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【ムネオ日記】2010年9月8日(水)鈴木宗男
提供:ムネオ日記
2010年09月08日21時22分
最高裁第一小法廷から11時半、「上告を棄却する」という特別送達が自宅に届いたと家内から連絡が入る。
昨夜から今朝にかけて、マスコミ関係者から最高裁が特別送達を出したという話があったので、心の準備はできていた。最高裁の理由は、職務権限にだけ触れて、政治資金規正法違反、議院証言法違反については何も触れていない。
検察が善良な市民を密室で誘導し、でっち上げの調書を作り、その調書を持って判決を下す裁判所が、真に公正公平で、真実を明らかにする司法としての責任を果たしているのかどうか、疑問である。いや、果たしていないと言った方が正しいだろう。公判で「賄賂はもらっていません」と言うと、判決文では「反省の情皆無」と一方的に断じる裁判所も、官僚化しているのである。
読者の皆さんに、やまりん事件の山田哲社長が東京高等裁判所に出した陳述書の一部を紹介したい。
私を取り調べた吉田正喜検事(以下、吉田検事といいます)から「業者が政治家にお金を渡すのは『お礼』か『お願い』しかない」とこまごまと説明され、「どちらなのだ」と言われて、この件は「お礼」という趣旨では通らないと思い、「お願い」としてしまったのです。
やまりん関係者一同の気持ちは、官房副長官就任のお祝いであり、だからこそ、官房副長官室で堂々と祝儀袋を机の上に並べたのであり、賄賂だと思っていたとすれば、人の出入りのあった官房副長官室でそのようなことをすることにはならないと思います。
(中略)
平成15年に裁判所で証言する前に、証人尋問の4日前から毎日東京地検に出向いて尋問のリハーサルを行いましたが、その際、吉田検事から不正な行為の働きかけをお願いした旨の答えが予め書き込まれた尋問事項書を渡され、答えに間違いはないか何度も念を押されたからです。
なお、用意された尋問事項書は、リハーサルの終了時に、返すように言われ、私の手元には存在しません。
また、島田建設事件では、島田社長が検察のプレッシャーから、公判に証人として出た翌日、脳梗塞で倒れられ、話もできない状態になった。その島田社長が奥さんに話していたことについて、奥さんは陳述書を作ってくれた。一部紹介したい。
夫の話では、検察官はあらかじめ文章を作っていて、その表現内容が夫の認識と違うと言っても受付けてくれず、どのように対応をしたらよいか困っているということでした。
(中略)
夫は、納得のいく形での調書を作ってもらえず、そのあげく、鈴木宗男代議士は逮捕され、また島田建設も賄賂行為をした企業とされて9ヶ月の指名停止の処分を受けてしまいました。
(中略)
俺が検事の言うままにサインしたのが悪かったのかな、申し訳ないことをしたな、などため息混じりに愚痴っていました。
検察、裁判所が、私が賄賂をもらったと判決しようが、届けた側が明確に否定していることこそが真実ではないか。官僚化し、小さな出世欲にとらわれ、自分のことしか考えない一部青年将校化した検察官、また自分の出世しか頭にない心ない裁判官がいることに、「本当に日本は民主主義国家なのか」と、自問自答するものである。
弁護士は異議申し立てを10日にするというので、今後のことは弁護士に任せたい。
私は淡々と、与えられた立場で最後の最後まで仕事をしていく。有難いことに、事務所には非難や批判の電話、FAXはなく、激励の電話、FAXがいっぱいくる。
8年前と風向きは間違いなく変わっていると実感しながら、声なき声に耳を傾け、絶えず後ろを見ながら、弱い人のために政治があることをいかなる立場でも訴えていきたい。
「心友」松山千春さんは、報道機関に次の様なコメントを出してくれる。
報道各位様
今回の鈴木宗男さんに対する最高裁の判決に関しては、大変残念に思います。
「真実」というのは、なかなか裁判では明らかにならないんだなぁと感じました。
宗男さんは収監ということになりますが、ガンの再発など無いように健康に気をつけて頂きたいと思います。
