木曽川・長良川リンチ殺人事件 3死刑囚、再審請求へ/法務省、死刑囚撮影で「フライデー」編集部に抗議

2011-05-30 | 死刑/重刑/生命犯

連続リンチ殺人3死刑囚、再審請求へ 木曽川事件、焦点に
2011年5月29日 09時26分
 愛知、岐阜、大阪の3府県で1994年、11日間に男性4人が殺害された連続リンチ殺人事件で、強盗殺人罪などに問われ、死刑が確定した元少年3人の弁護人が28日、再審請求する方針を明らかにした。
 3人は、リーダー格で愛知県一宮市生まれの死刑囚(36)と大阪府松原市生まれの死刑囚(35)、大阪市西成区生まれの死刑囚(35)。
 3人の弁護人は28日、東京都新宿区で開かれた市民団体の集会で、互いに虚勢を張りながら暴行をエスカレートさせた少年事件の特質に触れなかった3月の最高裁判決などに疑問を述べ、いずれの死刑囚も再審を望んでいると説明した。
 3人のうち、大阪市生まれの元少年は死刑確定後、本紙との面会で被害者遺族の感情にも触れ「(再審請求について)迷っています」と話していた。
 請求の具体的な時期と内容は今後検討する。連続リンチ事件を構成する3事件のうち建設作業員に暴行、瀕死(ひんし)の状態で河川敷に放置し、殺害した木曽川事件について、2001年の一審名古屋地裁が傷害致死罪にとどまるとした。一方、05年の二審名古屋高裁が死因との因果関係を認め殺人罪が成立するとし、判断が分かれたことなどが焦点となりそうだ。
 一審は、死刑判決を受けたリーダー格の元少年以外に「追従的立場だった」と無期懲役を言い渡したが、二審は「被告間の役割に差異はない」として一審を破棄し、3人全員を死刑とした。3月10日に最高裁が3人の上告を棄却し、少年事件では初めて一度に複数の死刑が確定した。(中日新聞)
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法務省がフライデーに抗議 死刑囚撮影「誠に遺憾」
 法務省は30日、写真週刊誌「フライデー」(講談社)が名古屋拘置所内で撮影した死刑囚の写真を掲載したことについて、「誠に遺憾」とする抗議文を同誌編集部宛てに送った。拘置所長も同日、面会者宛てに抗議文を送った。
 フライデー編集部は「抗議文が届いていないのでコメントできないが、意義があると思い掲載した」としている。
 同省によると、抗議文は、拘置所は撮影機器の持ち込みが禁止されており、写真掲載は遺憾などとする内容。
 江田五月法相は13日に「(拘置所側の態勢に)どういった不備があるか調査したい」と述べたが、法務省矯正局は現段階で「必要な調査はしたが、どのように撮影されたか不明」としている。
2011/05/30 19:59【共同通信】
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〈来栖の独白〉
 先週27日(Fri.)、K君と面会した。いつも落ち着いたK君であるので、一通りの「ご無沙汰でした」の挨拶。
 が、この日は珍しくK君のほうから、木曽川・長良川事件の死刑囚の写真が公開されたこと、それに伴う処遇の後退について、話しかけてきた。
「えっ、もう? ここ(岡山刑務所)もですか」(宥)
「いや、ここは、そうではないですが」(K)
「ああいうことがあると、処遇にひびくのでは、と直ぐに心配しました。傍迷惑なはなしです」(宥)
 そういえば、岡山刑務所の門の傍の待合所に、新しい掲示物が貼られていた。ケータイ等「電子機器」は持ち込まないように、という注意書きである。従来、受付で「ケータイは?」との質問はあり、続けて「ケータイはロッカーに置いてください」と言われてはいた。
 週刊誌への死刑囚の写真掲載は、読者の卑しい興味(覗き見趣味)に応え、売り上げアップを図る以外のなにものでもないだろう。何の意義も認められない。
 これにより被収容者への処遇が険しいものになることは、容易に推測できる。出版社とジャーナリストの皆さんは、最も弱い立場に居る彼らに配慮して戴きたい。外の人との、小さな小さな窓、これすらも閉ざさせようとする行為だ。行刑に、処遇後退の格好の口実を与える。写真等の露出は何の正義も意義も無いことを素直に認め、やめて戴きたい。
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木曽川・長良川リンチ殺人事件 週刊誌の写真掲載「驚いたが、記事に悪意を感じない」=死刑囚2011-05-13 死刑/重刑/生命犯 問題
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