刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」内の眼科、一般外来受付

2011-01-08 | 社会

刑務所内の眼科、全国初の一般外来受け付け
 島根県浜田市旭町の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」内の診療所で6日、眼科の月1回の一般外来診療が始まった。
 旭地区には眼科の医療機関がなく、2008年10月のセンター開所前から市が要望していた。刑務所内診療所を一般開放するのは全国初という。
 診療所は県が運営。内科、外科など受刑者用の8診療科があり、眼科では市医師会所属の男性嘱託医が月3回、診察している。07年3月、県と市が診療所を一般開放できるよう構造改革特区を申請、認定された。開所から2年余り経過、外部患者の受け入れ態勢も整ったため開放に踏み切り、初日は4人が受診した。
 夫婦で受診した近くの大工稲田義治さん(57)、節子さん(58)夫婦は「車で30~40分かけて浜田市中心部の眼科まで通っていたので、近くて助かる」と話していた。
 一般開放は毎月第1木曜日の午前10時半~午後0時半で、薬は院外処方となっている。要予約(0855.45.8166)。(2011年1月7日19時14分  読売新聞)
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受刑者らに投薬ミス、職員延べ37人に注意処分
 福島刑務所管内で2009年4月~10年9月に薬を間違えて受刑者らに投与するなどの投薬ミスがあり、延べ37人の職員が注意処分を受けていたことがわかった。
 読売新聞福島支局が法務省仙台矯正管区に対して行った情報公開請求により開示された文書によると、同刑務所管内(福島刑務所、福島刑務支所、4拘置支所)で、種類の確認を怠って誤った薬を投与したり、投与し忘れたりしていた事案が発生し、延べ37人が注意処分を受けていた。なかには、医務課長の指示で調剤した際、本来、投与すべきだった薬ではなく、名前が似ている薬を調合して服用させた事案もあった。
 同刑務所の木内久雄総務部長は読売新聞の取材に対し、「投薬ミスがあった場合は医務課長に相談して薬を飲んだ受刑者を安静にさせる。目立った健康被害はなかった。詳細な日時は公表しておらず、事案の件数や間違って投与した薬の種類を確認するには時間がかかるため回答できない」と話した。
 法務省は、全国調査で各地の矯正施設で投薬ミスが頻発していることがわかったため、04年7月、薬袋を色分けすることや、薬を渡す際に本人確認を徹底することなどの防止策を通知。同刑務所でも、こうした防止措置をとってきたとしているが、法務省仙台矯正管区は「指導の徹底を図りたい」としている。
 同刑務所視察委員として受刑者の権利擁護や処遇環境の改善に従事している新村繁文・福島大教授(刑事法)は「向精神薬や睡眠導入剤などの薬が間違って投与されていたとするなら危険で、投薬は慎重に行われるべきだ」とする。そのうえで「福島刑務所は刑務官の人数に対して受刑者の数が多く、多忙なため、薬の管理がおろそかになったのではないか」と指摘している。(2011年1月5日10時11分  読売新聞)
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〈来栖の独白〉
 投薬ミス。厳罰化と高齢化が刑務官に過重な職務を強いている。
 「岡山刑務所」塀の中の運動会/塀の中の暮らし/ 名古屋アベック殺人事件 無期懲役者2011-01-05 より 
 塀の中は現代社会の縮図。高齢化の問題は大きい。受刑者が病気になり、外の病院へ入院させる必要が生じると、3人の刑務官が付き添わねばならない。交代も含めると丸1日で6人。昨年、岡山では5人の受刑者がすべて異なる病院へ入院したことがあり、30人の刑務官が外で勤務する状態になった。受刑者を処遇する刑務官は141名(全職員218名)。休みを返上して穴埋めしたそうだが、現場の処遇や教育にも少なからず影響は出る。病気や高齢であっても、刑の執行停止にはならない。受刑者に定年はないのである。
 「今後は老人棟のように、作業をして入浴、居室へ戻れるという、一本の動線でつながるような収容施設は必要になってくると思います」
 平田利治所長の言葉だが、高齢化の波は塀の中にも押し寄せ、改革が必要な時代が到来している。


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