また家族や事務所のスタッフなど周りにいる人たちも心配です。自分にとって宗男さんという人は、自分がどんなに傷ついたとしても守りたいと思う人ですので、出来る限りのことをさせて頂こうと思っています。
自分はこれからも鈴木宗男さんを信頼し、支持していきます。
国政選挙ではありませんが、次の総理大臣が決まる選挙をやっているこの時期に判決が出るのが不可解であると同時に、あらためて、この判決には権力側からのメッセージ性を感じましたし、怖いなぁと感じました。
次の総理大臣はどのかたになるのか判りませんが、権力を持つことがどういうことかを正しく理解して頂けるかたに総理大臣になって頂きたいと思います。
権力は本来国民の正義の中にあるはず。だからこそ裁判員制度もでき、国民も参加しているのですから。国民の方も関心をもってどこに正義があるのか、また「真実」を見抜く、何事にも左右されない、正しい力を持って頂きたいなと感じました。
これからも変わらず音楽活動などを淡々とこなしていきますが、フォークシンガーとして、もっともっといいものを作って、皆さんに訴えていきたいと思います。
ますます燃えてきました。
松山千春
「困った時の友人こそ真の友人」。千春は別格だと手を合わせるのみである。
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◆鈴木宗男議員上告棄却/小沢一郎氏/石川知裕議員/安田好弘弁護士
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◆鈴木宗男に訊く~検察VS小沢―国民不在の権力ゲーム2010年01月26日
Infoseek 内憂外患編集部
1月18日に実施した「『新撰組』化する警察&検察&官僚がニッポンを滅ぼす!」の生中継配信には、多くの方にご参加頂いた。ここでも話題となった、検察VS小沢の問題。
鈴木宗男(新党大地代表、衆議院外務委員長)は、これについて語る際、必ず「一般市民も検察のシナリオに流されて、冤罪となる危険がある」と警鐘を鳴らす。この点について、Infoseek 内憂外患編集部は直接鈴木氏に話を聞いた。
・“ストーリー”を作って誘導するんだ! だから冤罪が起きる
――8年前にご自身も検察の聴取を受けられましたが、それを踏まえて「検察のリークではないか?」と感じられたことについて教えてください。
私が拘置所にいたとき、夜7時に昼の12時の、昼の12時に朝7時のNHKラジオニュースが流れていました。そのとき「鈴木宗男が自供を始めた」と言うんです。
もちろん私はしゃべってないし、外部との接触だってできないんですよ? うちの弁護士だって言っていないことですよ。これは明らかにもう一方の検察が流した情報だ、と思いましたね。意図的な世論誘導のためにね。
検察はストーリーを作って世論誘導するんですよ。誤導するんですね。たとえば、去年3月に大久保秘書が逮捕され、「大久保が自供した!」という天下の大誤報をNHKが流しましたね。あのときだって、小沢一郎さんが胆沢ダムで口利きした、あっせん利得罪に問われる、といわれたけれど結局はなかった。
私の件でいくと、「宗男ハウス」といわれた三井物産のディーゼル発電の件や、アフリカのODAの件だってそうだ。それで捕まる、といわれたけれどそれで裁判していませんよ。全部検察によるリーク情報ですよ。外務省なり検察のね。
ただ、世の中一般の人は「こいつは悪いやつ。なんで早く捕まえないんだ」という風潮になった。すると、検察はなんでもやれるようになるんですね。
特に4億円はものすごい額だ。「ふざけんな」となる。大卒で3億、高卒で1億8000万が生涯給与。今日の経済状況を見ると、世論は「この小沢一郎め!」と思う。だから「あいつをこらしめてやれ」という世論にプレイアップさせる。すると、検察はなんだってできるようになる。これが怖いのです。検察がリークしたからその気になったんでしょ? ということですよ。でも、これを“ひとごと”と思わないでほしいと思いますね。狙われたら終わりですよ。
ただ、少なくとも今回の一件では、国民も「検察のやり方はおかしいぞ」という意識を持つ人も多くなっている。なので、わたしも訴えていかないといけないと考えている。
・検察の取調べを全面的に可視化せよ
――では、検察はどうあるべきなのでしょうか?
