政界有数の資産家鳩山首相=虚偽記載、改めて陳謝. 小沢幹事長の党内掌握=集中的に資金投入

2009-10-01 | 政治

虚偽記載、改めて陳謝=鳩山首相
時事通信2009年10月1日(木)20:03
 鳩山由紀夫首相は1日夕、自身が代表を務める資金管理団体の2008年の収支報告書で、献金者55人分が虚偽記載だったことについて「55人という大変多くの方々にご迷惑をお掛けしたことを改めておわびする」と陳謝した。首相官邸で記者団に語った。
 首相関連の政治団体が北海道室蘭市内にある首相の母所有のビルを格安で借りていたとする一部報道に関しては「適正な賃料だと思い借りている」と述べ、問題はないとの考えを強調した。
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鳩山首相関連団体、ビル格安入居 母親所有、月10万円
朝日新聞2009年10月1日朝刊(一面トップ)
 鳩山由紀夫首相の関連政治団体が、首相の母の鳩山安子さん(87)が所有する北海道室蘭市内のビル1棟を、相場の5分の1以下となる月10万円の賃料で借りていたことが分かった。朝日新聞の取材では、相場との差額は少なくとも年間約600万円に上る。差額は寄付として政治資金収支報告書に記載する必要があるが、同団体は9月30日までに公表された08年分の報告書に記載していない。
 ビルは、首相の政策秘書が代表を務める政治団体「北海道友愛政経懇話会」が賃借している。08年までの3年間で安子さんから同会への寄付はないが、一つの政治団体に対する個人献金は年間150万円に限られており、差額の賃料はこの制限を超える。首相の政治活動を支援する母の政治献金の処理をめぐり、今後、波紋が広がりそうだ。
 朝日新聞の取材に、北海道友愛政経懇話会の会計責任者は「ビルや敷地全体をうちが使っており、賃料は月10万円を払っている。入居している政治団体は他にもあるが家賃を負担していない」としている。鳩山事務所は文書で「室蘭市の事務所については、すべて政治資金規正法にのっとった収支報告書の通りです。家賃は適正な価格と認識しており、ご指摘にはあたらないと考えます」と回答した。
 問題のビルは、94年に室蘭市内に新築された鉄筋コンクリート3階建て。20台分の駐車スペースを含む約1500平方メートルの土地に立ち、延べ床面積は計約880平方メートル。この土地、建物とも安子さん個人の所有となっている。
 このビルを借りている同懇話会では、会計責任者の私設秘書と職員2人が常勤。首相の地元選挙区における活動拠点となっている。首相が代表を務める政党支部「民主党北海道第9区総支部」もビル内に机があるが、拠点の事務所は苫小牧市にある。
 同懇話会によると、このビルの賃料は月10万円。だが、室蘭市内の四つの不動産業者によると、付近の貸事務所の賃料相場は坪約2千~5千円になるという。坪約2千円の試算では、ビルと駐車場を合わせて月約60万円、年間約720万円になり、実際の賃料との差額は約600万円に上った。
 政治資金規正法では、賃借料と相場価格との差は、「財産上の利益」を受けたとして寄付扱いになり、収支報告書への記載が定められている。
 一方、安子さんは、同懇話会以外の首相の資金管理団体など複数の団体に個人献金しており、08、07年は少なくともそれぞれに150万円、06年は計300万円。
 総務省政治資金課は「事務所の賃料が社会通念に照らし相場より安ければ、差額分を貸主からの寄付相当分として、収支報告書に記載する必要がある」としている。
 政治資金規正法に詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は、「母親からとはいえ周辺相場と比べて妥当な額を払うべきだ。不当に安ければ寄付とみなされる。なぜ安く済むのか、首相には説明責任がある」と話している。(釆沢嘉高、西川圭介、香川直樹)
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平成20年 政治資金報告書 鳩山首相→「未公表の献金」2669万円
10月1日7時56分配信 産経新聞
 鳩山由紀夫首相関連の政党支部や政治団体の収入は、虚偽記載が問題となった個人献金が3割超を占め、氏名などの公表義務がない「5万円以下」も多額に上ることが20年分の政治資金収支報告書で分かった。
 自民党出身の首相とは違って企業・団体献金がほとんどないのが特徴。しかし、関係の深い元職議員への援助など自民党の実力者のような「親分」的な面も見せる。
 故人や献金していない人の名前が記載されていたことが問題となった資金管理団体「友愛政経懇話会」は指摘を受け、当初4525万円としていた個人献金のうち407万円を削除。69人としていた献金者名も55人を削除、鳩山氏本人や親族ら14人に訂正した。
 友愛政経懇話会など4政治団体と政党支部の収入総額は1億4455万円。うち個人献金が4383万円で、氏名などを公表していない5万円以下の献金も2669万円に上る。
 最も多いのは事業収入の8085万円。うち1千万円を超えるパーティーは2件で計5896万円。昨年12月、都内と札幌市内のホテルで相次いで開催した。記載義務のある20万円超の券購入はなかった。わずか105万円だった企業・団体献金も公表義務のある5万円超はなかった。
