<尖閣>危機に自衛隊が出動できない/南沙諸島:中国の基地化進む~尖閣でも起こり得る事態 

2012-09-19 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

尖閣死守へ自衛隊“最強部隊”が待機!その驚くべき能力
zakzak2012.09.19
 沖縄県・尖閣諸島の周辺海域で緊張状態が続いている。中国の漁業監視船「漁政」や、海洋監視船「海監」が18日、日本の接続水域に入り、うち「海監」3隻が日本領海に侵入したが、19日も中国漁船の大量襲来が懸念されている。こうしたなか、中国漁船が尖閣諸島に強行上陸して、漁民らが居座り、中国側が実効支配するという事態を阻止するため、海上保安庁だけでなく、自衛隊の最強部隊もひそかに待機していることが分かった。
 「中国メディアは『漁船1000隻が尖閣に向かう』と報じていたが、私の中国の情報源は『(尖閣に行くとすれば)浙江省と福建省から100隻、香港から100隻だろう』と分析していた。海保も自衛隊も警戒態勢を敷いているのは間違いない」
 領土問題を徹底取材しているフォトジャーナリストの山本皓一氏は19日朝、尖閣に近い石垣島に向かう直前、那覇市内でこう語った。
 通常、沖縄近海の太平洋や東シナ海を管轄する第11管区海上保安本部には20隻程度の船艇が配備されている。今回、中国漁船や中国公船の領海侵犯や尖閣上陸を阻止するため、全国の海上保安本部からの応援を得て約50隻の巡視船・巡視艇で警戒に当たっている。
 19日午前、尖閣周辺の接続水域内を、中国の漁業監視船「漁政」2隻が航行しているのが確認された。18日には「漁政」2隻と海洋監視船「海監」10隻の計12隻が接続水域に入り、うち「海監」3隻が日本領海に侵入するなど、中国側の挑発行為は続いている。
 警戒に当たっている約50隻の海保船艇には、40ミリ機関砲を装備した高速高機能大型巡視船「あそ」や、海保の特殊部隊が乗船した巡視船2隻も含まれる。関係者は「警備レベルを上げている。退去命令に従わなければ、検挙する」と語る。
 中国は南シナ海で、ベトナムやフィリピンも領有権を主張している無人島や岩礁にまず漁民が乗り込み、最初は漁民の避難小屋を建て、そのうち海洋監視船を常駐させるなど、実効支配を広げている。
 これは、尖閣でも起こり得る事態だ。
 7月上旬、香港のテレビに出演した、中国人民解放軍の強硬派、羅援少将は「魚釣島付近に軍事演習地区およびミサイル試験発射地区を設けるべき。漁船には民兵や予備役を乗船させ、集団で操業すべきだ。魚釣島を航空兵の射的場にすべきだ」などと堂々と唱えている。
 このため、海保だけでなく、自衛隊も警戒態勢を敷いている。
 関係者によると、イージス艦や護衛艦など複数の艦船が尖閣近海で警戒しているうえ、哨戒機P3Cなどが空から東シナ海を監視している。
 加えて、島しょ防衛・奪還を主な任務とする陸上自衛隊「西部方面普通科連隊」(長崎県佐世保市)をはじめ、米軍最強の海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)を参考に創設された海上自衛隊「特別警備隊」(広島県江田島市)も、万が一に備えて待機しているとされる。
 西部方面普通科連隊は先月末から今月26日まで、「島しょ防衛の能力向上」を目的として、沖縄に司令部を置く米第3海兵遠征軍と共同訓練を実施している。訓練場所は、沖縄から北マリアナ諸島のテニアン島までの海域と、グアム、テニアン島といい、練度は高い。
 特別警備隊は、能登半島沖不審船事件の教訓を基に設立された特殊部隊で、海上警備行動時における不審船の武装解除および無力化を主任務としている。「特別警備隊こそ、自衛隊最強部隊」という関係者もいる。
 自衛隊の精鋭部隊は、尖閣諸島を死守できるのか。
 先月中旬、尖閣・魚釣島の山頂付近にある断崖絶壁に日の丸を掲げた元海上自衛隊特別警備隊先任小隊長の伊藤祐靖(すけやす)氏は「西部方面普通科連隊は、尖閣に待機して、上陸してきた中国人を排除する能力がある。特別警備隊は、万が一、中国人に上陸されて居座られた場合、上陸して奪還する能力にたけている。陸上自衛隊の特殊部隊『特殊作戦群』(千葉県船橋市)も待機しているのではないか。ともかく、首相官邸が判断さえすれば、国民の期待に応えて十分尖閣を守れる」と語った。
