『純情きらり』と、鈍い私

2006-09-13 | 日録

 NHKの『純情きらり』を見ていて、鬱々として気分が塞がっている自分に気づいた。いつの頃からか、バッハが弾けなくなっている。快いと感じられない。バッハだけは、つねに変わらず私の慰めだったけれど、弾きたくなくなっている。

 私には、桜子のようにスコアを離れて、即興では絶対に弾けない。それがわかっているから、『純情きらり』を見ると、気が重くなるのだ。鈍い鈍い私。耳で聴いた曲を、それが未知の曲であっても即座に弾いてみせる人がいる。映画『海の上のピアニスト』の99もそうだったけれど、才能というものだろうなぁ。凡庸とまでもゆかぬ、鈍い私。明日、レッスンがあるけれど、バッハはお断りした。レッスンそのものを、休みたいくらいだ。

 この前実家に帰ったとき、遂に一度もピアノの蓋を開けなかった。大抵は、母が施設に入ってからは普段弾く人がいないから(音が出す機会がないから)ピアノが可哀想と思い、私は帰省のたびに2Fに上がり、みっちり弾く。なのに今回は、窓の開閉に傍を通りながらも、ピアノの蓋を開けることをしなかった。よほど心が固くなっている。

 いや、ピアノだけではない。ミサのオルガンも、然りである。日曜が苦痛ですらある。朝5時過ぎに起きて、教会へ行くのも億劫だ。心が塞がって、体の何処が悪いわけでもないのに、疲労感ばかりが強い。

 何事にも意欲が湧かない。同人誌は、とても間に合いそうにないので、9月締め切りは見送った。どう七転八倒しても書けぬ。12月末に間に合えばいいが、中途半端はしたくない。どうも、なにもかもだめだ。


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