立原正秋に民族名の短編「ある父子」

2008-10-20 | 本/演劇…など
朝鮮半島生まれの作家・立原正秋に民族名の短編「ある父子」
(読売新聞 - 10月20日 18:54)
 ベストセラー「冬の旅」などで知られた朝鮮半島生まれの直木賞作家、立原正秋(1926~80)が、本格デビュー前に元の民族名で発表した作品があることが20日までに確認された。
 この作品は、日本で刊行されていた「自由朝鮮」誌49年2月号に、金胤奎名義で掲載された短編「ある父子」。連合国軍総司令部(GHQ)が提出させた出版前のゲラを集めた通称「プランゲ文庫」の中から、早稲田大の山本武利教授のグループが発見した。立原晩年の小説「冬のかたみに」ともエピソードが類似しているという。
 立原は生前、両親とも「日韓混血」と話していたが、2人とも朝鮮人であることが、その後明らかになった。同グループの川崎賢子・早大非常勤講師は「どこに自分を所属させるかという、民族の揺らぎの中から作家立原正秋を作り上げていった過程が分かる」と話している。

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