(時事通信社 - 09月18日 19:11)
1999年4月に起きた山口県光市の母子殺害事件で、殺人などの罪に問われ、最高裁が一、二審の無期懲役判決を破棄した当時18歳少年の被告(26)の差し戻し控訴審第8回公判が18日、広島高裁(楢崎康英裁判長)で開かれた。被告は供述変遷をめぐる被告人質問で「必ずしも(当初から起訴事実を)認めていたわけでない」と説明した。
被告は差し戻し控訴審で、殺意と乱暴目的を否定。弁護側は傷害致死罪の適用を求めている。
捜査段階の自白調書について、被告は「検察官から『死刑にならず生きて償ってほしい』と言われ、調書にサインした。人をあやめた負い目もあった」と話した。
逮捕直後は自殺したいという気持ちが強かったとし、一審広島地裁で無期懲役判決を受けた際は「こんな軽いものでいいのかと思った」とも明かした。
[時事通信社]
--------------------------------
関連:光市事件における最高裁弁護人弁論要旨【1】
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/column10-benron.htm
ここで特に指摘しなければならないことがある。
その第1は、検察官が被告人を最初に調べた際、つまり逮捕の翌日である4月19日、検察官が自殺しようとする被告人を叱りつけ、被告人をして
「自殺するのではなく、生きて、一生をかけて罪の償いを(する)」(乙15証)
と言わせていることである。これは、一見、罪とは何か、反省・悔悟とは何かを知る検察官の被告人に対する真摯な態度とも見受けられる。しかし、そのわずか5日後である4月24日に、前述のとおり、検察官の手によって、極悪非道という全く虚偽のストーリーが作られ、しかも、その8ヵ月後の12月には、この虚偽のストーリーに基づき、死刑が求刑されていることからすれば、上記の被告人を叱りつけ、同人をして
「自殺するのではなく、生きて、一生をかけて罪の償いを(する)」
との気持ちにさせているのは、同人に死刑は求刑されないと信じ込ませ、その隙を突いて虚偽のストーリーを作り上げるための巧妙なトリックというほかないのである。
この点について、被告人は、
「検察官は、生きて一生償いをしろと言っておいて、後に死ねという。これじゃあ、反省のしようが ないじゃないですか」
と言うのである。
---------------------------------
「光市最高裁判決と弁護人バッシング報道 安田好弘」http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/hikari2.htm
裁判から疎外された被告人
もう一つびっくりしたのは、命に対する感覚がものすごく稀薄というんでしょうか、死んでもいいという感じなわけです。生きたい、死がこわいという感覚がおよそない。それからもう一つは、自分が今どういう状況にあるかということについてほとんど無頓着といっていいような感じでした。
-----------------------------
(文字色の赤は来栖)