【野田小4虐待死、父親第2回公判詳報】「息子が虐待すると思わず」
2020.2.25 21:47|社会裁判 千葉・野田女児虐待死
千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が昨年1月、自宅で死亡した虐待事件で、傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判第2回公判が25日、千葉地裁(前田巌裁判長)であり、被告の妹と母親の証人尋問が行われた。供述調書と証言の主な内容は次の通り。
【沖縄から野田市へ】
妹 平成29年7月末、兄と心愛、次女が沖縄県から野田市に来て、9月下旬まで実家で同居した。9月初めの朝、心愛が腰のあざを見せ、「パパに蹴られた」と言っていた。兄は「やっていない」と否定し、心愛の寝相が悪いせいにしていた。
中旬ごろにも心愛が朝、泣いていたので事情を聴くと「パパに夜中に5時間立たされた」と言ったが、兄は否定していた。
兄は心愛と毎日一緒に風呂に入り、癖っ毛をホットアイロンで伸ばしたり、転校先の小学校で心愛がする挨拶を考えてあげたりすることもあった。
【一時保護】
母 心愛ちゃんが同11月7日、県柏児童相談所に一時保護されたと聞いてびっくりした。まさか自分の息子が虐待するなんて考えられなかった。勇一郎は「児相職員から犯人扱いされる」「心愛を怒ったことはあるが、殴りはしていない」と話していた。
【再び実家へ】
妹 30年9月2日、心愛が「自宅アパートに戻りたくない」と泣いていると母から聞き、実家でしばらく預かることになった。心愛の首は白く粉が吹いたようになっており、顔に2カ所、腰とお尻に1カ所ずつあざがあった。髪の毛も頭頂部とこめかみの部分が抜けていた。心愛は髪の毛については「パパに引っ張られた」と話したが、あざについては言わなかった。
これまで食が細かった心愛が、むさぼるように食べるようになった。「夏休み、アパートで2日間ママがご飯を作ってくれなかった。ここではたくさん食べないと、痩せちゃって心配かけるから」と言っていた。
【被告について】
妹 兄は不器用で真面目。自分より地位の高い人には良い態度で接するが、低い人にはそうではない。
【心愛さんについて】
母 心愛ちゃんもかわいいが、それ以上に勇一郎が大切でかわいかった。もしかしたら虐待ではないかもという甘い認識があった。心愛ちゃんに謝っても謝りきれない。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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* 【野田小4虐待死、父親初公判詳報】(4)頭頂部の毛が薄く…「認めたくない気持ち半分、通報に抵抗が半分」 2020.2.21
* 【野田小4虐待死、父親初公判詳報】(3)「しつけ、教育のためだった」弁護人が主張 2020.2.21
* 【野田小4虐待死、父親初公判詳報】(2)検察側「いかにひどくむごいか、おのずと明らかになる」 2020.2.21
* 【野田小4虐待死、父親初公判詳報】(1)「しつけ超えていた」涙声で謝罪も…罪状の事実関係は細かく認否 栗原勇一郎被告 2020.2.21
* 栗原心愛さん虐待事件 初公判 2020.2.21 父親勇一郎被告 虐待一部否認 (判決⇒2020.3.19)
* 野田小4虐待死1年 心愛さん、届かなかった「自分への手紙」 2020.2.24
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