広島少年院暴行:被告側が無罪主張 地裁初公判
広島少年院(東広島市)の収容少年に暴行したとして特別公務員暴行陵虐罪に問われた、同少年院元首席専門官、向井義(ただし)被告(48)=奈良市、起訴休職中=の初公判が28日、広島地裁であった。弁護人は「矯正教育であり、正当な行為だ」と、無罪を主張した。
起訴状によると、向井被告は首席専門官だった05年9月16日、広島少年院体育館で、当時16歳の少年の首をシーツで絞めたりしたほか、「少年院に26歳までいさせる」と脅した▽洗剤をビニール袋に入れ、塩素ガスのような気体を発生させ、袋を顔に押し当て「これを吸ったら死ねる」と言った--とされる。
検察は冒頭陳述で、一連の事件で起訴された4人の元教官は「向井被告のまねをした」と述べており、向井被告の行為が周囲に大きな影響を与えたと指摘した。
これに対し向井被告は「首を絞めたり、ガスを発生させたりしていない」と起訴状の内容を一部否認。また、「『殺す』『死ぬ』という言葉がどれだけ不安感を与えるかを(少年に)理解させ、非行を予防するため」の教育や指導の目的だったと主張した。【寺岡俊】毎日新聞2009年10月28日)
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広島少年院暴行:元教官に懲役2年を求刑--地裁公判 /広島
広島少年院(佐藤公昭院長)で法務教官が収容少年に暴行を繰り返していたとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われている元教官(懲戒免職)、菅原陽(あきら)被告(27)の公判が26日、広島地裁であった。検察は「無抵抗の少年らに対し、人格を傷付け、多大な精神的苦痛を与えた」として懲役2年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は12月17日。
検察は論告求刑で「法務教官という強い立場を利用した常習的犯行」と指摘。「少年院に暴行を容認、黙認する空気は認められるが、菅原被告自身にその雰囲気を助長する役割もあった」と述べた。
弁護側は「菅原被告が広島少年院に採用された07年には教官らが少年に暴行を行っていた」と指摘。「暴行は規律違反をきっかけとするもので、虐待心はなかった」と主張した。【寺岡俊】毎日新聞 2009年10月27日 地方版
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広島少年院暴行:千葉法相が視察 改善状況確認に /広島
千葉景子法相は21日、元首席専門官や法務教官らが収容少年に対し暴行を繰り返していたとされる広島少年院=東広島市=を視察した。視察後、会見した千葉法相は「暴行は遺憾な事態。不祥事の後、どのような改善状況にあるか実状を見たかった」と視察の目的を話した。就任後、法相が一連の事件についてコメントするのは初めて。
千葉法相は同日正午ごろ、広島少年院に到着した。佐藤公昭院長が一連の事件について謝罪した。その後、佐藤院長らの案内で院内を視察。暴行があったとされる現場や、実習や学習に励む少年を見て回った。少年には「一生懸命、頑張るように」などと声をかけたという。
千葉法相は「暴行陵虐はあってはならないことで、許すわけにはいかない。今回の視察や行政調査の報告を受け、改善策を考えていきたい」と話した。【寺岡俊】毎日新聞2009年10月22日 地方版
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広島少年院暴行:元教官に実刑判決 「信頼失墜させた」--地裁
広島少年院(佐藤公昭院長)で収容少年に暴行を繰り返したとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元法務教官(懲戒免職)、田原克剛(かつのり)被告(43)の判決公判が19日、広島地裁であった。伊名波宏仁裁判長は「矯正教育への国民の信頼を失墜させた」として懲役9月(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。一連の事件で、起訴された5被告のうち初めての判決となった。
判決によると、田原被告は08年3月~09年2月、同少年院の寮で「これを飲んで死ね」と少年(当時16歳)の口に洗剤の容器を押し付けるなどした。公判で被告は「厳しく指導しないと、少年院の規律を守れないと思った」などと述べていた。
判決で伊名波裁判長は「規律維持がいかに困難であっても、暴力を用いた指導は許されない」と断じた。【寺岡俊】毎日新聞2009年10月19日 大阪夕刊