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南沙諸島:中国の基地化進む/ミスチーフ環礁に建造した「軍事拠点」 2012-08-02

    

 南沙諸島:中国の基地化進む…フィリピンが写真公開
 毎日新聞 2012年08月02日 09時53分(最終更新 08月02日 10時14分)
【バンコク岩佐淳士】海上に浮かぶコンクリート製の構造物。上には3階建ての建物などが見える。7月中旬にフィリピン海軍が撮影したこの写真は、中国が95年、南シナ海・南沙諸島(英語名スプラトリー諸島)のミスチーフ環礁に建造した「軍事拠点」だ。最近新設されたとみられる風力発電装置やヘリポートらしき施設も確認され、中国が実効支配を進めている様子が分かるという。
 ミスチーフ環礁は、中国やフィリピンなどが領有権を争う南沙諸島のほぼ中央に位置。フィリピン側は自国の排他的経済水域(EEZ)内だと主張するが、中国はこの「拠点」を建設以降、周辺に艦船を常駐させている。
 フィリピン海軍関係者によると、中国は南沙諸島にこのほか数カ所の「軍事拠点」を建設。ミスチーフ環礁のこの建造物は最大で「中国側は基地をどんどん建て増している」という。
 南沙諸島では今年に入り、中国のレーダー施設とみられるドーム型の構造物も確認されている。
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田母神俊雄著『田母神国軍 たったこれだけで日本は普通の国になる』(産経新聞出版)
p30~
 中国は1992年にこっそりと制定した「領海法」という国内法で、尖閣諸島や西沙・南沙諸島を中国領土だと主張しており、中国国内に「尖閣諸島は中国の領土」という共通の認識をもたせることにはすでに成功したと言えます。
■最初は中国政府の工作だとわからない
 では、日本の領土である尖閣諸島が、実際に中国に占領されてしまうきっかけにはどのようなものがあるか。「漁船」衝突事件とは、別のやり口を考えてみます。
 中国は、まずは漁船などを使って、中国人を島に上陸させることから始めると考えるのが妥当です。
 もちろんそのとき、中国政府は一応、自国民の違法行為に対して、「遺憾である」という立場を取るはずです。公式に「遺憾」とは言わないまでも、「上陸はするなと押さえていたけれど、彼らが勝手に上陸してしまった」というような言い訳をするでしょう。
 本当は中国政府が仕掛けているとしても、そんなことはおくびにも出しません。
 中国という国は、何をするにしても、最初は誰がやったかわからないような形で仕掛けてきます。(略)
 無断で日本領土である島に上陸されたのですから、日本は当然、上陸した中国人を強制的に排除しようとします。2004年のケースでも、沖縄県警が入管難民法違反の現行犯で上陸した中国人活動家7人を逮捕しています。
 ここで忘れてはならないことは、漁船で中国人が上陸するというのは、すでに大きな乗っ取り戦略の1つだということです。
 おそらく、上陸行動自体も段階的に行われるでしょう。まずは、漁船で島に近づいてきますが、海保の巡視船に注意されて、ひとまずあきらめて帰ります。
 しかし、また少し時間をあけて、様子を見ながらもう1度近づいてくる。それを3、4回繰り返して、5回目ぐらいになるといよいよ上陸してくる。
 上陸が始まってからも、中国は段階的に進めてくるでしょう。
p32~
 日本側は最初、警察当局が入管難民法違反の容疑で上陸した中国人たちを逮捕します。あるいは、最初は中国人のほうが無条件で撤退するかもしれません。しかし、2度目の上陸では、確実に逮捕者が出ます。
 そして3度目の上陸では、より多くの中国人がやって来て、逮捕者も増えます。
 それを何度か繰り返す中で、中国は漁民の中に兵士を紛れ込ませてくると考えられます。
 すると、強制的に排除しようとする警察と、中国人たちとの間で小競り合いが起きるようになります。この小競り合いも何度か繰り返されるでしょう。
 小競り合いが3日、あるいは1週間近くも続くようになってくると、中国が国を挙げて「中国人を保護しなければいけない」と乗り出してくるはずです。
危機に自衛隊が出動できない
 では、このような事態に、日本政府と自衛隊に何ができるか見てみましょう。