可視化は被疑者だけでなく、参考人・証人など、調書として採用される人の分も対象です。調書主義である日本では、絶対に被疑者も参考人も可視化すべきだ、と私は言ってるんです。私なんかも調書主義でやられた。
でも情けないのは、私の場合は領収書を切った400万円で捕まったということなんですよ。それでも逮捕できた、ということは怖いですね。あの時は「鈴木宗男は悪代官だ。捕まえろ」となったんですからね。でもいまどこかのメディアがその指摘をしてますか? してませんよ。
私の場合は、ちょうど小泉政治になって、白か黒かかちっと分ける時代でした。日本は一国家、一言語、一国民なんですよ。だから、「流されやすい」わけです。フラフープにしてもダッコちゃんにしても、消費税反対にしても、そうだ。小泉改革のころは、やれライオンヘアーだ、(髪の)毛のない鈴木はダメだってね(笑)。
将来総理大臣になってほしい人で80%の支持を得た「田中真紀子という“善”と、鈴木宗男という“悪”」があったから、検察も世論誘導したかったのだと思う。
たとえば、私が田中真紀子さんに質問をしたとき、事務所のFAXはずっと回りっぱなしでしたよ。電話も鳴り止まない状態だった。質問の中身でなく、「なんで真紀子に質問するんだ」という内容でしたね。田中真紀子さんはそのころ最も人気だった。しかしいま出てくるか? どこにも出てきませんよ。国民は政治家のレベルを分かるようになってきている。
いまの検察もそうだ。リークしてね。メディアもそう。メディアは反権力というけど、情報がなければ商売にならない。小泉のときは飯島秘書官がそれを利用して、“御用”識者を多くメディアに出したわけですよ。批判的なものを外に出してね。
メディアの人間は、遠ざけられたくないわけですね。特だねの反対である特オチをしたくないし、特オチしたら出世にも影響する。だからひれ伏すしかないんですよ。検察もそれを知っているんだ。国民の知る権利のために頑張っているメディアなのに、検察に都合の悪いことを書いたメディアを検察への出入り禁止にしてしまう。これだけでも封建的だし、こんなことをするだけでも官僚の思い上がりだと思いますよ。
しかし、検察担当者記者はひれ伏してしまう。リークを大きく取り上げたところにまた大きなリークをする。いろんな事案を見ても分かるように、使い分けしてリークしているのが良く分かる。時間差で分かるようになっているが、非常に卑怯だと思いますね。これは公平公正でない。
開かれた日本社会において、検察だけが、記者会見でTVカメラを入れなかったり、質問を受け付けない、というのはきわめて閉鎖的ですね。思い上がったやり方だと思います。国民は知る権利があるし、メディアは情報開示ができるよう頑張っている。これを踏みにじるような行為をする検察が公正な正義の味方か……、私は疑念に思います。
・メディアへの接触が唯一の国民について
公務員がリークするのは国家公務員法違反ですよ。特に新聞は、「」(かぎかっこ)で石川議員の発言を記載している。関係者というのは石川議員か検察しかないわけですよ。本人に聞いたら「絶対にやってない」といってるし、「水谷建設にあったこともない」と言っている。本人は参っていましたよ。
検察側から出ている、ということですね。水谷側から調書をとっているからいまの報道になっている。でも、水谷側が正しいとは限らないじゃないですか。これはおかしいじゃないですか。
そもそも、やっぱり法務大臣がしっかりしないといけない。派閥の長なり、党内今後の国家を担う人でないといけないですね。千葉さんが陳腐だと思うのは、参院で可視化法案を2度も通した。「可視化すれ[しろ]」という法案ですよ。なのに、いまさら「勉強会」をしている。国会で通したのはなんだったのか? ということだ。2回も採決して、1年も勉強するとは、何をやってたんだ!? といいたいですね。
