国際的な金融不安による急激な景気の冷え込みで、来春卒業予定の大学生が企業の採用内定を取り消されるケースが東北でも顕在化してきた。卒業を待つばかりだった学生たちは落胆し、大学の担当課も対応に大わらわ。内定の解除は不当行為の可能性もあり、厚生労働省は企業側に自制を求めている。
秋田県立大4年の男子学生は10月初め、他県の農機具メーカーから内定撤回を伝えられた。経営状況の悪化が理由だという。県立大は「1999年の開学以来、初の事態」と驚きを隠さない。学生には急きょ、新たな求人情報を提供している。
仙台市の私大も2人の男子学生が内定をほごにされた。1人は東北の娯楽施設運営会社から10月、業績予想の厳しさを理由に文書で通知された。
学生は「こんなことがあるのか」と打ちひしがれていたという。企業は「事業計画の見直しを迫られ、従業員の雇用確保も危ぶまれる」と説明、慰謝料の支払いを約束した。
11月に東京の大手IT企業から内定撤回を言い渡されたのは福島学院大短大部の2年生。「受注が減り、採用の余力がなくなった」という。同大で学生の内定が取り消されたのは、1997年に自主廃業した山一証券が1人の内定を解いて以来だという。
いわき明星大の男子学生も冠婚葬祭企業から内定の解除を告げられている。
厚労省は職業安定法に基づき、内定取り消しを禁じる指針を打ち出し「内定の時点で労働契約が成立したとみなされ、取り消しは解雇に当たる可能性がある」と警告している。 2008年11月29日土曜日 河北新報
秋田県立大4年の男子学生は10月初め、他県の農機具メーカーから内定撤回を伝えられた。経営状況の悪化が理由だという。県立大は「1999年の開学以来、初の事態」と驚きを隠さない。学生には急きょ、新たな求人情報を提供している。
仙台市の私大も2人の男子学生が内定をほごにされた。1人は東北の娯楽施設運営会社から10月、業績予想の厳しさを理由に文書で通知された。
学生は「こんなことがあるのか」と打ちひしがれていたという。企業は「事業計画の見直しを迫られ、従業員の雇用確保も危ぶまれる」と説明、慰謝料の支払いを約束した。
11月に東京の大手IT企業から内定撤回を言い渡されたのは福島学院大短大部の2年生。「受注が減り、採用の余力がなくなった」という。同大で学生の内定が取り消されたのは、1997年に自主廃業した山一証券が1人の内定を解いて以来だという。
いわき明星大の男子学生も冠婚葬祭企業から内定の解除を告げられている。
厚労省は職業安定法に基づき、内定取り消しを禁じる指針を打ち出し「内定の時点で労働契約が成立したとみなされ、取り消しは解雇に当たる可能性がある」と警告している。 2008年11月29日土曜日 河北新報