 2010年9月に防衛省がまとめた平成22年度防衛白書の「武装工作員などへの対処の基本的な考え方」という項目の中では、武装した工作員が日本国内で不法行為に及んだときに、第一義的に対処するのは警察機関だという考え方を示しています。
 そして、警察機関が武装工作員への対応をとっているとき、自衛隊の任務は「状況の把握」であり、「自衛隊施設の警備強化」であり、「警察官の輸送」であるとしています。自衛隊員が警察を支援するわけです。
 これが、とても馬鹿げたことであるのは子供でもわかると思います。諸外国とはまったく反対の構図で、何もしないと言っているのと同じです。
 中国人が漁船で上陸してきた初期の段階なら、まだ、警察当局や海保庁で対応できるかもしれません。しかし、その人数が増え、中には兵士も混ざり、さらには最終的に「自国民を守る」という御旗の元に中国の軍艦がやってくるまでには、そう時間はかかりません。
 「日本の領土に上陸しても、とくに武力行使されるわけでもないし、悪くて警察に捕まる程度か」という認識を中国に持たせれば、彼らは軽い気持ちで軍艦を出します。
 問題は、中国人が漁船で上陸した初期の段階で、なぜ、自衛隊が出動できないのかということです。
p34~
 この段階で、日本政府が武力攻撃事態対処法に基づいて、防衛出動ができるかといえば、おそらくできません。つまり、自衛隊は動けない。日中関係を悪くしたくないと考える人たちから、「防衛出動を発令すると、中国を刺激してよろしくない」といういつものセリフが出て、そうこうしているうちにうやむやに終わってしまうのがオチです。
 おそらく、中国の正規軍が侵攻してくるという事態にでもならない限り、日本政府は武力攻撃事態として認定しないでしょう。
 では、諸外国ではこのような事態にどう対処しているのか。
 そもそも諸外国では、まず防衛出動が発令されることはありません。防衛出動というものは、ただ軍に対して命令を与えるだけのものですが、他国ではエリアの担当司令官に、その対応が任されています。
 例えば、あるエリアが他国から攻撃を受けた場合、当然、そのエリアの防衛を担当している司令官が対応することになります。有事の際には、司令官の判断で対応するというのが、普通の国のあり方です。事は突発的に起るものですから、もたもたしていたのでは時すでに遅し、ということになります。
 日本でも国内の事件の場合は、警察の判断によって警察が対応しますが、本来、防衛に関してもそれと同じで、警察のかわりに軍が柔軟に対応するべきです。
p35~
 防衛出動が発令されるという異常な体制をとっているのは、日本だけです。日本の場合は、これが発令されなければ、自衛隊は動けないということです。
p70~
軍事力による恫喝
 2010年9月、尖閣諸島で起った中国の「漁船」が海保の巡視船に衝突してくるという事件の結末は、日本が処分保留のまま中国人船長を釈放するという外交的完全敗北に終わりました。中国は船長釈放後も攻撃の手をゆるめず、日本政府に謝罪と賠償を要求するなど、やりたい放題の強硬姿勢を貫きました。
 ことほどさように、中国は経済発展によって蓄えたカネによる軍拡を続け、その軍事力をバックに諸外国を恫喝しています。
 日本と中国の軍事力の力関係はいったいどうなっているのかといえば、いまでは中国有利にどんどん移行しつつあるというのが実態です。この20年以上にわたって、中国が二桁以上の軍事力拡張を続けてきた結果、そして日本が軍縮を続けた結果、日本は経済力だけでなく、軍事力でも中国に圧倒されつつあります。
 では現在、中国はどのような軍事的野心を持っているのか。
 今後、いままで以上に尖閣諸島へ関与してくると思われるので、中国の考え方をよく知っておく必要があります。
 まずは、中国軍の兵力と配置について、その実態をみてみましょう。
 防衛白書によると、中国の総兵力は約230万人。国内を、首都を守る「北京軍区」にはじまり、「瀋陽軍区」「蘭州軍区」「成都軍区」「南京軍区」「広州軍区」の7つの軍区に分割しています。(以下略)
p74~
 中国の国防政策の見地からすると、地理的に太平洋側に蓋をしている形で位置する日本という国は実に邪魔な国です。中国の軍艦が太平洋上に出ていくためには、どうしても日本周辺を通過しなければなりません。