法務大臣は「政治家として先はない」という人を指名してはいけないんだ。こんなだから、検察の人間が暴走して青年将校化するわけですよ。法務大臣は今回については、リークがあったことは確かなのだから、処分すべきだと思う。
検察は副部長、主任検事しか記者は当たれない(質問できない)。取調べをしている検事にあたるのはルール違反だんだから。調べればすぐに分かることなのに。
10日間の拘留はきまっているが、憲法50条の権利を行使して保釈請求すべきだと思っています。今民主党ではそれを検討しているようだ。これはいいことですね。
・国家公務員の情報リークは罪になるか
「徴税虎の巻事件」で秘密の定義がなされていたが、私は少なくとも「捜査に関すること」はもらしてはいけない、と思います。起訴されていないんだから。逮捕前、逮捕から起訴までの取調べ情報は絶対漏らすべきでない。一人歩きしてしまいますからね。ましてや正しいものでなければフェアじゃない。
国家公務員法に違反していることは明らかだ。誰にも知りえない情報なんですからね。それを許している法務大臣や副大臣はどういうことか、ということですよ。「生活者第一」というならば、いまの状態はそれができていないと思う。
・今回の役者は「小沢が悪で正義は検察権力」
このまま政権が安定したら官僚組織が壊滅される。いま、鳩山首相の子ども手当てから始まって、政権はグラついている。ここは小沢問題をやることで、政権をつぶして官僚組織は守ることができる、という間違った意識ですね。特捜はエリート意識が強い。そこが怖い。
そもそも特捜は昭和22年の闇物資(隠匿物資)を調べるとこが仕事だった。それが脈々と続いて巨悪を断つ、というイメージになった。しかし、調査費の裏金を明らかにしたのか? という話だ。
・最近の政治家は“基礎体力”が足りない!
今回の小沢問題について、首相らは指揮権発動についていらんことを言った。法律で定められた権利なのだから、使うときは使えばいいんですよ。これは政治家の“基礎体力”の問題です。
民主党政権になって、勉強して偏差値は高くなった。しかし、政治家というのは勉強した政治家はいらないんですよ。人様に名前を書いてもらうなら、人様の心をがっちり捕まえるような人間にならないといけない。政治家の基礎体力をつけるために地頭を鍛えないといけないわけです。
私はそこに政治家の価値があると思っている。自己保身ではならない。政治家が勇気や誇りを失ってしまったらやめてほしいですね。最近はその気概が足りないです。自分たちに累が及ばないように、と思うのはダメですよ。
コメント、心より嬉しく、感謝します。お返事が少し遅くなってしまいました。
>地盤、看板、かばんを与えられた方々で
本当にそうですね。そういう人ばかり・・・。
議員も、それから司法も、利用することしか考えていませんね。浅ましい姿です。
本日エントリした記事、町村さん選挙区のことも、ちょっと触れています。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/2c5a861be0fc6e69ff265b5ef5271137
それを裏付けるように最高裁判所が9月8日、鈴木宗男氏に「上告棄却」を言い渡した。民主党代表戦挙の1週間前、北海道5区補欠選挙の1ヵ月半前である。多くの人が言うように一つは小沢氏を不利にする効果があり、もう一つは自民党の町村信孝氏を有利にする効果がある。最高裁の判決は二つの政治的効果を狙ったと疑われても仕方がない。疑われたくなければ10月末に判決を出しても良かったのではないか。
北海道5区の補欠選挙への鈴木氏の影響力は大きいと言われる。自民党最大派閥の領袖が民主新人に敗れるような事になれば町村派は消滅する。官僚にとって都合の良い自民党が痛手を受ける。だからその前に判決を出した。