司法修習生「貸与制」に移行の公算--およそ「改革」と名のつくものに、良くなったためしがない

2010-10-22 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴
〈来栖の独白〉
 一体、「司法制度改革」とは何か。司法制度のみならず、およそ「改革」と名のつくものに、改善とか便利になったという印象が、無い。むしろ、改悪された感を強く持つ。
 司法制度についてならば、裁判員制度、被害者参加制度、検察審査会そして修習生貸与制と、私には改悪としか映らない。こんな改悪などに手を出さず、検察の裏金や「官僚司法」といわれる組織にメスを入れたらどうか。それが改革ではないのか。小沢さんの言うように、検事総長を民間人から登用すれば、一挙に改革できる。いじらないでいい所はいじるな、と言いたい。
 話は変わって、瑣末なことだが、gooの一連の「改革」にも弱った。メールは、使う気がしなくなった。ブログ編集も、「新しいバージョンに替えて従来(旧)のバージョンは閉鎖する」というおしらせに伴い、多くのユーザーから「旧バージョンも残して」とのコメントが相次いだためか、とりあえず「旧」バージョンが健在だ。が、明日は分からない。
 HPに取り付けているアクセス解析も、今夏だったか「旧」が廃棄され、「新」となった。仕方なく移行の措置を講じたが、旧いほうが便利だったような気がしてならない。
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自民、修習生給費制に反対 貸与制に移行の公算
産経新聞 10月22日(金)10時57分配信
 自民党法務部会は22日、司法修習生に国が給与を支払う「給費制」から返済義務がある「貸与制」に切り替わる改正裁判所法の11月1日の施行を延期させる見直しについて「司法制度改革に逆行することはすべきではない」として、貸与制を実施する方針で一致した。委員会審議を省略して本会議に委員長提案するには全会一致が必要なため、貸与制移行の公算が大きくなった。
 部会では「一律で給費するのには国民の抵抗が強い」「貸与制の中で返済を免除する方策を取るべきだ」と、給費制の維持に反対する意見が相次ぎ、平沢勝栄部会長が「返済が困難な修習生への対応も含めて施行後に検討する」と結論づけた。
 給費制の廃止は司法制度改革の一環として平成16年に民主、自民、公明などの賛成多数で可決。だが、日弁連などが反対し、今年11月まで実施が延長された。民主党は9月の法務部門会議で給費制維持の方針を確認したが、党内合意には至っていない。
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◆若手の弁護士の多くが借金をしている
中日新聞を読んで「修習生の借金」後藤昌弘(弁護士) 2010/05/09 Sun.
 4月23日の夕刊に、宇都宮健児新日弁連会長のインタビュー記事が掲載されていた。その中に、「全国を回って一番驚いたのは若手の弁護士の多くが借金をしていること」との一文があった。
 ロースクールの学費が高くて奨学金を借りる人が多く、1千万円を超える借金のある人もいたという。
 実は、この話は特殊な話ではない。
 先日修習生の激励会でも、同じ話を聞いた。苦学して合格した修習生が、奨学金で、今600万円の借金があるというのである。
 新司法試験を受験するには、大学を卒業した後に法科大学院、いわゆるロースクールを卒業しなければならない。法学部卒業生でも大学4年間に加えて2年間、他学部生の場合は3年間ロースクールに通うことになる。
 しかも、ロースクールは多忙で、アルバイトをする暇はない。必然的に貧しい家庭の学生は奨学金に頼るしかないが、その奨学金が累計で600万円だとか1千万円だというのである。
 とはいえ、今の修習生はまだましである。現在の修習生には給与が支給されるからである。
 しかし、今年11月からは、修習生の給与が貸与制となり、修習生の借金は更に増えることになる。
 このままでは、貧しい家庭の子弟は法曹の道を断念せざるを得なくなるだろう(少なくとも当時の私の家庭状況では無理だったと思う)。
 修習生は法曹の卵であり、いずれ人を裁いたり人の財産や生命までも左右する職に就くことになる。
 そうした立場の者が、恵まれた家庭の子弟ばかりで構成されて良いのか、疑問無しとしない。
 貧しさ故に犯罪に手を染めた被告人に対して「パンがなければ菓子を食べたらよいのに」--
 そんな台詞を口にするような裁判官には、私は裁かれたいとは思わない。

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