかえった法廷に動揺が走った。8日に神戸地裁で開かれた兵庫県洲本市の男女5人刺殺事件の初公判。「本当の被害者は私。断罪されるべきはサイコテロリストと工作員だ」。殺人などの罪に問われた平野達彦被告(42)は犠牲者5人を中傷する発言を傍聴する遺族の前で繰り返し、「無罪」「冤罪」を主張した。のどかな田園地帯で起きた凄惨な事件。悲しみの癒えない遺族は公判での真相究明を願うが、廷内には理解しがたい被告の言葉が響いた。
平野被告はダークスーツに青いネクタイ姿で法廷に姿を現した。逮捕前より少しふっくらした印象で、口を真一文字に結んで傍聴席を一瞥。長井秀典裁判長から「無職ですか」と問われると「違います」と即答し、ウェブサイトの名前を3つ挙げて「サイトのサポーターをしている」と答えた。
「本当の被害者は私。工作員がブレイン(脳)ジャックし、殺害意思を持つよう強制した」 「彼らの目的は人体実験をかねて実行している精神工学戦争を隠蔽し、大企業による複数の犯罪を隠蔽し、私の財産を奪うことにある。しかも、警察までもがこれに加担している」
殺人の罪状認否では、5分近くにわたり、手元の紙を見ながら独自の見解をまくし立てた。犠牲者5人を「サイコテロリスト」と中傷し、声を張り上げて潔白を主張し続ける平野被告の姿に、裁判員らは苦悶の表情を浮かべた。
この日は亡くなった5人の遺族も被害者参加制度を利用し、検察官席の後方から審理を見守った。
平野浩之さん=当時(62)=一家の遺族は初公判を前に、「被告は自分のしたことと正面から向き合い、全てを語ってほしい。裁判所にはぜひとも真相を究明していただきたい」などと心境をコメントした。
事件前、遺族らは平野被告から無断で写真を撮影されたことなどを兵庫県警に9回にわたって相談していたが、凶行を止めることはできなかった。平野毅さん=同(82)=夫婦の遺族は「裁判の中で当時の対応を改めて考えていただき、今後の警察や行政機関の対応等が改善されることを願っています」とコメントした。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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淡路島5人殺害 無罪主張 被告に精神障害、責任能力争点
毎日新聞2017年2月8日 11時03分(最終更新 2月8日 13時23分)
兵庫県洲本市の民家2軒で2015年3月、50~80代の男女5人が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた無職、平野達彦被告(42)の裁判員裁判の初公判が8日、神戸地裁(長井秀典裁判長)であった。平野被告は起訴内容について「いずれも争います」と否認し、無罪を主張した。平野被告には精神保健福祉法に基づく措置入院歴があり、責任能力の有無が主な争点になる。
平野被告は黒のスーツ姿で入廷。用意した書面を手に「被害者は私で、冤罪(えんざい)だ」などと話した。弁護側も無罪を主張し、「心神喪失または耗弱の状態にあった」と責任能力を争う方針を示した。
検察側は冒頭陳述で「落ち度のない近隣住民を惨殺した。被害者が5人という結果も重大」と指摘。「善悪を判断し、行動を制御する能力も著しく低下していなかった」として責任能力があると主張した。被告が事件の様子の一部をボイスレコーダーで録音していたことも明かした。
起訴状によると、平野被告は15年3月9日午前4時ごろ、自宅近くの平野毅(たけし)さん(当時82歳)宅で、毅さんと妻恒子(つねこ)さん(同79歳)の胸などをサバイバルナイフで複数回刺して殺害。約3時間後には、近くの平野浩之さん(同62歳)宅で浩之さんと妻方子(まさこ)さん(同59歳)、母静子さん(同84歳)を同様に殺害した、としている。
神戸地検は15年4~8月、平野被告の鑑定留置をして精神鑑定などを実施。責任能力を問えると判断した。
事件を巡っては、精神障害で入通院歴のある平野被告が、事件前から被害者や親族らを一方的に「人類の敵」などとインターネットの投稿サイトに書き込むなどして中傷し、県警も被害者宅のパトロールに乗り出した中で起きた。措置入院後のケアや、警察や保健所の情報共有が不十分だったことも明るみに出た。判決は3月22日の予定。【井上卓也、神足俊輔】
◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です
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洲本5人刺殺初公判 被告、起訴内容を全面否認
神戸新聞 2017/2/8 19:33 2/8 19:48updated
2015年3月に兵庫県洲本市で男女5人が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた平野達彦被告(42)=同市中川原町=の裁判員裁判初公判が8日、神戸地裁であった。同被告は電磁波兵器によって殺害を強制されたとする意見書を読み上げ、「工作員に仕組まれた完全な冤罪だ」などと起訴内容を全面否認した。
検察側は捜査段階で、同被告を精神鑑定する鑑定留置を実施。その結果から刑事責任能力があると判断した。
弁護側も殺害自体を争うことを表明。一方で「(被告の主張が)あり得ないとすれば病的な妄想で、責任能力はないか、減じられている」とし、罪を軽減できる心神耗弱か、罪を問えない心神喪失に当たるとした。
検察側は、被害者家族とのトラブルなどから「平野被告が報復として殺害を考えた」と述べ、同被告が殺害状況を録音したとみられるボイスレコーダー▽被害者の血液が付着したサバイバルナイフや着衣-などの物証があると説明した。
