寝屋川中1殺害 「取り下げの意思明確」大阪高裁、控訴審開かない決定 2020/11/26

2020-11-27 | 死刑/重刑/生命犯

「取り下げの意思明確」 寝屋川中1殺害 大阪高裁、控訴審開かない決定
 2020/11/26(木) 19:50配信 毎日新聞
 大阪府寝屋川市の中1男女殺害事件で、大阪高裁は26日、1審で死刑判決を受けた山田浩二被告(50)が提出した控訴取り下げの書面を「有効」と認め、控訴審を開かない決定をした。弁護人は無効を申し入れていたが、村山浩昭裁判長は、被告が2度にわたり書面を提出したことを重視し、「取り下げの意思は明確だ」と述べた。弁護側の不服申し立てで決定が覆らなければ、判決が確定する。
 山田被告は2018年12月、大阪地裁で死刑判決を受けた。弁護側が即日控訴したが、19年5月、被告自ら控訴を取り下げる書面を大阪拘置所長に提出。死刑判決がいったん確定した。
 高裁の第6刑事部は19年12月、被告が死刑確定を明確に意識していなかった疑いがあるとして、取り下げを無効と判断。検察側の異議申し立てを受け、高裁第1刑事部は20年3月、被告の精神状態の再検討などを求めて無効決定を取り消し、審理を第6刑事部に差し戻した。
 山田被告はその直後、控訴取り下げの書面を再び拘置所に提出。高裁は最初の書面とともに取り扱いを検討していた。
 決定では2度目の書面を中心に、被告の精神状態などを検討。弁護人は山田被告が提出した書面に不備があり、「冷静な判断の下で作成されたことが疑われる」と指摘した。高裁はこれに対し、被告が拘置所職員から「このまま高裁に届けることになるがいいのか」と念を押され、「このままでいい」と返答した経緯などを踏まえ、「不備を承知しながらあえて出した」と弁護側の主張を退けた。
 書面に「拘置所の嫌がらせ、いじめ、言いがかりに耐えられない」などと記されていたことについて、弁護人は「被告がパニックに陥っていた」と主張。高裁は「思い通りにならない拘置所生活への焦りやいらだちは認められるが、訴訟能力に疑問を抱かせるような異常は認められない」と指摘し、「2度目の取り下げであることは軽視できず、無効とすべき理由は見当たらない」と結論付けた。
 決定を受け、大阪高検の畝本毅次席検事は「妥当な決定だ」とのコメントを出した。弁護人は「コメントはない」としているが、異議を申し立てた場合、高裁の別の裁判部が審理する可能性がある。
 1審判決によると、山田被告は15年8月、星野凌斗さん(当時12歳)と平田奈津美さん(同13歳)を殺害した。【伊藤遥、藤河匠】

◇弁護人の関与、法に明文規定なし
 1審判決から約2年。山田被告が提出した控訴取り下げの書面を認めるかどうかの司法判断は二転三転した。なぜなのか。
 刑事訴訟法では、被告が拘置所などに書面を提出すれば控訴取り下げが認められ、判決が確定する。しかし、弁護人が取り下げの無効を主張した場合にどう判断するか、明確な規定がない。
 過去にも同様のケースがあった。2004年に起きた奈良・小1女児殺害事件では、死刑判決を受けた被告が自ら控訴を取り下げ、弁護人が無効を申し立てたが、認められなかった。
 甲南大の笹倉香奈教授(刑事訴訟法)は「取り返しのつかない死刑事件であっても、被告の意思だけで取り下げが簡単にできる制度に欠陥がある。弁護人らの意見を聞いた上で、裁判所が被告の真意を判断するような仕組みが必要だ」と指摘する。
 高裁決定について、亡くなった星野さんの遺族代理人の奥村昌裕弁護士は「当然」としつつ、「被告側から異議申し立てがある可能性もある。関係者は振り回され、確定するまでは安心できない」と話した。平田さんの遺族代理人の平瀬義嗣弁護士は「遺族の悲しみが癒やされることはない」とのコメントを出した。【松本紫帆、山本康介】

◇山田浩二被告の控訴取り下げを巡る経緯
2015年8月 大阪府寝屋川市の中学生2人の遺体が見つかり、山田被告を逮捕
 18年12月 大阪地裁で死刑判決。弁護側が即日控訴
 19年5月 被告が控訴を取り下げ、死刑判決がいったん確定。弁護人が取り下げ無効を大阪高裁に申し入れ
   12月 高裁第6刑事部が「取り下げは無効」と決定
2020年
 3月16日 高裁第1刑事部が無効決定を取り消し、審理を第6刑事部に差し戻す
 3月24日 被告が再び控訴取り下げを求める書面を提出
 6月17日 弁護側の特別抗告を最高裁が棄却し、差し戻しが確定
 11月26日 高裁第6刑事部が「取り下げは有効」と認め、控訴審を開かない決定

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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