 津軽海峡や北方領土の付近からは、ロシアの存在もあるので、中国もなかなか軍艦を進めることはできない。中国は沖縄本島と宮古島の間から太平洋に出るしかないからです。
 中国が毎年、軍事費を増大させていることは、もはや周知の事実です。毎年10~20%近い伸び率で国防費を増やしており、2010年度の国防予算は約5191元、日本円で6兆292億円(1元=約12円で換算)にもなります。公表されている国防費の規模は、過去5年間で2倍以上、過去20年間でみると約18倍になっています。
 そのカネで、2009年から初の国産空母の建造を始めました。アメリカが最近、行った調査では、中国は2020年までに6万トン級の空母を6隻建造するという情報があります。さらに、原子力空母の建造も計画されているといいます。
 だからこそ、日本にとって沖縄が重要だと言えます。石垣島とか与那国島、または伊良部島の南にある下地島に、陸海空の統合的な運用ができる基地を置き、ミサイル部隊や戦闘機部隊を配備しなければ、いま以上に、中国軍が日本の領海内を自由きままに我がもの顔で行き交うことになります。
p166~
 わが国は戦後、アメリカに守ってもらうことを前提としてきましたので、自らやり返すという意思がありません。従ってやり返すための攻撃力も自衛隊は持っていないのです。専守防衛では抑止力にならないのです。
 今後、多くの新興国の勃興によりアメリカの相対的国力はどんどん低下していくと思います。アメリカの抑止力は次第に弱くなっていくのです。そのような情勢下で、我が国の防衛がこれまでどおりアメリカの抑止力に全面的に依存することは無理があると思います。日中間の尖閣諸島における小競り合いでも、アメリカは中国と争うことがアメリカの国益に合致しないと判断したときは、日本を守らないと思います。
 独立国家は、自分の国を自分で守ることが必要です。日本は世界のGDPの10%近くを占める経済大国なのです。(略)
 そのためには、いま自衛隊に欠けている攻撃力を整備する必要があります。それがやられたらやり返すという明確な意思表示であり、我が国に対する侵略を抑止するのです。
 具体的には諸外国が持っている空母、戦略爆撃機、地対地ミサイル、艦対地ミサイルを持つべきです。
p167~
 現在、日本の自衛隊は空母を持っていません。
 なぜ持っていないのかと言えば、空母が攻撃のための戦闘機を運ぶものだからです。隣国が空母を持つというのに、日本にはないのですから、我が国がどれほど自衛隊に攻撃力を持たせたくないかわかろうというものでしょう。
 四方を海で囲まれた日本にとって、いつでも攻撃に出る用意があるという姿勢をとるためには空母が重要不可欠です。
 中国は、通常型の国産空母の建造に乗り出しています。つまり、中国は着実に「恫喝」の準備を進めているのです。
 このまま指をくわえてみていれば、いずれ中国の空母が東シナ海に出ようとしたとき、日本は何の対抗措置もとれないということになります。
 中国との軍事力のバランスをとるためには、日本も空母を3隻は持たなければならないと私は思います。アメリカの第7艦隊に配備された原子力空母ジョージ・ワシントンと同じクラスの10万トン級相当を想定して、3隻です。もちろん、艦載機も必要です。
 ただし、アメリカ海軍のように遠海を巡回させる必要はありません。日本周辺に置いておけば、それだけで抑止力になります。
p168~
 例えば尖閣諸島や南沙・西沙諸島といった、中国が太平洋に進出するために通過しなければならないルートに置けばいいわけです。その地域に空母が存在し、海と空を支配することが、中国に対する抑止になる。(略)
p169~
 我が国が核武装を目指す場合、国内的な合意を取ることが相当に難しいし、また核武装国はこれを邪魔しようとするでしょう。(略)
 日本の核アレルギーは相当なもので、核をアメリカに落とされたことも忘れてしまっているほどですが、1番の問題は、国民も政治家も核兵器がどういう兵器なのか、わかっていないということです。核兵器は先制攻撃に利用するものだと思われていますが、国際社会では「核兵器は防御の兵器」というのが常識です。
 核兵器はその破壊力があまりにも強大であるために、核戦争に勝者はいません。核で先制攻撃したところで必ず報復されますから、これもまた負けに等しい。
 ですから核は、「やれるならやってみろ、だけどやったら報復するぞ」と思わせておいて、実際は誰も使いはしないし、使わせもしないという“防御的”な兵器なのです。