広島少年院(東広島市)の収容少年に暴行したとして特別公務員暴行陵虐罪に問われた、同少年院元首席専門官、向井義(ただし)被告(48)=奈良市、起訴休職中=の初公判が28日、広島地裁であった。弁護人は「矯正教育であり、正当な行為だ」と、無罪を主張した。
起訴状によると、向井被告は首席専門官だった05年9月16日、広島少年院体育館で、当時16歳の少年の首をシーツで絞めたりしたほか、「少年院に26歳までいさせる」と脅した▽洗剤をビニール袋に入れ、塩素ガスのような気体を発生させ、袋を顔に押し当て「これを吸ったら死ねる」と言った--とされる。
検察は冒頭陳述で、一連の事件で起訴された4人の元教官は「向井被告のまねをした」と述べており、向井被告の行為が周囲に大きな影響を与えたと指摘した。
これに対し向井被告は「首を絞めたり、ガスを発生させたりしていない」と起訴状の内容を一部否認。また、「『殺す』『死ぬ』という言葉がどれだけ不安感を与えるかを(少年に)理解させ、非行を予防するため」の教育や指導の目的だったと主張した。【寺岡俊】毎日新聞2009年10月28日)
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広島少年院暴行:元教官に懲役2年を求刑--地裁公判 /広島
広島少年院(佐藤公昭院長)で法務教官が収容少年に暴行を繰り返していたとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われている元教官(懲戒免職)、菅原陽(あきら)被告(27)の公判が26日、広島地裁であった。検察は「無抵抗の少年らに対し、人格を傷付け、多大な精神的苦痛を与えた」として懲役2年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は12月17日。
検察は論告求刑で「法務教官という強い立場を利用した常習的犯行」と指摘。「少年院に暴行を容認、黙認する空気は認められるが、菅原被告自身にその雰囲気を助長する役割もあった」と述べた。
弁護側は「菅原被告が広島少年院に採用された07年には教官らが少年に暴行を行っていた」と指摘。「暴行は規律違反をきっかけとするもので、虐待心はなかった」と主張した。【寺岡俊】毎日新聞 2009年10月27日 地方版
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広島少年院暴行:千葉法相が視察 改善状況確認に /広島
千葉景子法相は21日、元首席専門官や法務教官らが収容少年に対し暴行を繰り返していたとされる広島少年院=東広島市=を視察した。視察後、会見した千葉法相は「暴行は遺憾な事態。不祥事の後、どのような改善状況にあるか実状を見たかった」と視察の目的を話した。就任後、法相が一連の事件についてコメントするのは初めて。
千葉法相は同日正午ごろ、広島少年院に到着した。佐藤公昭院長が一連の事件について謝罪した。その後、佐藤院長らの案内で院内を視察。暴行があったとされる現場や、実習や学習に励む少年を見て回った。少年には「一生懸命、頑張るように」などと声をかけたという。
千葉法相は「暴行陵虐はあってはならないことで、許すわけにはいかない。今回の視察や行政調査の報告を受け、改善策を考えていきたい」と話した。【寺岡俊】毎日新聞2009年10月22日 地方版
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広島少年院暴行:元教官に実刑判決 「信頼失墜させた」--地裁
広島少年院(佐藤公昭院長)で収容少年に暴行を繰り返したとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元法務教官(懲戒免職)、田原克剛(かつのり)被告(43)の判決公判が19日、広島地裁であった。伊名波宏仁裁判長は「矯正教育への国民の信頼を失墜させた」として懲役9月(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。一連の事件で、起訴された5被告のうち初めての判決となった。
判決によると、田原被告は08年3月~09年2月、同少年院の寮で「これを飲んで死ね」と少年(当時16歳)の口に洗剤の容器を押し付けるなどした。公判で被告は「厳しく指導しないと、少年院の規律を守れないと思った」などと述べていた。
判決で伊名波裁判長は「規律維持がいかに困難であっても、暴力を用いた指導は許されない」と断じた。【寺岡俊】毎日新聞2009年10月19日 大阪夕刊