起訴状によると、15年3月9日の明け方から朝にかけ、近くに住む平野毅さん=当時(82)=夫婦と平野浩之さん=当時(62)=ら一家3人をサバイバルナイフで刺し殺したとされる。検察側によると、平野被告と被害者5人に親族関係はない。
同被告は10年12月、兵庫県による「措置入院」によって明石市内の病院に強制入院。入退院を繰り返した後、事件前に実家に戻っていた。
この日は同被告を現行犯逮捕した洲本署員らの証人尋問もあった。裁判は13日から再開し、判決の言い渡しは3月22日に予定されている。
【洲本5人刺殺事件と措置入院】2015年3月9日、洲本市中川原町中川原で、平野達彦被告(42)が近くに住む2家族計5人をサバイバルナイフで刺し殺したとされる事件。同被告は事件前、自分や他人を傷つける恐れがあるとして兵庫県の「措置入院」によって明石市内の病院に強制入院。退院後も通院したが、治療が途絶えた。県は継続的な支援が必要だったとして退院後も保健師らが見守る制度を始め、神戸市も17年4月から同様の取り組みを始める。
兵庫・洲本5人刺殺初公判 裁判長が被告に異例の注意
神戸新聞 2017/2/8 17:46 2/8 18:18updated
2015年3月に兵庫県洲本市で起きた5人刺殺事件の裁判員裁判初公判が8日、神戸地裁であり、殺人などの罪に問われた平野達彦被告(42)の態度をめぐり、長井秀典裁判長が異例の注意をした。
長井裁判長によると、事件直後に現場対応した洲本署員が証人として出廷中、平野被告が傍聴席に公判資料を見せるような行為をしたという。閉廷後に「疑わしい行為はしないでください」と告げると、平野被告は「いえいえ」と手を振って行為を否定した。
公判で平野被告は「事件は完全なえん罪」と主張。被害者らを「サイコテロリスト」と呼び、「私の脳を乗っ取った」などの主張を繰り返した。
◎上記事は[神戸新聞]からの転載・引用です
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兵庫・洲本5人刺殺 被告一問一答「電磁波攻撃あった」
神戸新聞 2017/2/14 19:22 2/14 19:48updated
2015年3月に兵庫県洲本市で男女5人が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた平野達彦被告(42)の裁判員裁判が14日、神戸地裁であった。平野被告は殺害理由について「電磁波攻撃を受けていたため」と述べた。
弁護側と平野被告との主なやりとりは次の通り。
-あなたは措置入院したことがある。入院の目的は何だと思ったか。
「『精神工学戦争』の人体実験をさらに続けるためだと思います」
-あなたは精神医療を信頼してますか?
「被害に遭った立場ですからね。全く信用していません」
-「工作員連中」が仕組んだことということですか?
「はい」
-でも、最初の入院は、あなたがなたで父親のバイクを壊したのが原因では?
「壊したというのは大げさで、シートに穴を開けただけです」
-母親が依頼して、保護入院になったこともあった。
「母が依頼したのではなく、現実は医師が入院を持ち掛けました。私が、日本の致命的弱点の情報を世界各国の情報機関に流していたので」
-告発の隠蔽(いんぺい)を図ってあなたを入院させたと。
「はい」
-この事件で、2人の精神鑑定医はあなたの症状を「リタリン中毒」と結論づけていることはどう思うか。
「おかしいと思います。これまでいろんな診断を受けたが、精神科医の診断なんて、ころころ変わる」
-あなたの「告発活動」とは。
「精神工学戦争、集団ストーカー犯罪などを人々に知らせる活動です」
-外国の人権団体などにも資料を送っていた。反応はあったか。
「この件は取り扱えない、と」
-協力的でなかったわけですね。
「何かを恐れているようでした」
-犯行時にあなたが持っていたボイスレコーダーにはあなたの声で「報復」と記録されていた。あなたや家族が苦しめられてきたことに対する報復ということ?
「はい」
-でも、あなたが言う「電磁波兵器」は被害者の家から発見されていない。
「工作員連中が撤収したんだと思います」
-事件前日の3月8日に行動を起こしている。
「はい」
-被害者の平野毅さんの家に向かったが、引き返した。
「はい」
-サバイバルナイフを使ったのはなぜ?
「単純に報復です。電磁波兵器をこれ以上使えないようにするためです」
-あなたは、事件当時、脳を支配される「ブレインジャック」状態だったと。支配されていない今は、事件をどう考えているのか。
「複雑な心境ですので」
-殺害は当然と思っているのか、まずいことをしたと思っているのかどっち?
「前日までは非暴力で活動してきましたので…。察してください」
-どう察したらいいのか。
「答えにくいです」
-まず毅さんから襲おうと決めたのか。
「そうです」
-8日深夜に一度引き返した理由は?
「分からないです」
-9日午前4時ごろまでは何をしていたのか。
「タバコを吸ったり、告発活動をしたりしてたと思います」
-そしてまず毅さんの家へ向かった。どこから入った?
「正面玄関です。何ら恥じることはないので」
-施錠は?
「されてなかったです」
-最初に(毅さんの妻)恒子さんを殺害した。
「はいそうです」
-その後に毅さんを殺害し、浩之さん方に向かったのは何時頃?
「午前7時ぐらいです」
-ハンドタオルを持っていった。
「注意をそらそうと思いました。(インターホンを鳴らしたら)浩之さんが出てきて、タオルを落として気を引きました」
◎上記事は[神戸新聞]からの転載・引用です
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◇ 兵庫県淡路島 洲本5人殺害事件 平野達彦被告(現在も黙秘)を殺人等の罪で起訴 神戸地検 2015.9.8
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