 また、核兵器は、これまでの通常兵器のように戦力の均衡というものを必要としません。通常兵器の場合は、相手国が100で自国が1というほどの戦力差をつけられていれば、たとえ1を持っていようとも何の抑止にもなりません。しかし、核の場合は、アメリカやロシアがそれを何千発保有していようが、インドや北朝鮮が数発持つだけで十分に抑止力になります。
 日本の場合は、核武装について議論をするだけでも、核抑止力は向上します。外交交渉力も向上するのです。それだけでも、国際社会の中で日本の発言力は高まります。しかし、「核武装はしません」と公言した途端に、世界中から相手にされなくなるのです。(略)
 アメリカもロシアも、自分たち以外の国に核武装をさせたくないのが本音です。NPTという枠組みで世界的に核軍縮を呼びかけていますが、あれはタテマエでしかありません。アメリカもロシアも「核を廃絶する方向に行くよ」と単なるジェスチャーをしているの過ぎないのです。
 「私たちも核廃絶に向けて努力するのだから、いまから核武装しようとは考えないでください」ということで、本音は、「皆さんが核武装を考えなければ、私たち核保有国の優位は永遠に続きます」と言っているわけです。
 そんな核保有国の意図もわからずに、日本の首相はそれにまともに乗っかってしまう。2009年9月、ニューヨークの国連本部で開かれた核軍縮・核不拡散に関する安全保障理事会の会合で、鳩山由紀夫首相(当時)は非核三原則を堅持すると改めて宣言しました。
 鳩山さん本人は心の底から、そうすれば世界から尊敬されると思っているのだから重症です。当然ながら、世界中の国が、「馬鹿な首相もいるな」と思ったはずです。誰も言わないけれど、世界中の失笑を買ったのは明らかです。
 あの場では、「日本は唯一の被爆国だからこそ、二度と核攻撃されないためにも核武装する権利がある」と言うべきでした。鳩山氏、ひいては日本の政治家は、「国際政治を動かしているのが核兵器だ」ということを全く理解していないのだから、呆れるばかりです。
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アジアの軍事費が初めて欧州超えへ 中国軍拡などで/中国初の空母「1隻では足りない」―軍高官 2012-03-08 
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増大する赤い脅威は冷戦時代のソ連を凌ぐ! 日本も「中国の研究」に一流の人材を投入せよ 2012-03-06 
 (SAPIO 2012年2月22日号掲載)
 文=古森義久、中嶋嶺雄
 アジア全域の駐留米軍を射程にした中距離ミサイルの増強、空母の保有のみならず、衛星破壊兵器、宇宙基地、さらにはサイバー攻撃とアメリカを挑発しつづける中国。一方のアメリカも近年、中国の軍事的脅威に対する研究を強力に進め、その規模と深度はかつてのソ連研究を凌ぐほどになっている。
 このほど『「中国の正体」を暴く─アメリカが威信をかける「赤い脅威研究」の現場から』(小学館101新書)を上梓した産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏が、中国研究の第一人者として知られる国際教養大学理事長・学長の中嶋嶺雄氏と対談。「赤い脅威の正体」について語り合った。
中嶋 このところアメリカの対中国政策がずいぶん変わってきました。その最大の理由は中国の軍事的膨張です。オバマ政権の中国に対する外交・軍事戦略は明らかに従来の姿勢と違います。その点から見て、このたび古森さんが書かれた新書『「中国の正体」を暴く』は非常に中国の本質に迫った重要な作品です。
古森 オバマ政権の対中国政策の転換は、日本にとっても大きな意味があると思います。オバマ政権が登場して最初の2年間は、融和政策でした。中国を刺激するような言動はなるべくとらない、軍事力についても軍拡とか脅威とかという言葉を口にしないという、かなり明確な通達が政権内で出されていました。中国に対して厳しいことを言うとすれば、“透明性”について言及することぐらいでした。
