偽装献金問題で鳩山首相「不起訴相当」 検察審査会議決

2010-04-26 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴

検察審査会、首相不起訴「相当」 「上申書には疑問」付言
2010年4月26日 12時06分
 鳩山由紀夫首相の元公設第1秘書勝場啓二被告(59)が在宅起訴された資金管理団体などの収支報告書虚偽記入事件で、東京第4検察審査会は26日、首相を嫌疑不十分で不起訴とした検察の判断を支持、「不起訴相当」とする議決を公表した。市民から選ばれた審査員11人の多数決。議決は21日付。
 現職首相への議決は初めて。
 審査会は虚偽記入について、関係者の供述などから「勝場被告以外の者は知らなかった、首相は一切関与していないということで一致しており、首相が虚偽記入に積極的に加担しなければならない動機も見いだしがたい」と指摘した。
 一方、虚偽記入や、実母からの資金提供について「知らなかった」とする首相の上申書について「素朴な国民感情として、このようなことは考えがたく、検察官の取り調べがなされなかったことも相まって、一方的な言い分にすぎない上申書の内容そのものに疑問を投げかける声が少なからずあった」と付言した。
 さらに、政治資金規正法で、政治団体の代表者が会計責任者の選任と監督に相当な注意を怠った場合に刑事責任が問われる規定について「政治家に都合がよく、改正されるべきだ」との意見があったとも付言した。(共同)

偽装献金問題で鳩山首相「不起訴相当」 検察審査会議決
 asahi.com2010年4月26日12時21分
 鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金事件で、東京第四検察審査会は、政治資金規正法違反(虚偽記載など)容疑で告発された首相と元政策秘書(55)を東京地検特捜部が不起訴(嫌疑不十分)とした処分について、不起訴相当とする議決をした。21日付。26日に公表した。
 特捜部の処分を妥当と判断したもので、再捜査は行われず、偽装献金事件をめぐる首相の捜査は終結する見通しだ。
 議決書によると、収支報告書の虚偽記載については、友愛政経懇話会の事務担当者だった元公設第1秘書・勝場啓二被告(59)以外の者が知っていたとの証拠は見いだしがたいと指摘した。
 ただ、首相が偽装献金の原資の一部になった実母から年間1億8千万の資金提供を「まったく知らなかった」などと釈明したことを「素朴な国民感情として考えがたい」と批判。また特捜部が首相への事情聴取をしなかったことについて、「(首相の)一方的な言い分にすぎない上申書の内容そのものに疑問を投げかける声が少なからずあった」と付言した。
 会計責任者の選任・監督責任に関する規正法の規定については「選任さえ問題なければ監督不十分でも刑事責任に問われないというのは、監督責任だけで会社の上司等が責任を取らされている世間一般の常識に合致しないので改正されるべきだ」と指摘した。
 元政策秘書は「収支報告書や会計帳簿を見ていれば容易に発見可能だった」にもかかわらず、「内容を確認すらしなかったため、虚偽の記入が見過ごされたまま提出された」と指摘した。
 特捜部は昨年12月、勝場被告を同法違反(虚偽記載)罪で起訴した。会計責任者だった元政策秘書についても、今回の審査対象の虚偽記載容疑とは別に、重大な過失があったとして同法違反で略式起訴され、罰金30万円、公民権停止3年の略式命令を受けた。
 鳩山首相は「勝場元秘書にすべて任せており、自分は知らなかった」とする上申書を提出。特捜部は「首相自身が虚偽記載に関与した証拠がない」として不起訴とした。
 これに対して、鳩山首相を告発していた都内の男性が2月に、検察審査会に審査を申し立てていた。
 勝場元秘書は、東京地裁での公判で起訴内容を全面的に認め、22日に執行猶予つき有罪判決を受けた。(浦野直樹、久木良太)


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