 鳩山氏自身は政界有数の資産家で、18年の資産報告書によると、預貯金約12億8100万円を中心に総資産は16億円超。友愛政経懇話会にはそれから150万円が寄付されているほか、虚偽だったとして削除した17~20年の個人献金2178万円分を鳩山氏自身からの借入金に訂正。鳩山氏からの借入金は1億円を超えた。
 支出は2億75万円。人件費、事務所費とともに目立つのが落選した元職や新人候補らへの支援2500万円。14年の代表時代に幹事長、政調会長を務めた中野寛成、海江田万里、今回首相補佐官に起用した中山義活各氏ら郵政選挙で落選していた元職13人に、衆院解散が取りざたされ始めた昨年10月に50万~200万円を提供した。
 鳩山氏の秘書も務めた新人候補にも公認内定直後から3回にわたり計600万円を支援するなど「身内」への肩入れが目立つ。
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平成20年 政治資金報告書 小沢氏、カネで着々基盤固め
10月1日7時56分配信 産経新聞
 民主党の小沢一郎幹事長の党内掌握は、カネを通じても行われていた。平成18年の代表就任以降、系列議員や新人候補に集中的に資金を投入。小沢氏とともに「トロイカ体制」を組む当時の鳩山幹事長、菅直人代表代行(現国家戦略担当相)らにも手厚く配分、旧自由党の政治団体に自身を支持する民主党内グループ「一新会」を支援させるなどして基盤を固めている。総務省が30日公表した20年政治資金収支報告書(中央分)などからは“小沢支配”確立への道筋が浮かび上がる。(肩書は当時)
 ■鳩山・菅氏にも
 小沢氏は18年4月、メール問題で辞任した前原誠司前代表(現国交相)の後継に就任。就任以後、党本部から多額の資金を受けたのは、代表選で争ったものの、トロイカの一員となった菅氏で922万円。側近の山岡賢次、中井洽両氏にもそれぞれ162万円、170万円が供給された。
 資金の「傾斜配分」が強まったのは、参院選があった19年から。菅氏は計1億2394万円、鳩山氏は計9933万円をそれぞれ受領。両氏は衆院補選や参院選に出馬した系列候補の支援に充てた。一方、小沢氏に距離を置く岡田克也副代表(現外相)への支出は支部活動費などを除けば58万円だった。
 19年参院選での勝利前後からは、次の衆院選をにらみ自民党の大物に挑戦する候補者を中心に資金投入が開始された。
 ■大物食いに布石
 「ここを民主対自民の象徴区にする」。自民党の森喜朗元首相と戦う田中美絵子氏を公認する前の19年6月、石川2区に計4千万円を支給し、後に田中氏の猛追で話題となる“大物食い”への布石を打った。
 麻生太郎首相が早期の衆院解散・総選挙をちらつかせた20年秋、小沢氏は「臨戦態勢」を敷き、範囲を拡大。全国を回り一新会メンバーや、同会入りが期待される新人候補への資金投入を本格化した。
 衆院福岡7区に古賀誠自民党選対委員長の対抗馬として擁立した古賀氏の元秘書、野田国義氏には9月から12月までの間、計5千万円を、福岡2区で山崎拓元自民党副総裁と戦う稲富修二氏には10月、計2千万円を供与した。
 ■不可解な訂正
 これに先立つ20年3月、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の会計責任者、大久保隆規秘書(21年に西松建設巨額献金事件で起訴)は、18年に「一新会」に寄付した1702万円について報告書から削除。出所は小沢氏の関係政治団体で、小沢氏が率いた旧自由党の政治資金団体だった「改革国民会議」に変更された。
 小沢事務所は「寄付と同額を同会議から陸山会に補填(ほてん)してもらう予定だったが、複数団体経由の寄付は法の趣旨に沿わないと考え流れを明確にした」と説明する。
 西松建設事件では、同社の献金がダミーとされる政治団体名義で陸山会などに入ったことが発覚している。不可解な訂正に“陸山会隠し”の思惑があった可能性も否定できない。20年7月にはさらに同会議側から一新会に500万円が提供されている。
 ■潤沢な政治資金
 小沢氏自身の政治団体や関係政治団体の保有資産は、20年分も繰越金と不動産だけで計28億円を超え、相変わらずの富裕ぶりだ。
 19年分では30億円を超えていたものが若干目減りしたのは、陸山会が小沢氏が会長を務める「財団法人ジョン万次郎ホイットフィールド記念国際草の根交流センター」に1億1千万円の土地・建物を無償提供したためとみられる。
 改革国民会議の繰越金は10億5679万円、小沢氏が代表幹事を務めた旧新生党の政治団体だった「改革フォーラム21」の繰越金は6億9003万円に上り、両団体の代表にはともに小沢氏側近の平野貞夫元参院議員が就いている。
 ただ、小沢氏が19年7月の時点で「面倒だから処分する」と明言していた陸山会の不動産処理は進まず、都内の一等地などに計約9億円以上の不動産資産を保有したままだ。陸山会は20年中に、不動産を買うために小沢氏から借り入れたお金のうち455万円と、利子21万円も支払っている。 収支報告書によると、未処分の不動産の使途は小沢氏の秘書の住居や事務所とされている。


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