 ご存知のように、中国の軍事体制の特徴のひとつは透明性がないということです。どういう戦略でどういう兵器をどのように調達していくのか。それを誰が、どういう手続きで決めるのかということがまったくわからない。これは民主主義ではない国の特徴です。
中嶋 人民解放軍は、林彪の時代があり、その前は彭徳懐の時代、文革後は葉剣英、海軍は劉華清でした。つまり、誰が軍の指導者かということがよくわかっていた。ところが、今は中国の軍全体が非常に膨張し、誰が軍の指導者なのか不透明になっている。従来、アメリカは中国をカウンターパートとか、ステークホルダー(利害保有者)という認識を示してきましたが、その方針を転換せざるを得ない状況になったのですよね。
古森 アメリカがどんなに融和的に中国と接しても、図に乗ってどんどん強硬な措置をとってくる。それで、オバマ政権もやむを得ず、中国の軍事拡張を正面から批判し、対応策を打ち出すようになったということです。そのクライマックスが今年1月5日にオバマ大統領が国防総省で行なった、アジアにおける米軍のプレゼンスを強化するという演説です。
中嶋 私は1993年から「米中新冷戦」ということを言ってきました。米ソの冷戦構造崩壊にともなって東西冷戦は終わったが、アジアには冷戦が残っている。特にアメリカと中国は価値観が違うだけじゃなくて、軍事戦略の面でも冷戦を続けるだろうと。それがいよいよ現実的になった。中国が台湾を含めてどういうアジア政策を展開するのか。第1列島線、第2列島線ということを言って、最近では南シナ海、尖閣諸島だけではなく、沖縄までも虎視眈々と狙っている。
             

 古森 第1列島線、第2列島線とはその影響圏、コントロールする範囲を広げていくという意味で中国が使っている用語ですね。これは西太平洋における米軍のプレゼンスがどんどん希薄になることを願っている戦略です。最近の中国がミサイル増強や空母を保有するなど、軍事のハードウェアを強化していることの背景には、そういう膨張的な戦略意図があります。
■明の時代から中国は海洋国家だった
中嶋 私が懸念するのは、中国が太平洋地域だけならともかく、イランやアラブ地域の方向にも触手を伸ばしているということです。ハーバード大学の教授だった故・サミュエル・ハンティントンは論文『文明の衝突』の中で「儒教イスラムコネクション」の危険性という問題を提起していました。中国が儒教的な専制体制をとりながら、それがイスラム原理主義、あるいはイスラム圏と結びついた時には非常に危険だという内容です。最近の中国の動きを見ていると、パキスタン、イラン、イラクといわばイスラム原理主義的な国と関係を結んでいる。そしてスーダンや、私たちが名前も知らないようなアフリカの国々にまで関心を示しています。こういう中国の世界的な膨張に対して、アメリカとしても我慢ができなくなったということでしょうね。
古森 日本にとっては西太平洋、東アジアが最大の関心の領域ですが、一方で中国がグローバルパワーとして、まず経済面から活動を拡大してきた。たとえば、昨年、リビアのカダフィ政権が倒れました。その危機の時、3万人以上の中国人労働者を帰国させるため、人民解放軍が派遣されたというように、経済活動の拡大によって、軍事力でそれを守るようになってきた。
 ただし中国がグローバル展開する際、アメリカとの価値観の違いが顕著に表われます。たとえば、アフリカ諸国に政府援助する時、アメリカは、民主主義を進めるとか、軍事用途には使わないなど必ずある程度の条件をつけます。ところが、中国の場合、ほとんど条件をつけないので、独裁政権、軍事政権は大喜びで中国からの援助を受け入れます。これがまた、アメリカにとって脅威となるわけです。
中嶋 中国のイスラム圏、アフリカ諸国への勢力拡大は、もちろん資源確保という戦略意図があるわけですが、明の時代にアフリカまで出て行った鄭和の大航海を想起させます。われわれは中国を大陸国家だと思っているけれども、中国は実は海洋国家でもある。2008年北京オリンピックの開会式で、フィールドいっぱいに無数の人間が巨大な船形のパフォーマンスを展開して鄭和を持ち上げました。あれは、世界中に海洋国家であることをアピールしたんだろうと思うんですね。
古森 その中国の軍拡は、いったい何を目指しているのか、というのがわれわれの懸念になるわけですが、日本では国政レベルで中国のあり方、特に軍事力に光を当てて研究し、議論するということがない。期待するのは無理なんでしょうか?
