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自民27年ぶり単独過半数=参院、「改憲4党」で3分の2-無所属・平野氏入党へ
自民党が参院(定数242)で122議席に達し、1989年以来27年ぶりに単独過半数を回復する。無所属の平野達男参院議員(岩手選挙区)が自民党に入党の運びとなったためだ。同時に、同党や公明党など憲法改正に前向きな4党だけで改憲発議に必要な参院の3分の2(162)も占める。連立政権内で自民党の発言力が強まり、公明党との力関係も微妙に変化しそうだ。
自民党の谷垣禎一幹事長は12日、党本部で平野氏と会い、「自民党と一緒にやってもらえないか」と入党を促した。平野氏は「分かりました」と答え、その場で入党届を書いて提出した。平野氏が13日、記者団に明らかにした。自民党は今月下旬にも受理する見通し。
平野氏は記者団に、東日本大震災からの復興などの課題を挙げて「政策実行の一翼を担うことができれば岩手県のためにもなる」と説明。「岩手は自民党が弱いところだから、そこの強化も図れればいい」と語った。
自民党は89年の参院選で、消費税導入、リクルート事件、農産物自由化の「3点セット」による逆風で惨敗、単独過半数を失っていた。10日の参院選では追加公認の無所属も含めて56議席を獲得したが、非改選議席と合わせ、単独過半数には1議席足りなかった。
平野氏の入党により、「改憲勢力」とされる自民、公明両党とおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の4党で計162議席となる。4党の党議拘束の効力が及ぶ議員だけで衆参両院の3分の2を占めることで、安倍晋三首相が衆参の憲法審査会で具体化を目指す改憲論議に弾みがつくことも予想される。
これに関し、平野氏は「憲法9条改正に賛成だ。自衛隊は立派な戦力で、『戦力は保持しない』という(現行の)規定はおかしい」と指摘。ただ、改憲は「慎重にやるべきだ」とも語った。
平野氏は当選3回。民主党政権で復興相を務めたが、2013年の参院選には無所属で出馬し、自民党などの候補を破った。(2016/07/13-16:35)
◎上記事は[時事ドットコム]からの転載・引用です
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