2007年8月5日 02時01分
最高裁は2009年から始まる裁判員裁判で刑を決める(量刑)際、市民から選ばれた裁判員に参考資料として類似事件の量刑例やその分布グラフなどを提供することを決め、専用のデータベースづくりを進めていることが4日、分かった。各地で開いた模擬裁判で、裁判員役の市民から目安となる資料を求める声が相次いでいた。
最高裁刑事局は「従来の『相場』にとらわれないよう、大まかな傾向が分かるようにする。あとは国民の常識で判断してほしい」としている。
刑事局によると、裁判官による現行の量刑では過去の類似事件の判決、求刑はもとより、犯行態様、計画性、凶器、被害の状況、被害者の処罰感情、被告の年齢・性別・前科、事件当時の精神状態、反省の有無などについて詳細なデータを参考にしている。
裁判員への量刑資料の提供をめぐっては「刑にばらつきが出過ぎないためにも必要」という意見の一方で「資料に引きずられると、市民の常識を反映させるという裁判員制度の趣旨を損ないかねない」との指摘があり、裁判官が参考にしているものよりも大まかなデータにとどめる方針。
(共同)