中嶋 日本の政治家はそんなレベルにないですね。それどころか、大挙して中国を訪問し、江沢民や胡錦濤に頭を下げるという外交をやっている。
 そもそも中国の侵犯や威嚇が続く尖閣問題は、明らかに日本外交の失敗です。1972年に日中国交正常化しましたが、その直前に人民日報が「尖閣は中国の領土」と外交声明を掲載しました。ところが、当時アメリカのニクソン大統領が訪中するという“ニクソン・ショック”で、日本政府も外務省もバスに乗り遅れるなとばかりに、その重要な声明を考慮せず、国交正常化に流れていった。その後、78年の「日中平和友好条約」批准書交換セレモニー出席のために訪日した小平は「尖閣の問題は次の世代、また次の世代に委ねる」という内容の発言をし、政府もメディアも大歓迎した。だが、小平が最高権力者となった後の92年、中国は領海法を定め、国内法上は尖閣は中国のものであるとしました。この年、天皇皇后両陛下の訪中が控えていたため、日本政府は中国の領海法に対して、ひと言も抗議していないんです。そういう既成事実の積み重ねがある上に、さらに中国に低姿勢に出る。そうすれば、中国は世界と協調してくれるだろうと。
古森 中国に対してやさしく出れば、中国もやさしくしてくれるという発想はどこから出てくるのでしょうか?
中嶋 戦後の日本外交、特に外務省のチャイナスクールなどが大きな災いの元だと思います。私はかつて香港の総領事館に外務省特別研究員として2年間勤務したことがありますが、「中国」というとそれだけで位負けするという体質があるようですね。
■日本には中国と相容れない価値観が厳存する
古森 私は北京駐在の後半に、アメリカを専門に研究している中国の知識人―政府関係者ですが―と親しくなったのですが、彼が流暢な英語で「日本と中国はひとつの国になるのが自然じゃないですかね」と本気で言うんです。で、文化も言語も違うのはどうするのかと聞くと、「言葉はやっぱり大きい国の言葉でしょう」と言うわけです。
中嶋 まさに「中華思想」ですよね。これはとても根が深い。われわれもよほど身を構えていかないといけない。
古森 アメリカの場合には、基本的な価値観の違いを少なくとも国政レベルで認識しています。だから、日本の議員のように訪中して最高指導者に会いたいなんて言う人たちはいない。胡錦濤が訪米した時でも、議会でのパーティで議会の側からは写真は撮らなかった。胡錦濤と並んでいるところを写真に撮られるのを嫌がるアメリカ議員の声が多くて禁止になったんです。中国は大変怒りましたけどね。日本の国会議員と正反対です。
 アメリカ側のそんな姿勢の背景には、一党独裁で人権を弾圧し、国民の自由な選挙で選ばれた指導者ではないという基本的な体制・価値観の違いへのはっきりした認識があります。
中嶋 なるほどね。日本はその点、中国との関係を「同文同種」といった言葉で括ろうとしますが、そもそも無理がある。中国の文化を学んだことは事実ですが、明治時代はヨーロッパの近代化を学び、戦後はアメリカ民主主義を学びました。中国から漢字文化を学んだとはいえ、日本独自の文字をつくり上げてるわけです。独自の美意識もある。
古森 日本でも中国との相容れない価値観が厳存することを認識して、もう少し国政、あるいは外交そのものと結び付いた中国の軍事動向への対応、情報収集活動も含めて新しい枠組みへの動きがあってしかるべきだと思うのですが。
中嶋 不透明な中国の軍事力に対する分析能力を磨くことは非常に重要なことですね。
古森 アメリカは中国の軍事動向を把握するために人工衛星などハードウェアを充実させ、その情報収集能力の高さはすばらしいものです。それプラス、官と民の両方で中国の軍事を研究する人材が増加している。戦後、米ソ冷戦時代、ソ連の軍事がやはり秘密のベールに包まれており、そのソ連の軍事を研究する分野に、国際政治学、安全保障学、理工系も含めて、ベスト・アンド・ブライテスト(超一流の人材)が集まっていた。キッシンジャーやブレジンスキーなどが一例です。そのベスト・アンド・ブライテストが今、中国の軍事研究へと移ってきているんです。つまり、官と民がぴたっと歩調を合わせて、アカデミズムでも中国の軍事研究が主流となっている。そういう状況が少しでも日本に出てくればと思うのですが……。
中嶋 日本のアカデミズムでは、軍事研究そのものが人気がないだけでなく、防衛大学校を除いて安全保障や防衛についての授業はほとんどないんです。一番大事なことなのに回避している。日本はアジアの中で、大学教育レベルでも遅れる気がします。
 アジアの安全保障において、今後、アジア諸国からの期待にこたえるような人材育成とともに、日本政府は沖縄の基地問題を早く解決して、中国という「脅威」に対応していく体制を構築しなければいけませんね。
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Unknown (rice_shower)
2012-09-19 22:17:14
私が信頼しているジャーナリスト、福島香織さんの寄稿。(彼女が産経の北京特派員時代、何度かメールでやり取りしたことも有ります。 因みに産経は中国政府の圧力に屈して、彼女を中国担当から外した。 ヘタレ!)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120917/236894/?P=1
同感できる分析。
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Unknown (ゆうこ)
2012-09-20 16:09:20
rice_showerさん
 コメント、ありがとう。福島香織さんの記事も、感謝です。
 メディアでは多くが「反日」のように報道されていますが、政権交代直前ですから、反日だけの暴動ではないことは容易に察しがつきます。薄熙来夫人の判決・習近平所在不明・暴動など、まったく同時で、根っこは同じだったろうと思います。いわゆる暴動の根源は「裸官」ではないか、と私は考えます。いみじくも、福島さんが「いずれにしても、一番貧乏くじを引くのは利用される庶民である。文革にしても、反日デモにしても」と記事を締め括っておられるように、あの隣国も我が国と同じ「官僚政治」が国民、庶民の末端を困窮の極みまで追いつめているのです。一度も選挙の行われたことのない国で、共産党幹部がすべてを握っています。
 ご案内の福島さんの記事をエントリさせて戴きました。感謝します。http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/bd444742511d95226d7fe7f506283608
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Unknown (rice_shower)
2012-09-20 22:10:01
福島さんはチベット問題や、以下のキリスト教関連の取材などで中国当局に睨まれ、北京を“追放”されました。
http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/31739/
拝権教、拝金教の教祖達にとって、真摯な信仰というのは、恐ろしいのでしょうね。

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Unknown (ゆうこ)
2012-09-21 17:42:15
rice_showerさん
 コメント、ありがとう。
 チベット掠奪の経緯は実に恐ろしいもので、残虐の限りを尽くしました。漢民族の用意周到な謀略戦(法律、世論、心理の三戦)は、尖閣(⇒沖縄)においても起こりうることです。いや、既に始まっています。
>〝隠れキリシタン〟たちの洗礼式
 カトリック信徒の末席を汚す者として、よく理解できました(つもり)。「受洗」というのは、幾つになっても懐かしい響きがありますね。
>「父と子と精霊の御名において、アーメン」。
 「精霊」ではなく、「聖霊」です。
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Unknown (rice_shower)
2012-09-22 17:27:16
中国問題にこだわりますが。
http://v.qq.com/cover/8/8gqaqm96md0h7hv.html?vid=i0011sbmh49
中国のCCTVで流された野中さんのインタビュー。(1:00過ぎから日本語で聴けます)
恐らく、“いわゆる”右翼、保守派は、怒髪天を衝く勢いで、「野中を殺せ!」と言うのでしょう。

私は、野中さんは在中の市井の邦人の安全のため、(影響の大きい中国メディアを通じ、愚かな中国人たちのtensionを下げるため)、敢えて、こういう国賊的発言をされたのではないか、と推測しているのですが。

もし、ベタで語っているのだとしたら論外だけど。

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Unknown (ゆうこ)
2012-09-22 21:46:11
rice_showerさん
 コメントと情報、ありがとう。
 野中広務氏による「日本政府の不法な『尖閣購入』による中日関係亀裂 日本の元官房長官が中国にお詫び」、河野談話と同様、由々しい発言です。史実(真実)を歪めては真の解決にならない。困ったことをしてくれました。正に「綸言汗のごとし」。
 尖閣も竹島も、日本固有の領土です。従軍慰安婦、南京大虐殺はでっち上げです。
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